トロントも随分と暖かくなってきましたね。これからの季節、お出かけの際に自動車を利用してのドライブを、とお考えの方も多いのではないでしょうか?
とは言ったものの、ここは日本ではなくカナダ。交通法規や免許証はもちろん、日本とは違うルールが数多く存在しており、知らずに運転するとするとせっかくのドライブが台無しに・・・ということにもなりかねません。
そこで今回は、これからのドライブシーズンをもっと楽しく、快適にするために、トロントを含むオンタリオ州で自動車を運転する上で知っておきたいこと、気をつけたいことなどについてまとめてみました!
なお、カナダでは州ごとに自動車免許取得に関する制度が異なります。今記事ではトロントを管轄するオンタリオ州の制度についてご紹介していますので、あらかじめご了承下さい。(免許取得にかかる手数料等は2017年5月現在のものとなります)
オンタリオ州で自動車を運転するために必要な免許証とは?
カナダに限らず、自動車を運転するためには、その国ごとに認められた運転免許証を取得、所持する必要があります。ここではオンタリオ州内での運転に必要となる免許証の種類についてご紹介します。
1:日本で国際運転免許証を取得
日本からカナダへ渡航される方で、日本国内で国際運転免許証(International Driving Permit)を取得してきた、という方は多いのではないでしょうか?
国際運転免許証とは、日本国内で運転可能な自動車免許を保有している人(満18歳以上)がジュネーヴ交通条約に基づき、同条約締結国内でも自動車を運転することが可能となる運転免許証のことです。
カナダは同条約締結国であり、国際運転免許証を取得した方はカナダ国内での運転が可能となります。(発行日から1年間有効)
国際運転免許証は①パスポート②有効な日本国内の運転免許証③5.0×4.0cmサイズの証明写真を持参の上、各都道府県の運転免許センターにて取得可能です。(手数料2,400円)
なお国際運転免許証にて自動車を運転する際は、必ず日本の運転免許証も持参することをお忘れなく!
60日を超えて滞在する場合は一時滞在とはみなされず、オンタリオ州の自動車免許証への書換が必要となりますのでご注意下さい!
2−1:オンタリオ州の自動車免許証を取得(新たに免許証を取得)
日本の運転免許証を取得していない方が自動車を運転しようとする場合、新たにオンタリオ州の運転免許証を取得する必要があります。
photo from Ontario.ca
オンタリオ州の自動車免許はG1、G2、Gという3つのランクが設定されており、日本の自動車免許を取得していない方は、まずG1免許から取得することになります。各ランクの概要は以下の通りとなります。
満16歳以上であれば、受験可能。試験は筆記試験のみで、全てマークシート。合格者はG免許を4年以上取得している人が同乗している場合に限って、自動車の運転が可能。同乗者がいたとしても、高速道路での運転、深夜帯の運転は禁止されています。
【G2免許】
G1免許取得後1年が経過した後、受験可能。試験は路上での実技試験となり、合格者は1人での自動車の運転が可能。ただし、深夜帯に運転する場合には19歳以下の同乗者を1人以下にしなければならないなど、規制もあり。
【G免許】
G2免許取得後1年が経過した後、受験可能。試験は高速道路での実技試験となり、合格者は時間帯、同乗者を問わず、1人での運転が可能。
筆記・路上両試験の予約などに関する詳しい情報は、こちらで確認することが出来ますので、御覧下さい。
2−2:オンタリオ州の自動車免許証を取得(日本の免許証から書き換え)
カナダでは州ごとに自動車免許証に関する管轄が異なり、トロントで運転免許証を取得する場合には管轄のオンタリオ州のルールにのっとる必要があります。
日本で既に自動車免許証を取得されている方は、オンタリオ州の運転免許証へと書き換えることが可能です。
オンタリオ州の自動車免許証を取得するためには、以下の手続きが必要となります。
②Drive test centerにて書類提出
日本の自動車運転免許証を取得してから2年以上経過している方はG免許へ切り替えが可能となります!(2年以下の方はG2免許の実技試験を受験する必要があります)
①在トロント日本国総領事館での必要書類の取得
在トロント日本国総領事館にて、「自動車運転免許抜粋証明書」を発行してもらう必要があります。
有効な日本の運転免許証、日本国パスポートを持参の上、手数料($25、2017年5月現在)をお支払いください。申請から4~5日ほどで証明書が交付されるようです。
住所:Suite 3300,TD North Tower 77 King Street West
電話:416-363-7038
窓口受付時間:月曜〜金曜の午前9時−12時半、午後1時半〜4時半。午前午後ともに受付終了の30分前までに来館して下さい。土日祝日閉館。
②Driver test centerにて書類提出
お近くのDriver test centerにて、自動車運転免許抜粋証明書と身分証明書(パスポート)、手数料($75、2017年5月現在)を提出後、視力検査と写真撮影を行います。
その場で仮免許証が発行されますが、運転免許証は郵送(3~4週間後)されますので、事前に住所、郵便番号をメモしておきましょう。
なお、オンタリオ州では自動車免許の書き換えに伴い、日本の自動車運転免許証が無効となったり、取り上げられることはありませんのでご安心下さい。
お近くのDriver test centerについてはこちらをご利用下さい。
いざ!運転、気をつけたいこと7選!
オンタリオ州での自動車の運転に必要な免許が取得できれば、いよいよドライブ開始!しかし、冒頭でご紹介したように、ここは外国、カナダ・・・。日本とは違う交通法規が数多く存在します。運転前に当地のルールをしっかりと理解しておく必要があります。
ここでは在トロント日本国総領事館が発表している、「当地ではじめて運転される方へ」という資料に基づき、注意点を一つずつご紹介していきましょう。
①自動車は右側通行
日本とは異なり、自動車は右車線を走ることになります。左側通行に慣れている我々日本人にとって最も大きな違いであり、気をつけたい点です。左側通行に伴い、左ハンドルはもちろん、ワイパー、ウインカーの位置も日本車とは逆になっていますので、慣れるまでは併せて注意が必要です。
②住宅地域内での横断歩道では一旦停止を!
住宅地域などでは交差路でないところに横断歩道が設けられている場所があります(歩道図上に黄色信号が設置されている場合もあり)。その周辺では徐行した上で、横断する人がいる場合には必ず停止しなければなりません。
③状況によっては赤信号でも右折可能
こちらも日本とは大きく異るルールの一つです。赤信号で停止中、歩行者や左からの進入車がいない場合、赤信号でも右折することが可能です。ただし、あくまでも赤信号であることを忘れず、右折時は細心の注意が必要となります。(赤信号時の右折を禁止する交差点もあり)
④左折禁止、一方通行エリアに注意!
ダウンタウンを中心に一方通行や左折禁止の道路が多数あり、注意が必要です。左折禁止が解除となる時間帯がある場合もありますので、標識にて確認が必要です。
⑤交差点内の左折には要注意!
左折してよいことを示す信号としては、日本と同様に青信号矢印で表すところと青信号の点滅で表すところがあります。点滅もない通常の青信号の場合は、対向車や通行人がいないことを十分に確認した後、左折が可能です。
⑥ストリートカー停止中は追い越し禁止!!!
ストリートカーが乗客の乗降のため停止している時は、安全地帯がある場合を除き、右側から追い越しては行けません。
⑦スクールバスの乗り降り時は追い越し禁止!!!
スクールバスが生徒の乗降のためライトを点滅させている時は、回りの車は全て停止し、ライトの点滅が終わるまで追い越してはいけません。
トロントから行ける!ドライブで楽しめるオススメ観光地は?
日本とは違い、高速道路が無料でレギュラーガソリン1リットルあたりの平均価格が95.8円(2017年5月23日現在の円換算価格)となっているオンタリオ州は、車での移動で行動範囲も大きく広がります!
最後に、トロントからのドライブにオススメな定番スポットをいくつかご紹介します!
①アルゴンキン州立公園
カナダで最も古い歴史を持つこの州立公園は、広大な敷地内に様々な動物たちが生息し、キャンプやフィッシング、カヌーなどに最適なスポットです。
トロントの中心部からは、高速道路11号線を利用しておよそ3時間半。日常の喧騒から離れ、壮大な大自然に囲まれてみる休日はいかがでしょうか?
②ナイアガラ・フォールズ
オンタリオ州で、いやカナダで最も有名な観光スポットと言っても過言ではないでしょう。世界三大瀑布、ナイアガラ・フォールズもトロントから気軽に行くことが出来るスポットです!
トロント中心部からは高速道路403号線を経由して1時間半程という距離にあり、日帰りの観光スポットとしても最適と言えそうです。
③トバモリー
オンタリオ州の北部に位置する港町、トバモリー(Tobermory)。ヒューロン湖に面したこの港町は、ダイビングスポットとしてだけでなく、リゾート地としても有名なスポットです。
まるで南国リゾートのような絶景を誇るトバモリーは、トロント中心部からおよそ3時間半。少々距離はありますが、一度は訪れておきたいスポットです。
④キングストン
かつて4年間だけカナダの首都であったという歴史を持つキングストン。トロントの東に位置するこの都市では、カナダの歴史にまつわる数多くのスポットを訪れることが出来ます。
大小1000以上の島々からなる「サウザンド・アイランド」までは、高速道路401号線を経由しておよそ2時間半ほど。歴史地区としてはもちろん、クルージングスポットとしても有名なキングストンも要注目ですね。
快適なドライブで、もっとトロント生活を満喫しよう!
今回はトロントをはじめオンタリオ州で自動車を運転するために必要な運転免許証の取得方法や交通法規、オススメのドライブスポットについてご紹介してきました。
これからいよいよトロントは行楽シーズン本番。日常の買い物やちょっとしたお出かけにも、自動車は非常に便利なもの。くれぐれも安全運転で、トロントでのドライブを満喫してみてはいかがでしょうか?