山口俊選手がトロント・ブルージェイズへ巨人から移籍!3年ぶり5人目の日本人選手

  

2019年12月27日(日本時間28日)、読売ジャイアンツ・山口俊選手(32)がポスティング制度(入札制度)によりトロント・ブルージェイズへ移籍することが明らかになりました!


photo from ブルージェイズ公式Twitter

今回は、トロントのみならず、カナダ全土の野球ファンが注目する山口選手についてご紹介します!

読売ジャイアンツ史初のポスティング制度による移籍

photo from 読売ジャイアンツ公式サイト

2019年に5年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした読売ジャイアンツの山口選手が、ブルージェイズへのポスティング制度による移籍を発表しました。

その契約内容は、2年で総額635万ドル(米ドル)、日本円でなんと約6億9000万円!

さらに、年間170投球回をクリアすると年間最大140万ドル(米ドル)、日本円で約1億5000万円の出来高付きとのことです!!

実は、山口選手は2018年の年末に読売ジャイアンツと2年契約を結んでいました。

もし今年も読売ジャイアンツに残留した場合の2020年の年俸は、現状維持の2億3000万円だったため、今回の移籍により大幅な昇給となりました。

「読売ジャイアンツでの経験を糧に」山口俊選手のコメント

今回の移籍について、以下の山口選手本人のコメントが読売ジャイアンツ公式サイトにて発表されています。

このたび、私、山口俊はMLB トロント・ブルージェイズと契約をさせていただきました。読売巨人軍でのたくさんの経験を糧に、夢を叶えるべく前だけを向いて挑戦してまいります。応援して下さった方々全てに心から感謝し、これからも精進いたします。

読売ジャイアンツ公式サイト

なお、以下は原辰徳監督も同席した移籍会見時の動画です。

動画内でも伝えられている通り、山口選手は読売ジャイアンツ入団前からメジャーリーグへの挑戦を希望していたようです。

そのため、読売ジャイアンツへの移籍時にはすでに「時期を確定しないかたち」でポスティングができる権利を認められていたとのことです。

そして今回、カナダ・トロントが山口選手にとって念願のメジャーリーグ挑戦のスタートの地となりました!!

メジャーリーグ挑戦の意思は読売ジャイアンツ入団時から

実はこれまで、読売ジャイアンツの選手で”ポスティング制度”を利用してメジャーリーグのチームへ移籍した選手はいませんでした。

このポスティング制度とは、簡単に言うと入札により移籍契約を行うことです。

日本のプロ野球球団に所属する選手が、米国のメジャーリーグ球団へ移籍するための制度のひとつで、選手が所属する日本の球団は2000万ドル(米ドル)を上限に譲渡金を設定します。

そして、その選手を獲得したい米球団が設定金額に合意すると、選手との交渉権を獲得します。その後、移籍に関する契約が成立した時点で、米球団は選手が所属する日本球団に譲渡金を支払うというシステムです。

ポスティング制度の利用には選手は所属球団からの許可が必要ですが、山口選手は読売ジャイアンツ入団時にすでにこの許可を得ていました。

そのため、前例のなかった読売ジャイアンツからのポスティング制度による移籍が今回実現しました!

ブルージェイズはスウィングマンとしての活躍を期待か


photo from ブルージェイズ公式サイト

過去に、川崎宗則選手や青木宣親選手ら日本人選手が在籍したブルージェイズ。

2019年12月27日(日本時間28日)に、巨人の山口選手(32)の獲得について球団公式サイトのニュース記事を通じて発表しました。

その記事内で、「山口選手は”スウィングマン”としての役割を担える」と表現しています。

That’s yet to be made clear, though, and a swingman role is possible.

ブルージェイズ公式サイト

スウィングマンとは「高いレベルで複数のポジションをこなすことのできる選手」という意味のスポーツ用語です。

特に野球においては、通常は中継ぎを行う投手が、先発投手の不足といった状況下で先発登板もできる投手のことを指す場合が多いです。

なお、山口選手の最高球速は157km、平均球速は約148kmを記録し、日本国内では速球が特徴の選手というイメージがありますが、スピード落差のあるフォークボールも得意球です。

フォークボールとは、投手の投げたボールが打者の近くでカクっと落下する変化球のことですが、ブルージェイズ公式サイト内で山口選手について「フォークボールで知られている」とも表現しています。

これらのことから、ブルージェイズとしては山口選手に対し、技術的にもハイレベルかつ器用な立ち回りを期待し、要求していると考えられます。

待ちきれない様子のブルージェイズファンの声

山口選手の移籍について、ブルージェイズのファンからの注目も集まっており、公式Twitterや公式Instagramアカウントへは「ようこそ、ブルージェイズへ!」「開幕が待ちきれない!!」「背番号は?」といったコメントが多数寄せられています。

また、同時期にメジャーリーグチーム・ドジャースよりブルージェイズへ移籍が発表された韓国人投手・柳 賢振(リュ ヒョンジン)選手の話題もあり、「GO ASIANS」といったコメントも見られました。

このように、ファンからは2020年のブルージェイズに対し、アジアンパワーによるチームへの貢献を期待する声も挙がっています。

山口俊選手のプロフィール&経歴

ここからは、山口選手のプロフィールや経歴をご紹介します。


photo from SAMURAI JAPAN公式サイト


【山口俊選手プロフィール】

生年月日 1987年7月11日
ポジション 投手
投打 右投右打
身長/体重 187cm/98kg
出身 大分県
ニックネーム どすこい

【経歴概要】
柳ヶ浦高等学校卒業→横浜DeNAベイスターズ(2006~2016年)→読売ジャイアンツ(2017~2019年)→ブルージェイズ(2020年~)

横浜DeNAベイスターズ時代

山口選手は、2005年の高校生ドラフトで1巡目指名され、柳ヶ浦高校(大分県)から横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)に入団(背番号11)。

2006年のプロ入り時には、投手として読売ジャイアンツ戦で初登板・初先発・初勝利を挙げています!

さらに、2009年にクローザー(抑え投手のこと:僅差の試合で9回に登板、逃げ切り勝ちを図るために起用される投手)への転向を経験し2010年、2011年は2年連続で30セーブ以上を挙げました。

また、2012年には侍ジャパンマッチ2012「日本代表 VS キューバ代表」の日本代表にも選出されています。

なお、この頃にはポスティング制度によるメジャーリーグへの挑戦の意思を球団側へ伝えていたそうです。

そうして2014年には先発へ転向し、2016年まで同チームに在籍していました。

読売ジャイアンツ時代からブルージェイズへ

2017年からは読売ジャイアンツへ移籍(背番号42)。先発投手の一人として期待されたましたが故障により6月に初登板しました。また、7月に起こしたトラブルによりシーズン終了まで出場停止となりました。

しかし、翌シーズンの2018年にはノーヒットノーランを達成するなど9勝を挙げて見事復活を果たします。

そして、昨年の2019年には15勝、防御率2.91、188奪三振を記録し、リーグ優勝へ貢献しました。この際、<最多勝利><最多奪三振><勝率第1位>のタイトルを獲得し、見事3冠を達成しています。

その後、オフシーズン中にポスティング制度でのメージャー挑戦を発表し、今回のブルージェイズ入団が決まりました。

とっても意外なニックネームの由来とは?

山口選手はファンの間では「どすこい」のニックネームで知られています。

実は、山口選手のお父様は1970年代後半に活躍した元大相撲力士・谷嵐関。そのため、このニックネームが定着しました。

なお、残念ながら2010年にお父様は他界されていますが、山口選手は小学生のころからお父様による厳しい指導を受けていたそうで、毎日100回以上の素振りと5km以上のランニングが日課だったとか。

山口選手の身長187cm・体重98kgという恵まれた体格もお父様譲りだと考えると納得ですね。

「Go for it, Shun!!」原辰徳監督も応援!

今回の移籍については、昨年の読売ジャイアンツ優勝の経緯もあり日本国内の野球ファンの間でも話題になっているようです。

また、読売ジャイアンツの公式サイトには、以下のような原監督によるコメントが掲載されています。

俊の新たな門出、夢への挑戦を心から応援します。いつも前向きで粘り強い山口俊なら必ずや、頑張ってくれることでしょう。巨人軍、日本野球界で大黒柱としてやってきたことを誇りに、メジャーリーグでも一歩も引くことなく、戦ってください。

読売ジャイアンツ公式サイト

読売ジャイアンツのチームメイトも応援動画を配信!

さらに、読売ジャイアンツの元チームメイトからの応援コメント動画が公式Twitterアカウントにて配信されています。

昨年の活躍後の移籍のため、チームにとっては大きな戦力喪失となる訳ですが、このような動画が配信されている点からも、山口選手が非常にチームメイトから慕われ信頼されている選手であることが伺えます。

開幕は3月!ブルージェイズについておさらいしよう


photo from ブルージェイズ公式サイト

ここまで、山口選手についてご紹介してきましたが、現時点ではいつから山口選手の勇姿をマウンドで見られるのか定かではありません。

ただし、2020年のメジャーリーグは「全クラブ一斉に3月26日開幕」とすでにアナウンスされ、ブルージェイズは26日にレッドソックスとの対戦が予定されています。

また、2月から3月にかけてスプリングトレーニング(日本でいうキャンプ)やオープン戦(選手登録を目指す非公式の試合)が開催されます。

starting with Opening Day on March 26, when all 30 teams play. BLUE JAYS Opening Day: vs. Red Sox — Thursday, March 26

MLB公式サイト

そこで、改めて開幕前にブルージェイズについて簡単にご紹介します。

ブルージェイズはメジャーリーグで現在唯一、米国以外であるカナダ・トロントに本拠地を置く球団です。

ロジャース・センター(元スカイドーム)がホームスタジアムで、「ジェイズ」という通称で親しまれています。

アメリカン・リーグの東地区に属し、1977年のア・リーグ拡張時にシアトル・マリナーズとともに創立されました。

これまでで、地区優勝が6度、ワールドシリーズ制覇は1992年・1993年の2度です。

過去に在籍した日本人選手は大家友和選手(2007年)、五十嵐亮太選手(2012年)、川崎宗則選手(2013~15年)、青木宣親選手(2017年)で、山口選手は5人目となります。

ちなみに、チーム名の由来はトロントのあるオンタリオ州の州鳥である「アオカケス(ブルージェイ)」です。

ブルージェイズについては「野球観戦大好きライターがオススメ!はじめてのトロント・ブルージェイズ観戦ガイド」もぜひご覧ください。

野球を通じた文化交流の架け橋としても期待


photo from ブルージェイズ公式サイト

昨年、3冠を達成され読売ジャイアンツをリーグ優勝へ導いた山口選手。非常に脂の乗った状態でブルージェイズへの移籍が決まったため、否が応でも期待が高まります。

また、元大相撲力士だったお父様直伝のちゃんこ鍋をチームメイトに振る舞ったこともあるそうなので、ぜひカナダでも日本の様々な文化を伝えて頂きたいなと思います。

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