日本に一時帰国する際、JRパス(ジャパンレールパス)を利用される方も多いと思います。(JRパスの利用資格はこちら)
日本全国のJR線の長さは合計19,000km以上。JR各社の鉄道・路線バスが乗り降りが自由に利用できるので、日本中を鉄道で旅行して回るのに最も経済的な切符といわれています。
そのJRパスのサービス内容と価格が変更されることが以前発表されていましたが、この変更は2023年10月1日に実施されることが決定しています。
今回は、改めて海外在住者が知っておきたいJRパスの変更点についてまとめてみました。
JRパスの値上げ
ジャパンレールパスの価格は下記のように改定され、JR指定販売店・代理店および専用サイト(JAPAN RAIL PASS Reservation)における発売価格が統一となります。
専用サイト「JAPAN RAIL PASS Reservation」での購入の場合は、10 月1日 4:00(日本時間)より価格が改定となります。海外のJR指定販売店・代理店で引換証をご購入の場合は、購入箇所の現地時間によるとのことです。
photo from JAPAN RAIL PASS
大人用のジャパンレールパスのJR指定販売店・代理店の現行価格と改定後を比べてみると、従来の価格から約1.6~1.7倍の値上げとなっています。
普通車用
種類 | 価格 | 改定後 | 値上率 |
---|---|---|---|
7日間用 | 29,650円 | 50,000円 | 約1.69倍 |
14日間用 | 47,250円 | 80,000円 | 約1.69倍 |
21日間用 | 60,450円 | 100,000円 | 約1.65倍 |
グリーン車用
種類 | 価格 | 改定後 | 値上率 |
---|---|---|---|
7日間用 | 39,600円 | 70,000円 | 約1.77倍 |
14日間用 | 64,120円 | 110,000円 | 約1.72倍 |
21日間用 | 83,390円 | 140,000円 | 約1.68倍 |
ちなみにJRパスは日本国内窓口で試験販売を行っていましたが、2023年10月1日から専用サイトでの販売に統合されるとのことです。
カナダなど海外在住で日本国籍を有し利用資格の条件を満たす方は、今まで同様日本へ出発前に、JR指定販売店もしくは代理店で引換証を購入してください。
以前引換証の発売期間については2023年12月31日までと案内されていたときもありますが、現段階では引換証の発売期間は2025年12月31日までに延長されています。
路線の拡充
photo from JAPAN RAIL PASS
2023年4月14日にJR東日本の公式サイトより公表された情報は以下のようなものでした。
商品内容の拡充現在、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」号および山陽・九州新幹線の「みずほ」号は、「ジャパン・レール・パス」でご利用いただけませんが、「ジャパン・レール・パス」をお持ちのお客様が、ご乗車前に専用のきっぷを追加でご購入いただくことで、「のぞみ」号・「みずほ」号をご利用いただけるようになります。
引用:JR東日本
そして、2023年10月1日からJRパス所持者向けに特別企画乗車券「【ジャパン・レール・パス専用】のぞみ・みずほ利用券」が販売開始となります。「のぞみ等」に乗車1回につき、この「のぞみ・みずほ利用券」1枚を購入するカタチとなります。
全国のJRの主な駅、JRの旅行センターおよび主な旅行会社
発売期間:
2023年10月1日(日)から通年
利用できる「のぞみ・みずほ利用券」の種類:
photo from japanrailpass.net
設定区間と価格:グリーン車用・普通車指定席用・普通車自由席用ともに同額
photo from japanrailpass.net
※ 上記はおとなの価格です。こどもは基本的にはおとなの半額。
東京‐新大阪ののぞみ号は1時間に最大で12本走行しているので、旅行のフレキシビリティがさらに高まりますよ。
JRパスを所持する訪日旅行者は日本国内の観光施設等利用時の割引などが受けられる特典も
ジャパンレールパスを持っている訪日旅行者向けに、2023年10月1日から日本国内の観光施設などで割引などの特典が受けられるようになります。
2023年9月にその内容が明かされたので、一部をシェアしたいと思います。
観光地の入場料などが10%~20%安くなったり、グッズプレゼントが多いので、JRパスを使って観光地を回る人には嬉しい内容です。以下で紹介しているのは一部なので、ウェブサイトでも確認してみてください。
- おたる⽔族館:おとな⼊館料200円引き(冬期100円引き)
- 北海道博物館:総合展⽰室⼊場料100円引き+ミュージアムカフェでご利⽤いただけるコーヒー割引券
プレゼント - 北海道開拓の村:⼊場料100円引き+開拓の村⾷堂でご利⽤いただけるコーヒー割引券をプレゼント
- 豊平館:⼊場料30円引き
- 壹番館:お⼟産品全品10%引き
- 昭和新⼭熊牧場:⼊場料⾦10%引き
- ⼤⿊屋プラザ:お⼟産品10%引き(酒類・飲料⽔・特価品を除く)
- ばんえい競⾺:オリジナルグッズセットプレゼント
- あしょろ庵:⾷事代、⼟産物10%サービス
- 天都⼭展望台・オホーツク流氷館:⼊館料⼤⼈10%引き
東日本エリア
- ⻘森県⽴美術館:オリジナルポストカードプレゼント
- 津軽藩ねぷた村:弘前の⾵景 絵葉書1枚プレゼント
- 平泉レストハウス:当店名物「弁慶のちからもちセット(もち5品)を通常1500円→1300円にてご提供。
- ⽩⽯城:甲冑体験(⽵コース・松コース・キッズコース)を体験していただくお客様は200円引き
- なまはげ館:絵葉書プレゼント(1⼈1枚)
- 鶴ヶ城天守閣・茶室麟閣:鶴ヶ城天守閣・茶室麟閣共通券を購⼊の⽅に⾚べこ根付をプレゼント
- 国営ひたち海浜公園:海浜公園オリジナルクリアファイルプレゼント
- 弘道館:⼊園料割引(団体料⾦で⼊園可)※70歳以上の⽅は適⽤できません
- 偕楽園:⼊園料割引(団体料⾦で⼊園可)※70歳以上の⽅は適⽤できません
- ⽇光⾃然博物館:⼊館料割引 ⼤⼈510円→410円 ⼩⼈260円→210円
西日本エリア
- ⼤阪城天守閣:天守閣⼊場料割引(通常料⾦より10%割引)
- 世界遺産 姫路城:⼊場料20%割引
- KINOSAKI MUST-VISITS PASS:通常1名2,800円 ⇒特典200円OFF(1名2,600円)
- 明⽯の鮨クーポン「技の逸品」:通常価格2,000円/3,000円/5,000円の3種類⇒特典価格 10%OFF
- 京都鉄道博物館:ご⼊館の⽅にクリアファイルプレゼント
- 聖徳太⼦ゆかりの4寺周遊拝観券:通常1名2,400円 ⇒特典200円OFF(1名2,200円)
- 加越能バス「世界遺産バス」:「世界遺産バス」の各種フリーきっぷを20%割引
- ⼤原美術館:⼊館料割引 ⼤⼈2,000円⇒1,900円
東海エリア
- 掛川花⿃園:当⽇⼊園料 ⼤⼈200円引き、⼩⼈ 50円引き
- 起雲閣:当⽇⼊館料割引 ⼤⼈610円→460円、中⾼⽣360円→240円
- ⽇本平ロープウェイ:乗⾞券10%割引
- 中部電⼒ MIRAI TOWER:⼊場料割引 ⼤⼈900円 ⼩⼈400円
- 徳川美術館:⼊館料割引 ⼀般:200円引 ⼩中⾼⼤⽣:100円引
- 新穂⾼ロープウェイ:連絡往復乗⾞券 ⼤⼈100円引(⼩⼈50円引)
- 伊勢夫婦岩ふれあい⽔族館「伊勢シーパラダイス」:当⽇⼊場料 ⼤⼈:200円引き/シニア(65歳以上)・⼩
⼈:100円引き
四国エリア
- 吹上亭:お⼀⼈様1,000円以上のお⽀払いで記念カード1枚進呈
- 三豊市観光交流局:ポストカード(1枚⼊り)プレゼント
- ⾼知県⽴坂本⿓⾺記念館:⼊館料20%割引 / オリジナルポストカードプレゼント
- 歩危マート Boke Mart ザ地場産:お買い物して頂いたお客様にジャパンレールパス提⽰で、店内でお茶と⽺羹のお接待
- 松⼭城ロープウェイ・リフト:・松⼭城⼭ロープウェイ・リフト割引 ⼤⼈520円→420円、⼩⼈260円→210円
- 松⼭城天守:松⼭城天守⼊館料割引 ⼤⼈520円→420円、⼩⼈160円→130円
- 真珠会館・ハイウェイレストラン宇和島:真珠製品20%引き
- 道後温泉別館 ⾶⿃乃湯泉:1階浴室⼊浴料割引 ⼤⼈610円→480円、⼩⼈300円→240円
九州エリア
- トランドール博多駅店:RailPass提⽰で、お買い上げ価格から5%割引
- ⾨司港レトロクルーズ:乗船料10%OFF
- 佐賀城本丸歴史館:記念品をプレゼント
- ⻑崎歴史⽂化博物館:常設展が当⽇料⾦から2割引 ⼤⼈630円→500円、⼩中⾼⽣310円→250円
- 明礬 湯の⾥:⼊浴料⼤⼈100円引き、こども50円引き
- 古⺠家レストラン 阿蘇はなびし:お⾷事の⽅にソフトドリンク1杯サービス
- 阿蘇カドリードミニオン:⼊園料⾦100円引き
- JR宮崎シティ:アミュプラザみやざき ショッピングチケット500円分プレゼント
- 宮交ボタニックガーデン⻘島:レンタサイクル500円を400円に値引き
- ⽇南屋:レンタサイクル100円引き
ちなみに全国で数多くのホテルを展開している「JRホテルグループ」では、予約時にJRパスを購入した旨を電話で伝えると、割引が受けられる場合があるとのことです。
対象のホテルリストはこちらで確認できますよ。
まとめ:本改定の実施は2023年10月1日
これらの変更は、2023年10月1日に実施されます。
JRパスはこれまでも、新幹線延伸による利用可能エリアの拡大や、指定席予約のための専用サイトの導入など、サービス向上を行ってきました。
現在はJR指定販売店と専用サイトとで値段が異なりますが、改定後は統一され、これまでと比べて約50%以上値段が上がるので、よく利用されていた方にとっては痛手かと思います。(今までが安すぎたのでは?という声もあります)
また、引換証は購入した日から3か月間はJRパスと引き換えることができます。
(例:引換証発行日が4月15日の場合、7月14日まで引き換えできます。)
今年末に一時帰国を考えている方は、値上げ前に購入することを検討してみてください。
JRグループ プレスリリース
『ジャパン・レール・パス』の価格改定日および商品内容の拡充について