皆さん、怖〜〜い話はお好きですか?
日本では怪談話といえば夏ですが、欧米ではこのハロウィンの時期に怪談ネタがよく取り上げられますよね。
というわけで、LifeTorontoゴーストハント部が、トロントで有名な心霊スポットをいくつかご紹介します。
もちろんその数は、13ヶ所!
まず前編の今回は、血塗られた歴史的場所から、誰もが知るあの場所まで7ヶ所をピックアップ。
1. Old Fort York(オールド・フォート・ヨーク)
photo from Fort York National Historic Site
オンタリオ湖沿岸にあるこのフォートヨークは、イギリス領植民地時代、アメリカとの国境沿いで戦争をしていた頃の激戦地となった場所。戦場跡という場所柄、たくさんの幽霊が出没することでも有名です。
白い女性や赤い軍服の兵士など様々な幽霊が目撃されたり、スタッフや観光客が奇妙な音を聞いたりするなど、多くの怪奇現象が報告されています。
ちなみに、この戦場で戦いが始まった開戦日は当時の軍服を来ての射撃実演なども行われている他、普段からも歴史を学ぶ様々な展示やイベントが行われていますので、一度訪れてみる価値があります。
2. The Keg Mansion(ケグ・マンション)
photo from The Keg Mansion
マンションといえばお屋敷のことですが、現在、高級ステーキハウスチェーンのKEG(ケグ)のお店となっているこの古い建物は、その昔マッシー家の邸宅でした。ここでは、その昔このお屋敷で亡くなった一家の一人娘や、首をつったメイドの霊などのほか、多数の幽霊がスタッフなどにより目撃されています。
KEGはサービスも味もいいステーキハウスとしても有名なので、ぜひ美味しいステーキを食べに行くついでにスタッフの人から怪談話を聞いてみるのもいいかもしれませんね。
3. Old City Hall(旧市庁舎)
photo from Why I Love Toronto
ベイストリートをはさんで、現在の近代的なトロント市庁舎の斜め前に位置する旧市庁舎。高い時計台が象徴的なロマネスク様式のこの建物は1899年から1966年までは市庁舎として、現在はオンタリオ州裁判所として利用されています。
ここに出没すると言われているのが、カナダ最後の死刑執行※で亡くなった2人の死刑囚、ロナルド・ターピン(Ronald Turpin)とオーサー・ルーカス(Arthur Lucas)。(※カナダは1976年に死刑制度を廃止)
弁護人が無実を主張していたにも関わらず死刑宣告を受けた2人は、1962年12月10日に絞首刑を執行され、それ以降、裁判所であるこの旧市庁舎で働く裁判官たちに取り憑いていると言われています。この2人の幽霊たちは、よく裁判官達の着ているローブを引っ張ったり、古びた廊下をウロウロしたり、誰もいない天井裏からうめき声をあげたりしているそう。
ちなみにこの旧市庁舎は将来的に、裁判所ではなくショッピングモールに変わる計画があるそうなので、そうなったらこの幽霊達はどこへ行っちゃうんでしょうね。
4. University College(ユニバーシティ・カレッジ)
photo from Nephron
ユニバーシティ・カレッジは1853年に現在のトロント大学の前身として作られたカレッジですが、古い学校につきものの有名な怪談話があります。
カレッジが作られた1850年代、ロシアから来たのが石工技術者のイヴァン・レツニフコフ(Ivan Reznikoff)とパウル・ディアボロス(Paul Diablos)。彼らは互いの顔をカレッジの建物を飾るガーゴイルの怪物にして彫るなど、とても仲が悪い2人でした。
ある日ディアボロスが、レツニフコフの婚約者を奪ったことで2人は建設中の工事現場で喧嘩になり、ディアボロスはレツニコフを殺してそのキャンパスの敷地内に埋めてしまいます。しかし、誰も彼の犯行を知らずレツニコフは行方不明のままに。
その後の1889年、夜中に一人でキャンパスを歩いていた学生の前に、レツニフコフが現れ、自分の話や死んだ時の事、遺体が埋められている事を語って聞かせたと言われています。後の1914年に発生したキャンパスの大火災の際、地中から石工者のベルトをした人骨が発見されたそうですが、それがレツニフコフのものかは未だにはっきりと分かっていません。
5. Colbourne Lodge(コルボーン・ロッジ)
photo from Colbourne Lodge
コルボーン・ロッジは、ハイパークの中にあるトロント初の測量士・建築家のジョン・G・ハワード氏のお家で、妻のジェマイマ夫人とともに住むために1836年に建てられました。乳がんを患い、精神を病んだ夫人は逃げ出さないように、この家の2階の部屋に閉じ込められ亡くなったと伝えられています。その後、この部屋で亡くなった夫人が窓際に立つ姿などが目撃されています。またこの家近くのグレナディア池でも多くの心霊現象や、このあたりを行進する兵士たちの幽霊も報告されています。
ちなみに、コルボーン・ロッジは現在、トロント市が保有するミュージアムとして歴史を学ぶいろんなイベントが行われていますので、こちらもぜひ一度訪れてみてくださいね。
6. Glendon College(グレンドン・カレッジ)
photo from Glendon Campus, York University
ノースヨークにある州立ヨーク大学のグレンドン・キャンパス。このキャンパスは多くの幽霊が出現する場所として有名です。特に図書館そばのローズガーデンでは、白い服を着た女性の幽霊が頻繁に目撃されおり、この場所で行われる結婚式の写真にもよく映るそうです。このキャンパスの建物はかつて、ウッド家の邸宅で彼女はその一家のひとりだと言われています。
また、地下室では電気がチカチカする、ドアが勝手にバタンと閉まるなどのポルターガイスト現象や、図書館では冬に窓際に立つ女性の姿が見える、庭でシェパードの犬の幽霊が走り回る、古い木の周りで小さな女の子の霊が遊んでいるなどの報告が続々寄せられているそうです。
7. The Old Don Jail(ドン旧刑務所)
photo from Toronto Savvy
今は大きな病院のオフィス施設として利用されていますが、1865年に建てられたこのゴシック様式のドン旧刑務所は、1977年に閉所されるまでカナダでも悪名高い刑務所でした。この建物には、許容人数267人を超える620人がつねに収監され、非人道的な扱いを受けていたと言われています。この建物がリニューアルされる際の2007年の調査では、かつてここに収監されていた人のものと思われる人骨が地中から発見されています。
ここには多くの幽霊が取り憑いていると噂されていますが、もっとも有名なのは1890年代に独房で首吊り自殺した女性囚人の幽霊。金髪で怒りに満ちた表情で漂っている姿を、多くの人に目撃されています。その他にも、2005年には警備員がサンドバッグを打つ音や、チェーンがガチャガチャと鳴る音や叫ぶ声などを聞いているそうです。
以上、前編の今回はここまで。
いかがでしょう。歴史ある建物が残るトロントの街には、こうした呪われた土地がまだまだありますよ。
残り6ヶ所は後編でご紹介していますので、続きは↓からどうぞ。