海外渡航の書類などで必要になる性別。
この度新たに「X(Unspecified)」が登場。
2017年8月31日付で施行されました。
カナダ移民局のAhmed Hussen氏は、3つ目のオプションを追加することで、全てのカナダ人が、自分自身でいられることに安心を感じ、自分の選んだ性別を提示することができるとしています。
目次
▶︎カナダだけじゃない!性別に「X」を導入している国々
カナダだけではなく、オーストラリア、デンマーク、ドイツ、マルタ、ニュージーランド、パキスタンでも、現在「X」の選択肢があります。
そしてインドやアイルランド、ネパールでは、Xではありませんが、3つ目の選択肢が用意されているとのことです。
▶︎ある州では、ヘルスカードに「性別記載無し」でもOK!
カナダではトランスジェンダーの人たちの権利を守るための活動が盛んですが、ブリティッシュコロンビア州では、ヘルスカードの性別欄に「M(Male)」もしくは「F(Female)」の記載をしたくない場合、「U(Unknown)」を選択することができます。
それは、世界で初めての試みだそうです。
↓生まれた子どものヘルスカードの性別欄で、U(Unknown)を選択した女性
In what could be a 1st, #BC child #BC issued health card w/ "U" for sex. Parent Kori Doty at centre of fight w/ Vital Statistics. #LGBTQ pic.twitter.com/MPlQsO8qYe
— Charmaine de Silva (@char_des) June 30, 2017
ここオンタリオ州でも、州が発行したライセンスには、既に3つ目の性別「X」が使えるようになっています。
▶︎「X」の記載により、懸念されることとは・・
国際民間航空機関にも3つ目のオプション「X」は容認されてはいますが、最終的に旅行者を国へ入れるか入れないかの最終判断は、各国が行うことになっています。
こちらのニュースによると、トランスジェンダーの法律問題に詳しい移民弁護士Adrienne Smith氏は、「LGBT( L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダー)であることが違法とされている国、例えばウガンダやジャマイカでは、入国が困難になったり差別を受ける可能性がある」と指摘します。
例えばジャマイカでは、男性同性愛者を禁止する「ソドミー法」があり、LGBTの人々への暴力や差別が日常的に行われていて社会問題となっています。ウガンダでも、2013年に「同性愛禁止法」が成立し、LGBTの人々が窮地に追いやられている状況です。
また、記載された性別と見た目が異なる場合は、不必要な身体検査をされる可能性も否めません。
▶︎そもそも「性別の記載を無くせば良い」という声も
「そもそも性別の記載を無くせば良い」という声も少なからず上がっています。
先に紹介した移民弁護士Adrienne Smith氏は、「セキュリティの問題面では、性別はIDに記載されている必要はない。今や生体認証のパスポートが導入され、指紋検査も実施している。アイデンティティを立証するためには、性別よりずっと確実な方法がある。」としています。
みなさんは、今回の性別「X」の導入について、どう思われますか?
LGBT市民の社会的地位改善を目指し、カナダでは意識と制度の改革が急速に行われています。
これは、その「大きな一歩」になるのかもしれません。
※参照
http://www.cbc.ca/news/politics/transgender-passport-x-identify-1.4261667
https://globalnews.ca/news/3694753/canadian-passports-x-gender/
https://globalnews.ca/news/3696784/gender-neutral-passport-canada-travel-problems/
https://beta.theglobeandmail.com/news/national/transgender-canadians-to-be-able-to-use-x-option-on-passports/article36087305/?ref=http://www.theglobeandmail.com&