カナダの一部の州限定で買える袋入り牛乳の謎に迫る。歴史や衛生面、飲み方は?

  

トロントに来て驚くことといえば、

袋に入って売られている牛乳!!

初めて見てびっくりした方も多いと思います。

どうやって飲めばいいのかわからないし、買うのもなかなか勇気がいりますよね(汗)。

トロント在住の日本人の間でも、ちょくちょく袋入り牛乳が話題に上っています。

そこで今回はそんな謎だらけの袋入りの牛乳について色々と調べてみました!

いつから袋入りの牛乳を飲むようになったの?

1960年代後半まで、牛乳は重くて割れやすいガラス瓶に入っており、輸送するにも高額な費用が必要でした。

それにともない、より安価な牛乳用のプラスチック製ジャグや段ボールでできたカートンが開発されましたが、1967年にはアメリカの化学メーカーのデュポン社が保管しやすく経済効果の高い牛乳用のプラスチックバッグ(ミルクバッグ)を開発。

1970年代にカナダがヤードポンド法からメートル法に移行するのに合わせて、ミルクバッグのサイズも変更されました。

今まで牛乳を入れるのに使われていたプラスチック製のジャグやダンボール箱がメートル法に合わせて再設計する必要がありましたが、それに比べてミルクバッグは袋をサイズに合わせてカットする場所を変えるだけという簡単な方法でサイズを変更でき、コストパフォーマンスの面でも優秀だったため、爆発的に普及したというわけです。

袋入りの牛乳は他の州にないってホント?

いつから袋入りの牛乳を飲むようになったの?

実はカナダでも袋入り牛乳を販売しているのは、トロントのあるオンタリオ州、ケベック州、ニュー・ブランズウィック州、ノヴァスコシア州、プリンス・エドワード・アイランド州のある沿海州だけなんです!

その他の地域は、4Lの大きな入れ物に入って売られています。

オンタリオ州には牛乳の4Lプラスチック容器は販売されていません!

袋入りの牛乳は他の州にないってホント?

↑例としてBC州バンクーバーの牛乳は、こんな感じのボトルに入ってます!

photo from Save-On-Foods

なぜこのように限られた州だけ袋入り牛乳を販売しているかというと、

オンタリオ州では長い間、プラスチックフィルムのパウチや、ミルクカートンのようなコート紙やラミネートされた容器1パイント(約473ミリリットル)以上の牛乳をプラスチックフィルムのパウチや、ミルクカートンのようなコート紙やラミネートされた容器以外に入れて販売することが規制されていました。

そのため4Lのプラスチック容器で牛乳を販売するには、販売業者や生産者はデポジットやリサイクルシステムを導入する必要があり、消費者がデポジットを払ってプラスチック容器の牛乳を買うというシステムになっていました。

袋入り牛乳にはデポジットを払う必要がなかったため、必然的に袋入り牛乳の需要が増えたというわけですね。

オンタリオ州では、75%〜85%もの住民が袋入り牛乳を購入しているとのこと!

いつから袋入りの牛乳を飲むようになったの

このように、上の段にはカートン入り牛乳、下の段には袋入り牛乳が売られています。袋入り牛乳の陳列幅を見ても、人気商品なのがわかりますね!

ケベックやニュー・ブランズウィック州などその他の袋入り牛乳が販売されている州は、需要に基づいてプラスチック容器と袋入り牛乳が共存している形になっているようです。

衛生的に大丈夫なの?

袋を開けっぱなしにしておくと、すぐに傷んじゃうんじゃないの?

と思ってしまいますよね。

多くの袋入り牛乳は4Lで販売されていますが、外側の袋を開けると3つに小分けされたパウチが入っており、これが腐敗のリスクを防いでいるんです!

衛生的に大丈夫なの?

外袋を開けるとこのくらいの大きさのパウチが3つはいってます!

小分けにすることで冷蔵庫のスペースも節約できて、一石二鳥ですね。

私はいつも袋を閉じずに、容器に入れっぱなしのまま冷蔵庫に入れていますが、これが意外と5日から1週間ほど長持ちするんですよ〜!

どうやって飲むの?

袋入り牛乳を飲むには、専用のピッチャーが必要です。

メトロやノーフリルズなどのスーパー、カナディアンタイヤ、ウォルマートなど至るところで手に入ります。

飲み方は、

  1. ピッチャーに牛乳をパウチのままセットする
  2. どうやって飲むの?
    photo from Canadian Milk Bags Demystified via YouTube

  3. カウンターまたは膝の上などでピッチャーの底をとんとんと叩いて、パウチがピッチャーの奥までしっかり入っているかを確認
  4. どうやって飲むの?
    photo from Canadian Milk Bags Demystified via YouTube

  5. ハサミでパウチの角をチョキンと切る
  6. どうやって飲むの?
    photo from Canadian Milk Bags Demystified via YouTube

  7. 牛乳をゆっくり注ぐ
  8. どうやって飲むの?
    photo from Canadian Milk Bags Demystified via YouTube

これだけ!簡単ですね。

パウチを切るときは、ピッチャーのハンドル側じゃない方の角をしっかり持って1cmほど切りましょう。

大きく切りすぎたり小さく切りすぎたりするとかなり不便ですが、この辺は慣れでだいたい感覚がつかめてきます。

上の写真のように、ミルクバッグカッターを使ってもいいですね。

スーパーやアマゾンなどで購入できます。

どうやって飲むの?
photo from Loblaws

また個人的には、注ぐ時に反対側の角を持つと万が一パウチがピッチャーからずり落ちる心配もなく安心なのでおすすめ。

YouTubeで袋入り牛乳の詳しい扱い方を説明している動画がありましたので、紹介します。

環境にもお財布にも優しい袋入り牛乳

カートン入り牛乳に比べると、やはり圧倒的にお得な袋入り牛乳!

例えば2021年11月現在、ノー・フリルズでは2L入りカートン牛乳が100mlあたり$0.22、1L入りカートン牛乳が100mlあたり$0.31なのに対して、

環境にもお財布にも優しい袋入り牛乳

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photo from No Frills

4L袋入り牛乳はなんと2Lの半額の$0.12 / 100ml!!

環境にもお財布にも優しい袋入り牛乳

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photo from No Frills

また、カナダの牛乳は日本に比べて賞味期限が3週間から1ヶ月ぐらいと長く値段もカートン入りに比べて安いので、私もよく袋入り牛乳を買っています。

外側の袋と中のパウチ両方ともリサイクルビンに捨てることができ、環境にも優しいです。

外袋はこんな使い方もできる!

ミルクバッグが入っている外側の袋、最近では画期的な方法でリサイクルされているんです。

2010年のハイチ地震がきっかけで設立されたボランティア団体「ミルクバッグズ・アンリミテッド(MILKBAGSunlimited)」は、4L入りのミルクバッグのカラフルな外袋を、被災地で使えるマットレスや、手術台のテーブルカバーとして再利用しています。

外袋はこんな使い方もできる!
photo from MILKBAGSunlimited

大人用のマットレスはなんと約400枚もの外袋を編み込んで作られており、その耐久性は約25年ととても丈夫!

今までに5万枚のマットレスを世界中の被災地やホームレスの人々に寄付されているそうですよ。

普段は捨てられる外袋が、そんなふうに困った人たちの役に立つなんて驚きですね。

またその耐久性を生かして、財布、トートバッグ、ハンドバッグ、スリッパなどいろいろなものに作り変えています。

外袋はこんな使い方もできる!
photo from MILKBAGSunlimited

MILKBAGSunlimitedのウェブサイトではハンドバッグの販売もしていますよ。

MILKBAGSunlimited
ウェブサイト

カナダだけじゃない!世界で袋入り牛乳を販売している国

袋入り牛乳を販売しているのは、カナダだけではありません。

264.365 Milk in a Bag

エストニア、リトアニアなどのバルト三国やイスラエルなどの東ヨーロッパ
コロンビア、アルゼンチン、チリなどの南米地域
中国
南アフリカ

など、かなり多くの国が袋入り牛乳を販売しています。


カナダでも限られた地域でしか見られないレアな袋入り牛乳。
みなさんもこの機会に、袋入り牛乳に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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