カナダ・バンクーバーとトロントの生活情報をお届けしている LifeVancouver と LifeToronto は、CK Marketing Solutions Inc.が運営するウェブメディアです。
いつも見てくださっている皆さんのおかげで、LifeVancouverは2011年、LifeTorontoは2015年末から続いていますが、その安定稼働を支えているのは、日々の更新を担うシステム担当スタッフと、堅牢なインフラを提供するサーバ会社の技術力です。
今回は、LifeVancouver/LifeToronto のシステムを担当する CK の Toshi と、サイトを技術面で支えるサーバ会社 Beyond GTA Inc.(以下、ビヨンド)CEOの佐藤聖賢さんがZOOMで対談を実施。ライターの私が考えた質問をもとに、二人に話してもらいました。
サイトを安心して閲覧できるのは、どんな工夫やチームワークがあるからなのか?その舞台裏が分かるので、ぜひ確認してみてください。
登場人物紹介


Beyond GTA inc. CEO
佐藤聖賢さん
スティーブ・ジョブスがアップルのCEOに就任しiPodを発表した2000年にアップルのコールセンターでカスタマーサービス、エンタープライズ向け製品のサポートなどを経験。
その後大阪の大手ISPでのSE経験を経て2014年に大阪を拠点に24/365のクラウドサーバ運用保守サービスを提供する株式会社ビヨンドに入社。
日本の夜勤を時差を利用して海外にシフトするために2019年にトロントに現地法人 Beyond GTA inc. を設立、2020年から現地赴任し、ITだけにとどまらない日本とカナダの架け橋となるための活動、ビジネスを日々模索中。


CK Marketing Solutions – Software Engineer/ IT Technician
Toshi
2013年から2019年まで大手SI企業にてERPパッケージの開発に従事。
その後、バンクーバーの関連会社にてプロジェクトリーダーとして開発およびマネジメントを担当。在籍中よりCK Marketing Solutions (以下、CK)とパートナー契約を締結し、2021年の会社閉鎖後はCKの中核メンバーとして、Webサイトの設計・開発・運用をはじめとするIT全般を担当。
目次
Q1. ビヨンドさんの事業と、カナダオフィス設立のきっかけを教えてください。
事業について
聖賢さん: ビヨンドは2007年に日本で創業しました。
創業のきっかけは、ガラケー時代に非常に多くのアクティブユーザーを抱えていた無料SNSサービス「モバイルスペース」のインフラ支援でした。当時、そのサービスのサーバーをデータセンターへ集約し、24時間365日の運用保守を任せたいというご相談をいただいたことから会社が立ち上がりました。
現在のようにクラウドが当たり前になる以前から、私たちはサーバーの設計・構築・運用、さらにはシステム開発までをワンストップで提供してきました。大阪を拠点に、長年にわたりインフラ領域を強みに事業を展開しています。
私は2014年に創業メンバー2名とのご縁があり、ビヨンドに入社しました。入社当時は十数名ほどの小さな会社でしたが、現在では約80名規模まで成長しています。多くのお客様に支えられてここまで来ることができました。
創業当初から、“止まらないインフラを支える”ことが私たちの原点です。
カナダオフィス設立のきっかけと目的について
聖賢さん: もともと日本では24時間365日のサポート体制を構築し、多くのお客様のシステム運用を支えてきました。しかし、その一方で夜勤を前提とした働き方には長期的な課題も感じていました。エンジニアがより健全な環境で力を発揮し続けるためには、持続可能な運用体制を実現する必要があると考えたのです。
そこで着目したのが、時差を活用した「Follow-the-Sun」モデルでした。北米の中でもトロントは日本との時差が大きく、まさに理想的なロケーションです。日本が夜の時間帯でも、現地では日中のチームが稼働できるため、夜勤に依存しない24時間体制を構築できます。
実は創業メンバーの二人が学生時代にカナダへ留学していたこともあり、この国には以前からご縁がありました。私自身も3〜4歳の頃、親の仕事の都合でアメリカのシラキュースに住んでいた時期があり、北米という土地にどこか親しみを感じていました。振り返ると、カナダ進出は自然な流れだったように思います。
その後、カナダ大使館のご紹介をきっかけにミシサガ市の経済開発局の方々とつながり、2018年から複数回にわたる現地視察を実施しました。そして2019年に法人を設立。オフィスとコンドミニアムの契約も完了し、あとは渡航するだけという段階まで進みました。
しかし、そのタイミングで新型コロナウイルスの感染拡大が発生し、渡航は延期に。先が見えない中で家賃だけが発生し続け、「いつになればカナダに行けるのか」と焦りを感じる日々が続きました。
そんな中、2020年10月に一時的に入国規制が緩和され、「行くなら今しかない」と決断し、単身でカナダへ赴任しました。当時の空港では防護服を着た職員が行き交い、機内の乗客もわずか十数名ほど。緊張感の漂う状況ではありましたが、今となっては非常に貴重な経験だったと感じています。
カナダ拠点設立の目的は、単に海外に進出することではありません。最大の狙いは、時差を活用したグローバル運用体制を確立し、より高品質で持続可能なサービスを提供することにあります。
さらに、日本企業の北米進出をITの側面から支援すると同時に、将来的には現地企業へのサービス提供も拡大し、ビヨンドならではの運用品質を世界に広げていきたいと考えています。
私たちは、「働き方」「サービス品質」「グローバル展開」を同時に進化させる拠点として、このカナダオフィスを育てていきたいと思っています。
Q2. LifeVancouverとLifeTorontoに関して、ビヨンドさんにお願いすることになった経緯と、どんなサービスを利用しているのか教えてください。
Toshi: 2023年2月頃、弊社代表からの紹介で初めて聖賢さんにお会いしました。CK では、元々は長年の付き合いで別会社にサーバのホスティング・運用保守をお願いしていたんですが、古くなったウェブサイトだったり、CakePHPの古い資産もあり、サーバから全サイトとサービスの移行が必要になったんです。
試行錯誤したのですが、古い資産を全体的にアップグレードしないと移行できない状況となっており、困り果てていました。
そのタイミングで、聖賢さんに移行手順について具体的に相談にのっていただいたことがきっかけで、ビヨンドさんに24時間のサーバ監視やバックアップ取得などをお願いするようになりました。
聖賢さん: たしか、CK さんではPlesk(プレスク)を使って管理をしていたサイトがほとんどだったので、できればそこに集約したいということでしたよね。
プレスクを導入しているところは、ビヨンドのお客様の中にも多くいらっしゃって、そのノウハウもあったので、弊社でお手伝いできるんじゃないかと思いました。
Q3. LifeVancouver / LifeTorontoでサーバ移行時の裏話などがあれば教えてください。
Toshi: 元々、heteml(ヘテムル)という日本のサーバーを使っていたのですが、LifeVancouver / LifeTorontoは移行が必要と考えていたんです。
ただ、サイトのコンテンツ量が非常に多く、お客さまの記事を載せている部分もあり、無停止で移行を進める必要がありました。実際に自分でバックアップを取ってみると、編集部から「あれ、なんかサイトの表示がちょっと遅くなってる?」と言われ、バックアップを取っている間はサイトにアクセスできない状況になる可能性があり、自分だけで実行するのは不可能に感じていました。
聖賢さん: 極端な話ですが、サイトの移行って、サイトを止めて用意ドンでデータを移行すればいいのですが、当然停止期間が発生してしまいます。ただ、条件が揃えば、ほぼ無停止で切り替えることは可能なんです。
実際にこちらで触ってみて分かったのですが、LifeVancouver / LifeTorontoは移行元サーバの仕様上、データ転送が途中で停止してしまう可能性があったことや、データベースのリアルタイム同期が難しいといった技術的な課題がいくつかありました。細かな調整は必要でしたが、これまで数多くの移行プロジェクトを手がけてきた経験とノウハウを活かすことで、着実に対応することができました。
移行当日は、一時的に新規記事の投稿のみ停止していただきましたが、サイト自体を止めることなく切り替えを完了。ユーザーの皆様に影響を与えずに移行できたことは、私たちにとっても非常に印象に残るプロジェクトとなりました。

Toshi: 実際、移行当日の作業がかなり早い段階で完了となっていた覚えがあります。「こんなに早く終わるのか!」と印象的でしたね。小規模なサイトであれば、自分一人でできる可能性もあるかと思うのですが、大規模なサイトの場合、失敗した時のリスクも考えて、やはりインフラサイドのプロに任せるのが一番だと思いました。
聖賢さん: 移行に時間がかかる要素としては、大きく分けて2つあります。1つはコンテンツのデータそのもの、もう1つはデータベースの容量です。データベースが大きい場合も時間がかかります。
ただ、今回のケースでは後者はそれほど大きな負担ではありませんでした。一方で、前者の10年以上にわたって積み重ねられてきた画像などのコンテンツデータが、合計で約30GBありました。
単一ファイルで30GBとなると、その分のデータ転送が完了するのを待つしかないのですが、今回は小さなファイルの積み重ねだったので、いかに効率よく同期していくかがポイントとなりました。
Q4. ビヨンドさんのサービスを利用してみて、良いと思う点は何ですか?
Toshi: セキュリティ面と、サイトのスピード改善の部分ですね。
CK でお客様のサイトを管理している立場としては、不正アクセスは絶対に防ぎたいところです。しかしながら、私自身はサイトの開発・修正などはできても、セキュリティについてはプロではありません。
そこで、ビヨンドさんにお願いするようになって、例えばサーバーの負荷が上がった時には、アラートという形でお知らせをもらうだけでなく、すぐに調査してもらって「特に問題ありませんでした」「こういった攻撃が見られたので、ブロックしておきました」などお知らせもあるので、すごく助かっています。
もう一方で、LifeVancouver / LifeTorontoは元々サイトの表示が遅いという問題を抱えていましたが、その点についてもCDNの導入を提案・対応してもらって、かなりスピードが改善されました。こちらからお願いしなくても、潜在的な悩みの解決策を提案してもらえ、さらに積極的に進めていただけるのは、ビヨンドさんの大きな強みだと感じています。
また、私が暮らしているバンクーバーでいうと、日本語でやりとり可能なインフラの会社はなかなか無いので、ビヨンドさんはとても貴重で心強い存在ともいえます。

聖賢さん: ありがとうございます。一般に公開されているWebサービスは、常にセキュリティリスクに晒されています。今日サイトが安定して動いてるからといって、明日安定してるとは限りません。事前に正確に予測できるものではないからこそ、私たちのように継続的に監視し、状況に応じて迅速に対応できるパートナーの存在が重要だと考えています。
特に LifeVancouver/LifeToronto のようなメディアサイトは、記事が注目を集めた瞬間にアクセスが急増することもあり、安定した配信を維持するための備えが欠かせません。
近年は多くの対策が自動化されていますが、すべてを機械的に判断できるわけではありません。たとえば、サイトの表示に影響を与える可能性のあるリクエストを許容するのか、それとも防御を優先するのかといった判断には、依然として人の知見が求められます。技術と人の両方で支えることが、安定したサービス運営につながると考えています。
インフラの移行は目立つ仕事ではありませんが、「何も起きないこと」が成功なので、今後もお客様のビジネスを止めない基盤づくりを支えていきたいですね。
Q5. 聖賢さんの考えるビヨンドの強みや大切にしていることは何でしょうか?
聖賢さん: 私たちの最大の強みは、先ほどもお伝えした日本とカナダの2拠点を活用した24時間365日の運用体制です。
ただ単に夜間対応を行うのではなく、地域ごとにチームを配置することで、無理のない持続可能な運用を実現している点が特徴です。これにより、高いサービス品質を維持しながら安定したサポートを提供することが可能になっています。
At Beyond GTA Inc., we offer:
✅ 24/7 human-led server & cloud monitoring
✅ Real-time incident response (not bots)
🌍 Teams in Toronto 🇨🇦 & Japan 🇯🇵
📊 350+ clients | 3,000+ servers | 5,000+ issues/month#AWS #GCP #Cloud #cloudmanagement #clouds #devopsdiaries #CloudOps pic.twitter.com/6LmUuE5WXz— Beyond GTA Inc. (@beyond_gta) September 13, 2025
また、日本で培ってきた運用品質の高さと、カナダを拠点としたグローバル対応力を併せ持っていることも大きな強みです。言語や文化の違いを理解した上で、お客様に寄り添ったコミュニケーションができるため、海外展開を進める企業にも安心して任せていただけます。
さらに、私たちはインフラの設計・構築だけでなく、その後の運用まで責任を持って支援しています。システムは作って終わりではなく、安定して稼働し続けることに価値があると考えているからです。
技術力と運用力の両方を兼ね備え、「止まらない仕組みを支えるパートナー」であり続けること。それがビヨンドの提供する本質的な価値だと思っています。障害は起きるものですが、“止めない体制”は作ることができると考えています。

また、サービス提供において私たちが大切にしているのは「お客様ごとに最適な運用体制を設計すること」です。日本では、わずかな異常でも迅速に報告するスタイルが一般的ですが、北米のお客様の中には「明確な影響がある場合に連絡してほしい」というニーズを持つ企業もあります。そうした考え方の違いにも柔軟に対応し、コミュニケーションの粒度まで細かく調整できる点も、私たちの強みだと考えています。
さらにビヨンドでは、発生した障害への対処だけでなく、その背後にある根本原因の特定や再発防止策の提案までを運用保守の重要な役割と捉えています。お客様のインフラが抱える潜在的な課題にも向き合い、具体的な解決策を提示することが、長期的な信頼関係につながっているのだと思います。
Q6. ビヨンドさんのカナダでの今後の展望についてお聞かせください。
聖賢さん: 私たちは、カナダと日本をつなぐ“ITの架け橋”のような存在になりたいと考えています。
近年、北米市場へ進出する日系企業は増えていますが、言語や商習慣の違いに加え、ITインフラの構築や運用に課題を感じている企業も少なくありません。そうした企業に対して、日本品質のきめ細かなサポートと、グローバル基準の技術力の両方を提供できることが私たちの強みです。
今後は、日系企業向けのIT支援をさらに強化するとともに、現地企業へのサービス提供にも積極的に取り組み、カナダ市場における存在感を高めていきたいと考えています。
単なるアウトソーシング先ではなく、「困ったときに最初に相談されるパートナー」であり続けることが私たちの目標です。
Toshi: そもそも一般的な企業はインフラに対して「基本的に動作していれば、それでいい」というところも多いかもしれません。でも、ビヨンドさんはサイトの表示スピードなど「どういった部分が改善できるか」などもあわせて考えてくれます。
また、手組みで作ったサイトは管理が特に大変ですが、そのような場合でも、ビヨンドさんにお願いできるのも魅力だと思います。
まとめ

今回の対談を通して、LifeVancouver/LifeToronto が日々安定して情報をお届けできるのは、システム担当スタッフとサーバ会社の密な連携、そして“見えないところでの努力”に支えられていることが伝わってきました。
また、サイトの安定稼働を支える「縁の下の力持ち」としてのサーバ会社の重要性が伝わったのではないでしょうか?
ビヨンドさんにお問い合わせしたいことがあるという方は、以下のフォームからどうぞ。Beyond GTA Inc.のウェブサイトもあわせてチェックしてみてください。
ビヨンド お問い合わせフォーム
株式会社ビヨンド / Beyond GTA Inc.
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カナダオフィスの住所: 15 Wellesley Street West, Suite 201, Toronto, Ontario M4Y 0G7

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