緊急事態宣言が発令されて以降、人の移動が減少したことで、トロントの不動産賃貸市場でも大きな影響が続いています。
賃貸物件市場は、現在は一転して借り手市場に
不動産専門の調査会社UrbanationがCBCに語ったレポートによると、6月後半の入居の賃貸契約数は昨年に比べて27%減、5月は41%減。
また、6月前半の入居者の募集物件数は、昨年比で74%も増加しています。
この傾向は、新型コロナウィルス拡大によるカナダが緊急事態宣言を出して以降つづいている傾向で、今年2月時点では、賃貸契約数は、前年比32%増で、貸し手市場が続いていましたが、緊急事態宣言後の今年の3月後半に入り、一気に24.8%減まで下がっています。
Image from Urbanation
さらなる賃貸物件数の増加続く模様
Urbanationの調査では、家具やベッドなどが揃った賃貸物件も5月の時点で62%増加していることが報告されています。
これには、旅行者などの短期滞在者向けにAirbnbなどでレンタルしていた物件が、通常の賃貸物件として貸し出されるようになった事が要因ではないかと同社は見ています。
また今年末までには、入居可能になる新築賃貸物件も新たに2万件増えるため、こうした借り手市場の動向は来年2021年まで続くだろうと、Urbanationの担当者は予測しています。
トロントの現在の平均家賃
Urbanationによれば、コンド(日本でいうマンション型の集合住宅)の賃貸では、6月前半は平均家賃が、前年と比べては5.7%安くなっています。
賃貸物件検索WebサイトのPadmapperの最新レポートによると、トロントの現在の1ベッドルームの月の平均家賃は$2,100。
昨年の同時点では$2,230、また先月は$2,149で、家賃料の減少傾向が続いている模様です。
Image from Padmapper
賃貸市場の下降の主な要因
こうした動向は、海外からトロントに移住してくる移民や留学生の数が減っていること、また国内においても、オンライン授業に切り替わったことでトロントに住んでいた学生が実家に戻っていることなどが、主な要因と考えられています。
学生だけでなく、リモートワークやレイオフをきっかけに、新型コロナウィルス感染拡大期間にトロントを離れる若者が増えている現状もあるとCBCは報じています。
こうした借り手市場の状況は、引き続き今年いっぱい続くのではという見込みです。
これまで、トロントでは家賃が高すぎる事も問題になってきていたので、賃貸での住み替えは今が狙い時かもしれませんね。