日本人美容師さんが教えてくれました!(後編)正しい髪の洗い方とおすすめヘアケア製品

  

日本からトロントにやって来て、髪が荒れたり、上手くまとまらなくて困った方も多いのではないでしょうか。
そこでトロントで活躍する日本人美容師の佐々木麻美さんに、日本人の髪の悩みを改善するため、おすすめヘアケア製品や使い方を教えてもらいました!

前編の基本のシャンプーとコンディショナーに続き、後半の今回は正しい髪の洗い方やスタイリングに役立つアイテムの紹介です。

最もおすすめなのは、もちろん現場の美容師と共によく研究開発され、成分もスタイリング再現も良い、サロン専売品がおすすめです。でも、やはり学生さんやワーキングホリデーで海外に来ている方には価格的に少し手を出しにくいのが現実ですよね。
今回は近所のドラッグストアーやスーパーで手軽に購入でき、なるべく髪やお肌にも優しい製品を厳選して紹介していきます!


佐々木 麻美
青森県生まれ。9年以上神奈川県の美容室で経験を積んだ後、渡加。カナダで美容師歴10年を迎える。神奈川県の美容コンテストで優勝、準優勝。2016年度神奈川県青年優秀技能者賞受賞。【Instagramアカウント:@asamiii.hair

 

文・一部写真/佐々木 麻美

これまでの前編では、トロントで購入できるいくつかのシャンプー、コンディショナー、トリートメントを紹介しましたが、髪の洗い方や乾かし方も大切です。正しい髪の洗い方、乾かし方に変えるだけでも髪の質感やツヤ、ボリュームの出方まで変わってきます。

正しい髪の洗い方

前編の最初にも説明しましたが、シャンプーの目的は、頭皮の皮脂や髪の毛についた汚れやホコリ、スタイリング剤を落とし、清潔に保つことが第一です。
コンディショナーは髪のダメージやもつれ、カラーの退色など、髪の毛自体を保護し、トリートメントは髪の毛に栄養を補い修復してくれるという目的があります。

①予洗い

まずはお湯がしっかりと頭皮に行き渡るように、シャンプーをつける前にしっかりと予洗いをします。
この時点で、髪についたホコリや汚れ、お湯で落とせる程度の皮脂を流してあげます。この行程ひとつで、その後のシャンプーの泡立ちに大きな影響を与えてくれます。

②泡立て

適量のシャンプーを手の平に軽くのばしたら、髪の根元(頭皮近く)にまんべんなく付け、空気を含ませるように泡だてて行きます。
この1回目のシャンプーで泡立ちが悪い場合や、ワックスをつけている方は、1度すぐに洗い流してしまいましょう。
泡が立たないということは、シャンプーの洗浄力が十分に発揮できていないという事なので、いくら洗い続けても汚れはきれいには落ちません。シャンプーを足したりせずに潔く洗い流しましょう。

③頭皮をマッサージ

2回目のシャンプーも同じように泡立てたら、頭皮をマッサージするイメージで洗います。
ゴシゴシする必要はありません。泡がしっかりと立っていたら、それは洗浄力が働いている証拠なので、頭皮全体に行き渡らせます。

④洗い流す

シャンプー剤をしっかりと流します。この行程が結構重要です。
せっかく泡で浮き上がらせた汚れも、しっかりと洗い流してあげない事には意味がありません。シャワーのお湯が地肌に行き渡るように、シャンプー時よりも時間をかけてきれいに洗い流してあげます。

⑤トリートメントを馴染ませる

コンディショナー、またはトリートメントを髪の毛先にまずしっかりと馴染ませてから、髪の中間にも馴染ませていきます。
コンディショナー、トリートメントは髪の毛の為なので、頭皮や髪の根元につける必要はありません。髪の毛にボリュームが出ない、頭皮がベタつきやすいと悩んでいる方の中には、頭皮や根元につけてから毛先に伸ばしている方がいるので、是非この方法を試してみて下さい。
少し時間を置いてから流します。頭皮にコンディショナーはついていないので、毛先にコンディショナーのツルんとした感覚が残る程度流してあげます。
トリートメントも同様に、シャンプー後にコンディショナーの代わりとして週に2回くらいを目安に使ってあげましょう。

⑥しっかり乾かす

洗い流した後はタオルで水分をよく拭き取りましょう。ドライヤーの前に余分な水分をしっかり減らす事で乾かす時間が短くなり、ドライヤーの熱によるダメージも軽減できます。
タオルで拭き取った後は、ドライヤーの熱や摩擦のダメージから髪を守る為に、ヘアオイルなどの洗い流さないタイプのトリートメントを毛先に付けます。
ドライヤーで乾かす際は、まず髪の根元に重点的に風を当ててます。毛先は根元を乾かす時の風が自然に当たるので、根元が乾いた後もまだ濡れている部分を乾かしてあげましょう。ショートヘアの方は特に、根元がしっかりと乾いていないと寝癖がつきやすいです。

髪の毛は濡れた状態が一番ダメージを受けやすいので、髪の毛を乾かさずに寝てしまうと枕との摩擦がおきたり、濡れたままきつく結んだりするのもキューティクルにダメージを与えてしまい、更にヘアカラーの退色も早くなります。シャワー後にすぐ寝てしまうという方はしっかりと髪の毛を乾かしてから寝るか、寝る数時間前にはシャワーを済ませ、ある程度ドライヤーで乾かしてから寝るまでには完全に乾いている状態にしておきましょう。
半乾きの状態で寝ると寝癖がつきやすいので、ダメージ予防だけではなく寝癖予防にもなります。

ドライヤー後には、また同じ洗い流さないタイプのトリートメントを毛先に付けてあげます。再度付ける事で、毛先にまとまりを出してくれます。

アウトバストリートメント
スタイリング剤

次はトロントで手軽に買えるおすすめのアウトバストリートメントやスタイリング剤についてご紹介します。

ヘアオイル

ドライヤーで乾かす際にぜひおすすめなのが、カナダ生まれのこちらのオイル。
オーガニック処方で、お肌が敏感で弱い方にも優く、なんと髪にもお肌にも、つまり全身に使えます。天然のオイルを使用し、オイルなのにベタつきません。

髪につけた後はそのままハンドクリームの様に手に馴染ませたり、髪の為に購入したけどイマイチ合わなかったと感じた場合でも、顔や全身のマッサージオイルの様にも使えます。小分けに移し替えて、バックに入れて髪とお肌の保湿用に持ち歩く事も出来ちゃいます。

ヘアワックス・スプレー

最後はヘアワックスとヘアスプレーの紹介です。

ヘアワックスは海外ではよくPasteと書かれて販売されています。
なかなか髪質や長さに見合ったものを見つけるのが難しいワックス選びは、できれば美容室で担当のヘアスタイリストに、自分のスタイルに合ったサロンのワックスを教えてもらうのが確実です。
買ったワックスが合わなくて、ほとんど使わずに眠ってしまっているという話をよく聞くので、毎日お客さまの髪とサロンの製品に触れている美容師は、どの製品がどのような髪質やスタイルに合うのかを知っています。
それでも、使い切ってなかなかサロンに行けないという方も、こちらの種類のロレアルワックスは番号別でわかりやすく、数字が大きいほどホールド力も上がるので、ご自分のなりたいスタイルによって選べます。

もしも、ホールド力を迷った場合の私のオススメの選び方は、迷ったうちのホールド力強めの方を選んで、もしも硬すぎた場合には前に紹介したオイルトリートメントを使用時に少量手のひらで混ぜてあげます。そうする事で硬すぎたワックスが滑らかになり、強さが軽減され、ツヤも生まれます。

混ぜる割合は何度か試して、丁度良い割合を見つけて下さい。柔らか過ぎてホールド力が全くない物を買ってしまうと使い道が限られますが、強い物に関しては洗い流さないタイプのトリートメントで調整する事ができます。

ショートカットが伸びてきて、ミディアムヘアの編み込みなどのアレンジをしたいという方も、ショートの時に使っていたワックスとトリートメントをミックスして使う事で、アレンジ時にパラパラ落ちてくる髪の毛を程よくまとめてツヤをだす事ができます。

ワックスやアレンジ後はスプレーをする方もいるかと思いますが、こちらもロレアルのElnett というスプレー。

私はこれを日本でコンテストの作品作りの際によく使っていて、練習の度に箱買いしていました。普通のホールドスプレーは、一度スプレーしてしまうと、ガチガチに固まってブラシでとかせなくなってしまうんですが、こちらのElnettはブラシでとかせて、更にツヤも出ます。
日本では香りがあるかないかの2種類しか選べませんが、Shoppers Drug Mart や Rexall などにたくさん種類があるので、目的に合わせて選んでみて下さい。

ここまでいろいろなヘアケア製品を紹介して来ましたが、髪と頭皮も、お肌と同じように大切に扱ってあげることで根元からのボリュームが出たり、髪からツヤがうまれます。
お化粧したらクレンジングできれいに落としてから寝たり、マッサージをしたり、パックをしたり…お肌と頭皮は繋がっているので日々のケアが同じ様に大切です。
今回気になる商品があれば、是非試してみてください。

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