日本では夏になると、スーパーなどで手持ち花火を買ってきて、自宅の庭などで家族や友人と花火をすることも多いですよね。
しかし、カナダ・オンタリオ州トロントでは花火の使用と販売は規制されていて、私有地での花火は1年で2日しか許可されていません。
そこで今回は、自宅などで花火をしたいという方に向けて、トロント市の情報をもとにそのルールなどをまとめてみました。
1年で2日だけ。いつトロントで花火ができるの?
トロントで許可なく花火ができるのは、「ビクトリアデー」と「カナダデー」だけです。1年でこの2日間を逃すと、他の日は花火を私有地で楽しむことができないので注意してください。
■ ビクトリアデー(Victoria day)
ビクトリアデーはカナダの祝日でビクトリア元女王の誕生日を祝う日。ビクトリア元女王の誕生日は1819年5月24日で、毎年5月25日より前で一番近い月曜日がビクトリアデーになります。
2025年5月19日(月)
2026年5月18日(月)
2027年5月24日(月)
■ カナダデー(Canada day)
カナダデーはカナダの誕生日です。イギリスから自治権を獲得した日、つまり建国記念日で、毎年7月1日は祝日となっています。
2024年7月1日(月)
2025年7月1日(火)
2026年7月1日(水)
2027年7月1日(木)
ちなみに他の日に花火をするには、トロント消防署からの許可が必要になります。許可をリクエストするには、tfs_events @ toronto.ca または 416-338-8783 に連絡が必要です。
花火ができる場所と花火ができない場所
photo from toronto.ca
ビクトリアデーとカナダデーには、家の庭などの私有地でのみ家庭用花火をすることが可能です。午後11時までに限り許可されています。
公園やビーチ、ストリート、駐車場、バルコニーなどでは花火はできないので、注意が必要です。
また、ビクトリアデーとカナダデー以外に花火をした場合、罰金1,000ドルが科せられる可能性があります。公園やビーチにて花火を所持しているだけでも600ドルの罰金になる場合も。
花火を使用する際は、常に周囲に注意してください。花火は、人や物に迷惑をかけたり、火災、けが、破損の恐れがある場所でやらないようにしましょう。
もう一方で、ビクトリアデーとカナダデーはどちらも鳥たちの巣作りの季節にあたり、花火がトロントの鳥とそのヒナに悪影響を与える可能性があるともいわれています。
鳥のコミュニケーション能力をかき消し、鳥が自らの安全を求めて巣やヒナの飼育を放棄する原因となるそうなので、鳥たちの自然生息地の近くで花火を打ち上げないようにと、トロント市からのお願いも出ています。
花火を安全に使用する方法
Celebrate #VictoriaDay safely! Family fireworks may be discharged on your private property without a permit on Victoria Day but check out these fire safety tips from @Toronto_Fire: https://t.co/9xcq284EDE pic.twitter.com/rLh0yJGEaZ
— City of Toronto (@cityoftoronto) May 17, 2020
トロント市によると、家族用花火には以下のような危険性の低いものが含まれます。
花火は重傷を負う可能性があるものです。私有地の庭にて花火をする場合は、適切なサイズの庭があり、近くに建物や木がないことを確認してください。責任ある大人が花火大会を監督してください。また、18歳未満の子どもは花火に点火できないので、注意です。
購入する花火については、常にメーカーのラベルに従ってください。 誰もが安全を保つために、花火を見ている人がどれだけ離れている必要があるか記されています。
次の安全上のヒントは、自分の庭で花火イベントを主催する大人向けです。トロント市がまとめている「Use & Disposal of Fireworks」ページの内容の一部を意訳してお届けするので、花火をすることを考えている方は参考にしてみてください。
・市が発行した花火販売業者の許可証を表示している小売業者から花火を購入してください
・常にメーカーのラベルの指示を読み、それに従ってください
・花火を使用する前に、子どもの手の届かないところに、できれば鍵のかかった戸棚や引き出しの中に入れておく必要があります
・花火を楽しむ際は、建物や樹木などの可燃物から安全な距離で行ってください
・携帯用の発射台が利用できない場合は、発火する前に、花火の長さの少なくとも半分を砂のバケツに埋める必要があります
<保護する>
・花火が発火しない場合は、再点火しないでください
・花火に火をつける大人は、目の保護具を着用し、花火が出る上部に体をもっていかないでください
・他の人に花火を投げたり、向けたりしないでください
・花火をポケットに入れて持ち運ばないでください
・金属やガラスの容器に花火を向けないでください
・室内で花火をしないでください
・万が一火傷を負った場合は、冷水で数分間流してください
<防ぐ>
・事故や怪我を防ぐために、線香花火(sparklers)には水をかけるか、遊んでいる子どもから離れた安全な場所で冷やす必要があります(線香花火の端はしばらくの間熱くなるため)
・線香花火を屋内で使用しないでください
・子どもたちが花火に火をつけることを決して許されません
・指定された大人1名が花火を点火するべきです
・終わった花火のために、常に手元に水(庭のホースとバケツの水)を用意してください
・一度に1つの花火のみを点火してください
<ペットの安全性>
花火大会では、ペットが怖がって家から逃げ出したり、大きな音が出したりすることがあります。ペットの安全を確保するためのヒントは以下になります。
・花火をしている間は、ペットを家の中に入れてください
・ビクトリアデーやカナダデーに外に出なければならない場合は、ひもでつないでペットのライセンスタグを付けたままにしてください
・花火の音を消すために、周囲のノイズを利用してみてください。心地よい音楽を再生するラジオやテレビが適しています
・花火でのお祝いは止めて、彼らと一緒に家にいてください
・ペットの気が花火に向かないように、忙しくさせるのも手です
花火を適切に処分する方法
花火の不適切な処分は、ごみ収集車や施設で火災を引き起こす可能性があるため、花火は安全に処分することが重要です。
使用済みまたは未使用の花火を処分するには、花火を水に一晩浸してください。さらに、浸した花火はビニール袋に入れて乾かないように包み、ゴミ箱に入れます。
使用済みまたは未使用の花火は、一度に最大10個まで少量で廃棄してください。
最後に:自宅の庭などで花火を楽しめるチャンス
ということで、お家で花火を楽しみたい人はルールを守って楽しみましょう。
多くの犬は花火の騒音などに対して吠えたり、逃げて隠れようとするなど不安の兆候を示すといわれているので、自宅に犬がいる場合はもちろんのこと、近所で犬を飼っている人たちの迷惑にならないようにしてください。
また、トロント市によると、公園やビーチでの花火の使用、違法販売、および誰かが花火を悪用している可能性を報告するには、311 に連絡してくださいとのことです。