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トロント大学ってどんな大学?カナダの最高学府の歴史、規模、進学について

  

カナダの教育水準は世界でもトップクラス。毎年世界の国の教育水準や教育機関についての調査を行っているU.S. News & World Reportによると、2018年と2019年には、教育レベルの高い国としてカナダは第3位に選ばれています。


photo from University of Toronto

そんなカナダ国内には高い教育を提供する大学が数多くありますが、中でもここトロントにあるオンタリオ州トロント大学(通称UofT)は、カナダ最上位の水準を誇るカナダの最高学府として、カナダの大学の中で最も古い歴史を持ち、その規模や学生数もカナダ最大です。そこで今回は、この身近にありながら意外と知らないトロント大学について、ご紹介します。

トロント大学の歴史


photo from University of Toronto

トロント大学は、カナダで最も歴史が古い総合大学で、前身は、1827年に創設されたキングス・カレッジという学校です。創設当時は英国教会によって運営されていましたが、英国教会の宗教の人が少なかったため、学校の人気がふるわず、その後に、無宗教の教育機関として1850年にトロント大学として生まれ変わりました。その後、メソジスト系学校のビクトリア・カレッジや、ローマ・カトリック系のセント・マイケル・カレッジなどの他のカレッジが連合してそれぞれが独立しながらも、総合大学として機能しています。
1900年代前半に、教育学部、経済学部、森林学部などが創設され、ロイヤル・オンタリオ博物館といった研究機関と提携するなど、トロント大学は急成長します。
世界大戦以降にはさらに拡大し、ニューカレッジやイニスカレッジなど、セント・ジョージキャンパスにさらなるカレッジ施設が増え、1960年代にはミシサガ校とスカボロー校も創設されました。

参照:TheCanadian Encyclopedia

トロント大学の水準

トロント大学は、教育や研究などにおいて、その高い水準を誇っています。そこでさまざまな調査機関によるトロント大学のランキングや、ノーベル賞受賞者、有名な研究などをご紹介します。

世界の大学ランキング(2019-2020)

毎年様々な機関が行う大学の水準を表すランキングでは、トロント大学は世界の1,000ほどの大学の中で、常に上位にランクインしています。

調査機関 ランキング
Times Higher Education 18位(1,103大学中)
※東京大学は36位
QS World University Rankings 29位(1,002大学中)
※東京大学は22位
US News Best Global Universities 18位(1,500大学中)
※東京大学は74位
NTU Ranking (formerly HEEACT) 2018 4位(835大学中)
※東京大学は28位

学生の就職能力が高い世界の大学のランキング

Times Higher Educationが毎年行っている、エンプロイアビリティの高い大学の2019年の調査では、トロント大学は250校中15位にランクイン。日本の東京大学は7位にランクイン。

※エンプロイアビリティィ(empl oyability)は経済学用語の1つで、従業員として「雇用され得る能力」のこと。 雇用されるに値する能力を指し、継続して雇用されるための能力も含む概念です。 また、我々を取り巻く技術環境や産業構造の変化に順応し、迅速に異動や転職ができる能力でもあります。(引用:ビズヒント

ノーベル賞受賞者10人

カナダ人初のノーベル賞受賞者となるフレデリック・バンティング(左)とジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド(真ん中)、ノーベル平和賞受賞者のカナダ首相レスター・ボールズ・ピアソン(右)
photo from Left:Arthur Goss – Library and Archives of Canada – PA-123481/Centre:University of Toronto/Righ:Nobel Foundation, Associated Press

化学、物理、医学、平和などの分野において教授や卒業生を含め、トロント大学が輩出したノーベル賞受賞者は10人。
カナダ人初のノーベル賞受賞者となるフレデリック・バンティングとジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウドの2人は、共同研究でインスリンを発見し、1923年にノーベル生理学・医学賞を受賞。
カナダの第14代首相でもある卒業生のレスター・ボールズ・ピアソンは、いまの国際連合平和維持活動の元となる国連緊急軍の創設を提唱した事が評価され、1957年にノーベル平和賞を受賞しています。

参照:Research UofT

AI(人工知能)やディープ・ラーニング研究で有名

photo from University of Toronto

トロント大学は、この数年で急速に進化を遂げているAI(人工知能)の分野で有名です。その理由が、ジェフリー・ヒントン博士の存在。
AIが注目される以前から、AIの機械学習手法の一つであるディープラーニングの研究を低予算で行い、AIを飛躍的な進化をさせた「AIのゴットファーザー」とも呼ばれる人物です。現在、グーグルのAI研究員を兼ねながら、名誉教授としてトロント大学に在籍。また、オンタリオ州とカナダ政府が巨額の助成金を出して設立された、世界最高レベルの人工知能の研究を行うベクター研究所の主任顧問を努めています。
そうした事からトロント大学にはAI研究が盛んで、この分野の多くの研究者が在籍します。ディープ・ラーニングやデータ・マイニングといったAI関連分野のコースも充実し、多くの学生が学んでいます。

トロント大学の規模

カナダで最も大きい総合大学であるトロント大学。そこで、どのくらいの規模なのかを、数字で見てみましょう。

キャンパスの敷地面積

合計421ヘクタール
(セント・ジョージ・180ヘクタール、スカボロー・152ヘクタール、ミシサガ・89.4ヘクタール)※1ヘクタール=0.01キロ平方メートル

ダウンタウンにあるセント・ジョージ・キャンパス、スカボロー・キャンパス、ミシサガ・キャンパスをあわせると、421ヘクタール、東京ドームおよそ90個分の広さの敷地面です。広い!

教員・職員数

教員数:14,434人(研究員含む) 職員数:7,198人 司書員:156人

教職員の数だけでも2万人以上。これ以外にも、大学を運営するため、たくさんの外部委託先などがある事も考えると、トロント大学は雇用を生み出しトロントの経済にも貢献しているのも分かりますね。

学生数

学部生:71,930人 大学院生:19,356人
※2018秋からの入学を含めたフルタイム学生数

およそ9万人のフルタイム学生がトロント大学に通っています。2万人の教職員と合わせると11万人。カナダの地方の小さな都市、例えばウォータールー(11万3千人)とほぼ同規模の人口です。

留学生

20,930人(全体の22%)(学部生17,403人・大学院生3,527人)出身国数:157カ国
※2018秋からの入学を含めたフルタイム学生数

上の図でも分かる通り、日本からの留学生の人数は上位10カ国の9位に位置し、およそ200人ほどの日本人留学生がトロント大学で勉強中です。LifeTorontoを見てくださっているトロント大学の留学生の方もたくさんいらっしゃいますよ。

参照:U of T Quick Facts

トロント大学の有名な建物

トロント大学には現在150を超える建物があり、中には文化財に指定されたり、特徴的なデザインで有名な建物などがあります。そうした建物をいくつがご紹介します。

ユニバーシティ・カレッジ
(University college)

トロント大学を象徴する建物ユニバーシティ・カレッジは、1853年に建てられカナダの文化遺産としてカナダ国定史跡に指定されています。カナダで最も古い学生自治施設でもあります。

ジョン・P・ロバーツ研究図書館
(John P. Robarts Research Library)


photo from University of Toronto Libraries

通称ロバーツ・ライブラリーと呼ばれるトロント大学の一番大きな図書館。第17代オンタリオ州知事の名前をとったこの図書館は1973年にできたこの図書館には450万冊以上の本が所蔵されています。
コンクリートの外観が特徴的なこの建物は、1950年代に始まったブルータリズム建築の代表的なデザインとして世界的に有名です。

アネスリー・ホール
(Annesley Hall)


Photo:B Sutherland on Flickr

1903年に建てられたアネスリー・ホールも、カナダの文化遺産としてカナダ国定史跡に指定された建物で、カナダで初の大学女子寮で、トロント大学のビクトリア・カレッジに通う学生向けに作られました。クイーン・アン様式と呼ばれる18世紀前期にイギリスで生まれたデザインを踏襲しています。

グラデュエイト・ハウス
(Graduate House)


Photo:SimonP

スパダイナ・アベニュー沿いにあり、Uniersity of Torontoと大きく書かれたモチーフが印象的なこの建物は、2000年に建てれたトロント大学の学生寮。「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞受賞者のアメリカ人建築家トム・マインによるデザインで、この建物も多くの建築賞を受賞しています。

トロント大学に進学するには?

このように充実した設備と教育環境が整ったカナダ最高学府、トロント大学。
ぜひここで学びたい!と思う方も多いでしょう。

日本からカナダの大学に進学するには、地元のハイスクールへ入学して進学するか、カレッジ(短大)からの編入するなどの方法があります。

ただし、その水準から他のカナダの大学に比べて、トロント大学は入学の難易度も学費も高い大学です。

しかし、しっかりした準備を行えば夢ではありません。
準備には、かなりの労力などが必要になりますので、ぜひ自分で調べるだけでなく、現地の留学エージェントさんを活用しましょう。
下記のActiv8留学さんも、カナダでの大学進学をサポートしているトロントの留学エージェントさんのひとつです。ぜひ相談してみてくださいね。

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