日本人美容師さんが教えてくれました!(前編)市販のおすすめシャンプー&コンディショナー

  

日本からトロントにやって来て、髪が荒れたり、上手くまとまらなくて困った方も多いのではないでしょうか。
そこでトロントで活躍する日本人美容師の佐々木麻美さんに、日本人の髪の悩みを改善するため、おすすめヘアケア製品や使い方を教えてもらいました!

前編の今回は、基本のシャンプーとコンディショナーを選ぶ際に参考になる水質のお話と、おすすめのアイテムの紹介です。

最もおすすめなのは、もちろん現場の美容師と共によく研究開発され、成分もスタイリング再現も良い、サロン専売品がおすすめです。でも、やはり学生さんやワーキングホリデーで海外に来ている方には価格的に少し手を出しにくいのが現実ですよね。
今回は近所のドラッグストアーやスーパーで手軽に購入でき、なるべく髪やお肌にも優しい製品を厳選して紹介していきます!


佐々木 麻美
青森県生まれ。9年以上神奈川県の美容室で経験を積んだ後、渡加。カナダで美容師歴10年を迎える。神奈川県の美容コンテストで優勝、準優勝。2016年度神奈川県青年優秀技能者賞受賞。【Instagramアカウント:@asamiii.hair

 

文・一部写真/佐々木 麻美

日本とトロントの水の違いについて


日本の水道水の硬度は約50〜60mg/Lの軟水、トロントは約130mg/Lの硬水と言われています。一つの国の中でも地域によってかなり水の硬度が違い、東京は約80mg/L、大阪は約40mg/Lと差があります。大阪に住んでいた方は、東京に住んでいる方よりもトロントで水の変化をより感じているかも知れませんね。

硬水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれており、これらがシャンプー成分と接触すると頭皮などの汚れを分解する前に水に溶けない物質に化学反応を起こして固まってしまいます。その為に、泡立ちも悪く石けんカスが残りお肌が荒れたり、髪のきしみやごわつきの原因になってしまいます。
泡立ちが悪いということは、シャンプーの本来の目的である頭皮の皮脂や汚れを落とし、清潔に保つということが果たされず、頭皮の匂いの発生や痒み、抜け毛の原因にもなります。


以前、世界的に有名な美容メーカーに日本と海外で同じ製品でも内容製品が違うのか問い合わせ電話をしてみた所、「はっきりとは応えられないが、水や湿度、髪質と薬事法などの違いから、コンセプトは変えずに内容成分を変えている可能性がある。」というお返事をいただきました。
日本で開発販売されているシャンプーは軟水で湿度の多い日本の環境と髪質を考えて作られています。なので、もしも日本でお気に入りのシャンプーを同じようにトロントで使っても、思ったような質感が出ないのは水質や湿度の原因が考えられます。トロントは硬水なだけでなく、空気も日本より乾燥もしていますからね。

こうした硬水の国のシャンプーは、硬水でも泡立ちがいいように成分配合されています。いままで使っていたシャンプーが使えるかどうか、カナダに限らず滞在先の水硬度の違いを調べておくのはおすすめです。

シャンプーとコンディショナー

それでは、トロントで手軽に買えるおすすめのシャンプーとコンディショナー製品をご紹介します。

OGX


image from OGX Webサイト

まず最初に紹介するのが OGX のシャンプーとコンディショナー。こちらはトロントと同じ様に多くの人種の方が住んでいるアメリカ発祥の製品で、どんな髪質の方でも合うように細かく成分配合分けされていて、なんと10種類以上ものシャンプー、コンディショナーがあります。パラベンフリー*1、ノンシリコン*2 のオーガニック処方で動物実験を行わないポリシーとして知られています。

*1 パラベンとは食品や医薬品、化粧品などに防腐剤の目的として、毒性が低く安全性も高い成分として長年使用されていますが、肌の弱い方や刺激に敏感な方は稀にアレルギーを起こしてしまうこともあります。
*2 シリコンとは髪の表面に被膜を作り、きしみや毛の絡まり、カラーの退色などを防ぐ効果があります。シリコンは近年良くないイメージを待たれがちで、安価なシリコンは頭皮にまで皮膜を作り、抜け毛や痒みの原因になりますが、シリコンにも様々な種類があり、分解されやすい質の良いシリコンであればそこまで人体に悪影響を与える事なく、髪を保護し、ヘアカラーの色持ちを良くしてくれます。

OGXで一番人気のシャンプーがこちらのRenewing Argan Oil of Morocco Shampoo & Conditioner

アジア人の髪質にも合うと言われているアルガンオイル配合でツヤとまとまりを出してくれます。
ノンシリコンシャンプーを今までに使った事の無い方は、シャンプー時とシャンプーを洗い流す時にきしみを感じると思いますが、コンディショナーをする事で手触りが良くなり、シャンプー時に余分なコーティングがされていない事によりコンディショナーの効果も高まり、何度か使用しているうちに手触りが良くなり慣れてきます。
OGXは、トロントではShoppers Drug MartやRexallなど多くのお店で購入できます。日本ではまだあまり普及されていないので、是非カナダで試してみたい製品です。

Giovanni

次に紹介するのが、Giovanniのシャンプーとコンディショナー。こちらもアメリカ・ビバリーヒルズ発祥の製品で、日本でも販売されているのでご存知の方もいるかと思います。
すべての製品には、可能な限りオーガニック認証成分や生分解性のあるものを使用し、硫酸塩 *3(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムなど)やパラベン、動物由来成分、遺伝子組み換え成分、合成着色料は一切配合していないというブランドです。

*3 硫酸塩とは洗浄力の高い成分で泡立ちも良いのですが、お肌が乾燥しやすい方や敏感肌の方や使用すると刺激が強く、より乾燥する事でかゆみが出たり、肌荒れの原因になることもあります。

日本のGiovanni代理店に、日本で販売されている製品とカナダで販売されている製品は内容成分が同じなのかを問い合わせてみた所、日本で販売されている製品は本国のアメリカと同じ内容成分という事でした。恐らく、カナダとアメリカも内容成分は同じものが販売されていると思われます。つまり、日本の軟水とカナダの硬水の違いを気にする事なく使用できます。

毛量が多くクセやうねりがあり、髪のまとまりを求める方にはこちらの2chic Ultra Sleekがおすすめです。

カカオ由来のケラチンがキューティクルを保護し、ヘアカラーの退色を防ぎ、髪の毛をストレートにしっとりとまとめやすくしてくれます。

髪の毛が細く、髪にハリやコシ、ボリュームを出したい方にはこちらの2chic Ultra Volume

photo from Giovanni Cosmetics (Instagram)

パパイヤ酵素の働きで頭皮の汚れや余分な皮脂を落とし、立ち上がりの良い髪へ導いてくれます。

Giovanniの製品は、トロントではWhole Foodsやオーガニック系のお店に置いてあります。日本で購入するよりも北米で購入する方がかなりお得な価格なので、こちらも是非試してみたい製品です。

Maui Moisture

それでも乾燥やダメージ、もっとまとまりが欲しいという方に評判が良いのがこちらのヘアマスクトリートメント。Maui Moisture Heal & Hydrate+

マウイ島のような熱帯の島々で収穫できる材料にこだわって作られ、こちらのピンク色のタイプは水分保湿効果が高く、傷んだ髪を強化・修復してくれます。シリコンフリーで、シアバター、ココナッツオイル、マカダミアナッツオイル配合で、しっとりと髪に落ち着きを出してくれます。週に2回くらいを目安に、コンディショナーの代わりに使ってあげましょう。
Shoppers Drug MartやRexallなど多くのお店で購入できます。

後編では、髪の質を良くするために知っておきたい「正しい髪の洗い方」と、洗った後やスタイリングで使えるおすすめアイテムをご紹介します!

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