
日本政府は、日本のパスポート(一般旅券)の申請手数料を見直す方針を示し、10年用パスポートの大幅な値下げに加え、5年用パスポートについては18歳未満を一律で約4,500円とする方向で調整に入ったことが分かりました。
その一方で、「国際観光旅客税」(出国税)一律3,000円への引き上げや、外国人向けのビザの発給手数料を1万5,000円に引き上げることも検討されています。
カナダ在住の日本人にとっても、重要な制度変更となりそうです。
目次
10年用パスポートは7,000円引き下げ。5年用パスポートは「18歳未満」を一律約4,500円に
今回の改定で最も大きな変更点は、10年用パスポートの申請手数料が7,000円引き下げられる点です。
もう一つ注目したいのが、5年用パスポートの年齢区分の見直しです。
現在は年齢などによって手数料が分かれていますが、今後は18歳未満の申請者について、5年用パスポートの手数料を一律で「およそ4,500円」とする方向で調整が進められているということです。

新規発行・更新申請にあたって、書面 or オンラインで400円の違いがありますが、現在の申請費用と調整後の費用(予定)は以下となります。
- 10年用: 約1万6,000円 ⇒ 約9,000円
- 5年用: 12歳以上が約1万1,000円、12歳未満が約6,000円 ⇒ 18歳未満は一律で約4,500円
(現在のカナダドルでのパスポート手数料は、以下を参考にしてみてください)
在バンクーバー日本国総領事館 旅券(パスポート)手数料
在トロント日本国総領事館 パスポート
もう一方で、18歳以上が対象の5年用のパスポートは廃止する方針ということです。

これまで「10年用は高い」という理由で5年用を選んでいた人も多いかと思うのですが、今回の値下げにより、
- 更新回数が減る
- 長期的なコストが下がる
といったメリットがより明確になるのではないでしょうか?カナダ在住の日本人にとっても、今回の見直しによりパスポート費用が軽くなることが期待され、嬉しく思う方も多いかもしれません。
「国際観光旅客税」(出国税)は一律3,000円に引き上げ

日本ではオーバーツーリズムが問題になるほど、外国人旅行者が増加していますが、オーバーツーリズム対策の財源を確保するために、「国際観光旅客税」(出国税)を、来年度の税制改正で現在の1,000円⇒一律3,000円に引き上げる方向です。
この出国税は日本を出国する際に1回あたり1,000円が課される税金で、旅客自身が直接支払うのではなく、船舶会社や航空会社がチケット料金に上乗せする形で徴収し、国へ納付する仕組みになっています。
出国税は日本から海外旅行に出かける日本人に対しても課されるものになるため、3,000円に引き上げられた場合、海外を訪れる日本人の負担も増加します。それを軽減するためにも、今回のパスポートの手数料の引き下げが検討されています。
訪日外国人向けのビザが約1万5,000円へ大幅値上げ

また、訪日外国人向けのビザ発給手数料について、現在日本を訪れるたびに必要な通常のビザが3,000円ですが、約1万5,000円への大幅引き上げを検討しているとされています。これは約半世紀ぶりの値上げで、一気に欧米諸国並みの水準に近づける狙いがあるとされています。
実際に金額が変わるのは、法改正などが行われてからで、2026年7月からの実施を目指しているということです。
カナダ在住でパスポート更新を控えている方は、このパスポートの申請費用が引き下げられるのを待ってから、行うのもよさそうです。
その際は、在バンクーバー日本国総領事館/在トロント日本国総領事館などの公式案内を確認してから申請してください。
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