2018年6月にカナダで嗜好品としてのマリファナの所持・使用を合法とする法案が可決され、いよいよ2018年10月17日より施行されます。
LifeTorontoでも以前マリファナについて記事で取り上げていますが、大事なことなので、施行直前にもう一度マリファナについて3項目に分けておさらいしてみたいと思います。
3分くらいあれば全部読めるボリュームなので、「マリファナについて重要なポイントだけ押さえておきたい」という方もチェックしてみてください。
大事なこと1. 在留邦人や日本人旅行客は日本の法律を遵守の上、カナダや隣国アメリカでも大麻に手を出さない
みなさんご存知のとおり、日本では大麻取締法において大麻の所持・譲受(購入を含む)等については違法とされ、処罰の対象となっています。
この規定は日本国内のみならず、海外において行われた場合であっても適用されることがあるので、在留邦人や日本人旅行客の方はカナダでもマリファナに手を出さないようにしてください。
また、カナダ・トロントから気軽に行くことができるアメリカですが、在ロサンゼルス日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Los Angeles)によると、アメリカでは連邦法でマリファナは禁止薬物に指定されています。
マリファナのカリフォルニア州での取扱い
カリフォルニア州においては、2016年11月、21歳以上の者の嗜好品としてのマリファナの所持(28.5グラムまで、濃縮大麻は8グラムまで)及び自宅や認められた場所での使用が一定の条件の下では違法ではなくなりました。 しかし、米国には連邦法があり,連邦法の「規制物質法(Controlled Substances Act)」では,マリファナはSchedule1に分類される幻覚作用のある禁止薬物とされ,州法で合法化されたマリファナであっても,連邦法では別の取扱いになります。
カナダ同様に在留邦人や日本人旅行客の方は日本の法律が適用されることがあるので、アメリカに旅行する際でもマリファナには手を出さないでください。
大事なこと2. 嗜好用の大麻合法化で期待されること
「なんで大麻を合法化する必要があるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、カナダ政府にとって大麻を合法化する理由は大きく分けて3つあります。
メリット1. 子どもたちがマリファナを手に入れる機会が減る
It’s been too easy for our kids to get marijuana – and for criminals to reap the profits. Today, we change that. Our plan to legalize & regulate marijuana just passed the Senate. #PromiseKept
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) 2018年6月20日
嗜好用マリファナの販売が合法化されると、国や州に認可されたお店でマリファナの購入が可能になるため、年齢確認をせずにマリファナを販売していた闇取引・犯罪業者が激減することが見込まれています。
認可された場所でのマリファナ販売であれば、IDで年齢確認を行うことが義務付けられるので政府として管理がしやすくなります。
(オンタリオ州ではマリファナ購入・使用可能年齢は19歳以上と定められています)
メリット2. 犯罪者が闇取引で利益を手にできなくなる
国の調査によると、2017年のマリファナの売上額は約57億ドルで、この90%以上が闇取引での消費と見られています。
カナダ全体で嗜好用のマリファナが合法化されれば、犯罪者を通してブラックマーケットでマリファナを購入する必要がなくなるはずなので、犯罪者の資金調達を防ぐことができる可能性が十分に考えられます。
メリット3. 合法化により税収が見込める
最後は、「マリファナを合法化することにより闇取引が無くなる =人々が政府が指定した場所でマリファナを購入する = 国の税収が増える」ということです。
ということで、政府にとっても今回の大麻合法化は十分なメリットがあります。
大事なこと3. 大麻使用による体への悪影響も懸念されている
カナダではマリファナが医療用として処方されていることも事実ですが、マリファナ使用による体への悪影響も懸念されています。
カナダ政府のウェブサイトには、以下のようなことが記されています。
●長期的な影響として、肺を痛めて呼吸困難になったり、メンタルヘルスに影響が出たり、マリファナ中毒になる可能性もある
●成長期にマリファナを吸ったり、頻繁な使用、継続的な使用はさらに害が増す
●10人に1人の割合で、マリファナ中毒になる可能性がある
●使用量などにもよるが、マリファナ摂取後6時間以上は影響が出るので、運転などを控えるべき
また、大麻の心身への影響について、日本の厚生労働省も注意喚起しています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/taima01/chishiki02.html
大麻乱用者の告白
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/taima01/chishiki03.html
今、大麻が危ない
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193406.html
最後に:カナダの大麻合法化は10月17日施行です
ということで、大きく3つに分けてマリファナについてご紹介しました。
カナダの嗜好用大麻合法化は10月17日です。
これから合法化に伴って様々なことが話題になってくるかと思いますが、まずは施行前にマリファナについて正しい知識を身に付けておきましょう。
オンタリオ州の公式サイトでは、マリファナの利用方法などをまとめたページもあるので、確認してみてください。
※本記事は、各ニュースやデータを元に事実を解説するものであり、マリファナ合法化の賛否について意見を示すものではありません。