新しい歴史が刻まれる。カナダ初カナダ人女性がデザインされた新10ドル札が誕生

  

既にご存知の方も多いかと思いますが、2018年3月8日(木)、

カナダに新しい10ドル札が誕生しましたよーーーー!!!

今回は新しい紙幣に描かれた人物、そしてそのデザインについてご紹介します。

 

国際女性デーにカナダの新しい10ドル札が誕生!

2018年3月8日(木)は国際女性デー(International Women’s Day)でした。

国際女性デーは「女性の権利獲得に向けた過去の歩みを祝うとともに、今でも女性被害者が跡を絶たないことを想起する日」とされています。(Wikipedia:国際女性デー


(国際女性デーにジャスティントルドー首相からメッセージもありました)

その女性のための記念日に、Halifax Central Libraryで行われたイベントで新しい10ドル札が発表されました。

その表裏のデザインがこちらです。(↓)

そう!この新10ドル札、通常の横デザインではなく、なんと縦デザイン。(カナダ初)

この時点で驚いた方も多いかと思いますが、さらに歴史が動いた感があるのが、

カナダ史上初めて「カナダ人女性(ヴァイオラ・デズモンドさんがお札の肖像画がデザインに採用された」ことです。(黒人女性としても初)
(この前まで、女性がデザインされたお札はエリザベス女王の20ドル紙幣のみでした。※記念紙幣を除く)


photo from Bank of Canada

ちなみに、2016年3月8日(国際女性デー)に、ジャスティントルドー首相からこんな言葉が出ていたことを覚えている方も多いのではないでしょうか?

“A Canadian woman will be featured on the very first of the next series of bills expected in 2018,” Trudeau said.

(意訳)2018年に発表するであろう次の紙幣には初めてカナダ人女性を起用するでしょう

参照:CBC Canadian woman will be on next series of bank notes, Trudeau announces

 

その後、2016年12月にはヴァイオラ・デズモンドさんが国民投票によって採用されたことも発表されていました。

ということでついに、2016年の発表通りカナダ人女性が起用された初の10ドル紙幣が誕生となったのでした。

 

新10ドル紙幣に描かれたカナダ人女性: ヴァイオラ・デズモンド(Viola Desmond)さんはどんな人?

photo from Wikipedia

ここで、紙幣に描かれた女性を知らない人に簡単ながら紹介したいと思います。

ヴァイオラ・デズモンドさん (1914年7月6日 – 1965年2月7日)はカナダ・ノバスコシア出身の黒人女性実業家です。

元々は自身の美容院を開き、美容化粧品ブランドを立ち上げるなど実業家として活躍していましたが、ある日ニューグラスゴーの映画館で人種差別を受け(肌の色で座る場所が分けられていた)、抵抗した結果逮捕。

脱税の罪で起訴、有罪判決を受けました。そのときのシーンが以下の Historica Canada の動画で再現されているのでチェックしてみてください。

この事件はカナダの歴史で最も広く取り上げられた人種差別事件として知られていて、カナダの人権運動の先駆けとなりました。

その後、2010年4月にはカナダで初めて没後に恩赦を受けた人物とされニュースになりました。
ノバスコシア州政府もデズモンドさんを脱税の罪で訴えたことを謝罪し、彼女の行動が人種差別に対する正当な抵抗であったことを認めています。

そして、3月8日(木)の新紙幣のお披露目では、ヴァイオラ・デズモンドさんの妹にあたるワンダ・ロブソン(Wanda Robson)さんも登場していました。

以下の動画では、初めてヴァイオラ・デズモンドさんがデザインされた新紙幣を初めて目にしたワンダ・ロブソンさんの姿も映されています。

また、新紙幣にはヴァイオラ・デズモンドさんが暮らしたハリファックスの地図や、オタワにある議会図書館、国旗などのカナダのシンボル、マニトバ州ウィニペグにあるカナダ人権博物館も描かれています。


photo from Bank of Canada

デザイン一つ一つに意味があるので、詳しくは以下の動画 or Bank of Canadaのページを見てみると面白いですよ。

 

最後に:また一つ新しい歴史が刻まれたカナダ。今後もカナダの著名人が採用された紙幣が誕生する予定

ということで、いかがでしたか?

普段から「性別・セクシャリティを問わず、平等であるべきだ」と唱えているジャスティントルドー首相の元だからこそ、今回のカナダ人女性を起用した紙幣が誕生したのかもしれませんね。


photo from Bank of Canada

ちなみに、Bank of Canada によると、次の新しい5ドル紙幣もカナダの著名人がデザインに採用される予定とのことです。

これに伴い、今まで10ドル札に印刷されていたカナダ初代首相ジョン・A・マクドナルド元首相(John A. Macdonald)や、5ドル紙幣のウィルフリッド・ローリエ(Wilfrid Laurier)氏は、金額の高い紙幣に印刷されることも発表されています。(20ドル紙幣は変更無し)

次の5ドル札、誰が選ばれるのか今から楽しみですね。

 

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