Googleアナリティクス4 (GA4)でサービス独自の項目、ユーザー属性を計測する

  

文/アユダンテ株式会社 Ayudante, Inc.
東京を中心にSEOや広告のコンサルティング、Googleマーケティングプラットフォームの導入支援、モバイルのソフトウェア開発などを行っているデジタルマーケティングコンサルティング会社。2022年、カナダにもオフィス拠点を設け、グローバル企業を積極的に支援している。


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今回はGA4でサービス独自の項目を計測する方法を解説します。
さらに会員ランクや性別、生年月日といった独自のユーザー属性を計測する方法も合わせて解説します。

サービス独自の項目を計測する

GA4ではイベントに対して様々な項目が計測されています。独自の項目を追加することも可能です。
計測する項目は、計測時に『パラメータ』と呼ばれるフィールドに設定します。レポート画面で表示するために、そのパラメータを『カスタムディメンション』に設定します。

例えば、以下の図にあるように「page_view」イベントにはデフォルトで「page_location」や「page_referrer」のようなパラメータがあり、自動的に計測されます。
「page_view」イベントに独自の「author」というパラメータを追加して計測することが可能です。
計測したパラメータをレポートで利用するためにはカスタムディメンションの設定を合わせて行う必要があります。

独自に計測するパラメータは、カスタムディメンションに設定しないとレポート上で利用できないため注意が必要です。
自動的に計測されるパラメータはその必要はなく、あらかじめレポート上で利用できるようになっています。

では、独自に計測するパラメータとカスタムディメンションの設定方法について解説します。
本記事ではGTMを使いますが、gtagでも同様の設定は可能です。

 

▼計測手順

以下の①~④の順に例として「著者名」を計測する方法を説明します。

①②:独自のパラメータを計測する場合は、予めウェブサイト上にその情報が出力されている必要があります。

例えば著者名を計測する場合、予め著者名をウェブサイト上に出力します。
出力する方法はウェブサイトの仕様等によって様々ですが、本記事では「dataLayer」を使った方法を解説します。

※「dataLayer」とはウェブサイトからGTMに情報を渡す使用する変数です。

上記赤枠のようにウェブサイトのHTMLソース中にdataLayerを記述します。

③:GTMでdataLayerの情報を取得するための設定を行います。

まず、「変数」の設定を行います。

変数タイプの選択画面が表示されますので「データレイヤーの変数」を選択します。

「データレイヤーの変数名」にウェブサイトに出力しているdataLayer中の変数(キー名)を設定します。
本記事の例だと『author』と設定します。

設定したら保存します。

次に「page_view」イベントにパラメータを追加する設定を行います。
通常では「Googleタグ」の設定を行えば「page_view」は自動的に計測されますので、今回は「Googleタグ」に追加します。

「構成パラメータ」には「author」と設定します。後から見てわかりやすい名称を設定してください。dataLayerのキー名と合わせる必要はありませんが、筆者は同じ名称を設定することが多いです。

※注:半角英数字、記号「_(アンダースコア)」以外の文字は使わない方がよいです。

「値」には上記で作成したデータレイヤーの変数を設定します。入力欄の右側にあるブロックのようなアイコンをクリックすると保存されている変数から選択可能です。

GTMの設定は以上となります。
「page_view」以外のイベントに独自のパラメータを計測する場合も同様の方法で設定します。タグの種類は「Google アナリティクス:GA4イベント」に設定します。


※例:問い合わせ完了のイベントに「問い合わせ種別」を計測

④:カスタムディメンションの設定を行います。

GA4管理画面の「カスタム定義」から「カスタムディメンションの作成」をクリックします。

以下のように設定します。

1. レポートで表示する名称を設定します。わかりやすいかつ具体的な名称を入力
2. イベントを選択
3. 何を計測しているかなど説明を入力
4. GTMで設定したパラメータ名を入力

保存すると以下のようにカスタム定義に追加され、レポート上で利用できるようになります。

カスタムディメンションの設定を行わないと、レポート上で計測した値を見ることができなくなってしまいますので、必ず設定してください。

以下は探索レポートの例です。カスタムディメンションの設定がされていないと、ディメンションの選択画面に表示されません。

独自のユーザー属性を計測する

サービス利用者の永続的に変わらない情報を計測するには、ユーザープロパティにその情報を計測します。
レポート画面で表示するために、パラメータと同様にそのユーザープロパティを『カスタムディメンション』に設定します。

例えば、以下の図にあるように「page_view」イベント計測時に独自の「gender」というユーザープロパティを計測します。

このように見ると、パラメータとの違いは何があるのかわかりづらいと思います。
パラメータとユーザープロパティの違いについて説明します。

パラメータは、そのパラメータが計測されているイベントに紐づきます。
ユーザープロパティは、あらゆるイベントに紐づき且つ、情報を保持し続けます。

では、ユーザープロパティとカスタムディメンションの設定方法について解説します。

▼計測手順

ユーザープロパティの計測手順はパラメータとほぼ同じとなります。
例として「性別」を計測する方法を説明します。

①②:今回はcookieに性別が保持されている場合を例にします。

GTMでcookieの情報を取得するための設定を行います。

パラメータと同様に「変数」の設定を行います。
変数タイプは「ファーストパーティCookie」を選択します。

「Cookie名」にはCookieのキー名を設定し保存します。

次に、GTM変数「Googleタグ:イベントの設定」の設定を行います。
CookieやdataLayerと同様に変数から選択してください。

プロパティ名にはユーザープロパティ名を設定してください。今回は性別を計測するため「gender」と設定します。
値には上記で作成した変数「性別」を設定します。

次に「Google タグ」の「イベントの設定変数」に「 Google タグ:イベントの設定」で作成した変数を設定します。

GTMの設定は以上となります。

④:カスタムディメンションの設定を行います。

設定方法はパラメータと同様になります。

1. レポートで表示する名称を設定します。わかりやすいかつ具体的な名称を入力
2. ユーザーを選択
3. 何を計測しているかなど説明を入力
4. GTMで設定したユーザープロパティ名を入力

パラメータと違う設定は「範囲」になります。
ここの設定を間違ってしまうと、レポートに数値が出てこなくなるため注意してください。

保存すると以下のようにカスタム定義に追加され、レポート上で利用できるようになります。

独自の項目やユーザー属性を計測することで、サイト訪問者の行動や成果をより細分化、または多角的に捉えることができるようになります。
ただ闇雲に計測しても意味がわからない結果になることがあるため、目的や仮設に沿って設計して利用してください。

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