カナダ好きのみなさ~ん!
カナダ建国150周年を記念した3ドルコインが先日発表されたのをご存知ですか?
実はこの3ドルコイン、「カナダを象徴するもの」がたくさんデザインされています。今回は、一体どんなものがシンボルとして刻まれたのかを一緒に見てみましょう。
目次
3ドルコインはカナダ建国150周年記念デザイン!コイン裏面にデザインされたカナダを象徴するもの15
オタワでカナダのコインを製造しているロイヤル・カナディアン・ミント(Royal Canadian Mint)が先月、カナダ建国150周年を記念した3ドルコインを発表しました。
以下がそのコインの裏面デザインです。(表面はエリザベス女王の横顔)
photo from mint.ca
カナダのシンボルともいえるものがたくさんのデザインされていますが、皆さんはパッと見ただけでいくつ分かりましたか?
今回はカナダ建国150周年にちなんで、このデザインの中から15のシンボルをピックアップして、ちょっとした豆知識と一緒にご紹介したいと思います。
1.ムース
カナダを象徴する動物「ムース(ヘラジカ)」。
(北米のヘラジカはムース(moose)と呼ばれていますが、ユーラシア大陸ではエルク(elk)という呼び名が一般的。)
体長は約2~3mで体重も200~825㎏ほどあり、シカ科の最大種です。中国北部やアメリカ北部、スウェーデン、フィンランドなどにも生息しています。
角があるのは雄だけで、角は毎年生え変わります。なんだか不思議ですよね。また、「木の枝」が大好物って知ってましたか?
photo from wikipedia.org
ちなみにヘラジカが多く生息する地域では、ヘラジカへの注意を促す道路標識もあります。「見たことがある!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2.ビーバー
ムースと一緒にカナダを象徴する動物とされているのが「ビーバー」ですよね。
海狸(うみだぬき)という和名もありますが、1975年にはカナダ議会がビーバーを国獣(Official Emblem of Canada)に認定しています。
ビーバーは人間以外で唯一生息環境を整える能力がある珍しい動物で、川や湖の土手に巣穴を掘ったり、適当な場所が見つからない場合はダムを造り、そこを住みやすい場所に変えることができます。
世界最大のビーバーのダムは、カナダ・アルバータ州のウッド・バッファロー国立公園内にあります。
長さは850mにもなるそうで、Google Mapsで「Largest Beaver Dam in the world」と検索すると出てきますよ。
また、その丈夫な歯を使えば、直径15cm程度の木であれば、わずか10分で倒せるといわれています。
3.サーモン
カナダのお土産といえば、メープルシロップと並んで大人気なのが「サーモン」!カナダの天然サーモンのほとんどはBC州で漁獲されています。
また、サーモン釣りで有名なのはバンクーバー島にある「キャンベルリバー」。毎年多くの釣り好きが訪れます。
さらに、BC州では夏~初冬頃にサーモンが遡上する光景を見ることができ、毎年鑑賞ツアーも組まれています。
4.アイスホッケーのスティックとパック
カナダの国技「アイスホッケー」。コインには、スティックとパック(※球技におけるボールに相当するもの)が描かれています。
ちなみにカナダのもう一つの国技はラクロスですよね。
アイスホッケーの起源について調べてみると、定かではなく色々な説があるようです。例えば、16世紀のオランダの絵画には、凍結した運河でホッケーに似たスポーツを行っている光景が描かれていたりします。
また、近代的なアイスホッケーの起源のみに限定しても、カナダのモントリオールとする説の他、キングストン、ウインザー、ノヴァ・スコシアなどもその発祥地として名乗りを上げているなど、その起源が気になるところですね。
5.雪の結晶
なにかと雪の多いカナダ。
カナダで特に雪が多い都市として知られているのが、プリンスエドワードアイランド州の州都「シャーロットタウン」。
The Guardian誌のこちらの記事によると、2014~15年の観測で積雪159㎝を記録した日もあったとのことで、この年はプリンスエドワードアイランド州の歴史の中でも「最も雪の積もった年」になったそうです。
また、トロントでは毎年のように雪が積もりますし、あまり雪が降らないといわれるバンクーバーでさえ今年は雪模様なので、コインに雪がデザインされて納得ですね。
6.ホッキョクグマ
北極圏の陸上に生息する世界最大の肉食動物が「ホッキョクグマ(シロクマ)」です。
そしてシロクマといえば、「ポーラーベアー・キャピタル」と呼ばれるカナダのマニトバ州北部にある町チャーチルが有名ですよね。(2006年のデータで人口923人)
例年秋に内陸部から海岸へと移動する多くのホッキョクグマが見られるため、観察ツアーも現地で多く行われています。一度はこの目で見てみたいですよね。
7.イヌクシュク
カナダを語る上で外せないのが、「イヌクシュク(Inukshuk)」です。
イヌクシュクという名前はイヌクティトゥット語から生まれました。
「人間の機能を代行するもの・人の機能を持つもの」という意味があります。
イヌクシュクにはさまざまなカタチ・大きさがありますが、交通の標識として使われた可能性があるといわれており、以下のような場所を示したという説があります。
ちなみに、1969年にカナダ国定史跡に指定されたカナダ北東部(ヌナブト準州)北極諸島にあるバフィン島にある Enukso Point には、100基以上のイヌクシュクがあります。
8.国会議事堂
オタワを象徴するものとして挙げられるのが、「国会議事堂」です。
国会議事堂は丘の上にあるため「パーラメント・ヒル(Parliament Hill)」と呼ばれ、ゴシック様式の美しい建物は観光の目玉。毎年約300万もの観光客が訪れるといわれています。
1859年から政府区域としての開発が始まり、国会議事堂が誕生しました。
中央棟(Centre Block)、西棟(West Block)、東棟(East Block)という3つの建築物から成り立っていますが、創建時の中央棟は図書館を除き、1916年に火災で焼失。現在あるものは1922年に再建されたものになります。
9.カナダ国旗 / 10.メープルシロップ
カナダの国旗には過去、様々なデザインがあったことを知っていますか?
現在の中央に赤いサトウカエデの葉がデザインされているものは、1965年2月15日から使用されています。
また、実際の国旗にはなりませんでしたが、過去に提案されたデザインにはこんなものもありました。
photo from wikipedia.org
そしてサトウカエデといえば「メープルシロップ」。
カナダの先住民の青年が斧を楓の幹に刺しておいたところ、そこから樹液が出てきて、水の代わりにそれを茹で汁に使ってみたのが、メープルシロップの始まりと言われています。
LifeTorontoでは過去にメープルシロップを特集したこともあったので、詳しくはこちらの記事を見てみてくださいね。
11.灯台 / 12.ロブスタートラップ
カナダの東海岸には観光地が多いですが、特にハリファックスから約40キロ行ったところに、小さな漁村「ペギーズコーブ」があります。
こじんまりとしたペギーズコーブにある灯台は絶好のシャッタースポットとして有名。
2010年に公開された生田斗真さん・新垣結衣さん主演の映画『ハナミズキ』のロケ地にもなりました。
(コインに描かれている灯台がペギーズコーブのものかは不明ですが)
また、ペギーズコーブを含めカナダ東部ではロブスターの水揚げも有名ですよね。東部を旅行された方は、ロブスターを捕獲するための仕掛けを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
ちなみに、プリンスエドワードアイランド州地域は他の地域より水温が低く、より身の締まったロブスターが食べられるとも言われていますよ。
13.トボガンぞり
photo from wikipedia.org
コインに描かれているソリは、カナダのエスキモー民族インヌが使う「トボガン」です。
トボガンは底が平らになっていて、底全体が路面に接するようになっていて、横から見るとアルファベットの J のような形をしています。
長さは色々なサイズがあり、一人用からみんなが一緒に滑ることができるものもあります。
ちなみに、初期のトボガンは木製。その後、アルミニウムやプラスチックなど違った素材も利用されるようになりました。
ロイヤルカナディアンミントでは、こんな10ドルコインも作成されていましたよ↓
photo from mint.ca
14.カヌー
photo from wikipedia.org / オープンデッキタイプのカナディアンカヌー
カナディアンの定番アクティビティといえば、「カヌー」!(&カヤック!)
カナダ各地で夏になると、カヌーやカヤッキングをしている人を見かけますよね。
ここでは、豆知識としてカヌーとカヤックの違いについて触れてみたいと思いますが、実は定義が色々あるので、参考程度にしてみてください。
カヌー
・オープンデッキタイプ
・デッキの中に膝をついて座る
・シングルブレードのパドルで推進するもの
カヤック
・クローズドデッキ
・デッキの中に腰をかけて座る
・ダブルブレードのパドルで推進するもの
15.カナダガン
顔に白いラインがあり、頭と首が黒く、茶色の羽で体を覆われた雁(ガン)が「カナダガン」です。
カナダやアメリカ北部では、あちこちに生息しています。ときには人間にとって害鳥扱いされることもありますが、北米で最も一般的な水鳥として知られています。
ちなみに、カナダガンを国鳥と勘違いされている方がいるかもしれませんが、カナダの国鳥はアビ(英名:Loon)です。
1ドル硬貨の裏面にデザインされていて、1ドル硬貨が「ルーニー(loonie)」と呼ばれるのも、アビの英名から来ているんですよね。
その他にもコインには、
・「小麦」(カナダ穀物の最重要輸出品目といわれ、マニトバ・サスカチュワン・アルバータが主な産地)
・「飛行機」
・「ブラックスプルース(クロトウヒ)」(カナダに生育するマツ科の針葉樹)
・「山々」
が描かれています。もう一度、下の動画で確認してみてくださいね。
まとめ:あなたが思うカナダのシンボルは入っていましたか?
photo from mint.ca
ということで、いかがでしたか?
カナダ人アーティストの Laurie McGawさんによってデザインされたこの純銀貨は、ロイヤルカナディアンミントの公式サイトで $ 19.95 で購入可能!
購入額は実際の価値の6.65倍ですが、数量限定なので将来的にコレクター価格が付くかもしれませんね。
ちなみに3ドルコインの表面は、別のアーティスト Susanna Blunt さんによるエリザベス女王の横顔が描かれていますよ。
photo from mint.ca
一人ひとりカナダに対する想いがあって、皆さんが考えるカナダのシンボルもそれぞれ違うのではないでしょうか?
LifeTorontoスタッフにとってカナダといえば「プーティーン」なのですが、残念ながらデザインには入っていませんでした。(すぐ食に走るスタッフ)
改めまして、カナダ建国150周年おめでとうございま~す!
Royal Canadian Mint / Monnaie Royale Canadienne
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