今年はハイブリッド!2020年のトロント国際映画祭(TIFF)日本映画2作品と注目作6作品

  

今年も9月10日〜19日までの11日間開催される第45回トロント国際映画祭、通称TIFF(Toronto International Film Festival)。

1976年から行われるカナダ最大のこの映画祭は、国際映画製作者連盟が公認する非コンペティティブ形式の国際映画祭で北米最大かつ最多のプレミア数を誇ります。

今年は、新型コロナウィルス感染対策のため、例年とは違ったスタイルになります。

そこで、今回は2020年のトロント国際映画祭の注目作品と上映方法などについてまとめました。

今年はハイブリッド開催


photo from TIFF

残念ながら、今年は、上映作品数を大きく縮小して新作は50作品のみ

監督や俳優などの有名セレブがトロントの会場に登場するレッドカーペットもなく、オンラインでの登場となります。

オンラインでのデジタル上映、ドライブイン・シアター上映、屋外上映、そして屋内ではTIFFの本拠地である上映会場TIFF Bell Lightboxの、4つの方法で上映されるハイブリッド開催で行われます。

観たい映画によっては鑑賞方法が異なります。

チケットの購入・場所については、最後にまとめていますので、ぜひご確認を。

日本映画作品2作

例年とは違う状況下ではありますが、今年も日本映画が2作品が出品されています。

ここ数年、トロント国際映画祭では、女性監督作品に注目する傾向があります。

今年の日本映画作品も、どちらも女性監督による映画です。

カンヌ常連の河瀬監督作品も!

朝が来る(英題:True Mothers)

直木賞・本屋大賞受賞のベストセラー作家・辻村深月によるヒューマンミステリー作品を、河瀬直美監督が映画化した作品。
主演は、永作博美、井浦新。
2020年・第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」にも選出されています。

栗原清和と佐都子の夫婦は一度は子どもを持つことを諦めるが、特別養子縁組により男の子を迎え入れる。朝斗と名付けられた男の子との幸せな生活がスタートしてから6年後、朝斗の産みの母親「片倉ひかり」を名乗る女性から「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」という電話が突然かかってくる。当時14歳で出産した子を、清和と佐都子のもとへ養子に出すことになったひかりは、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心やさしい少女だった。しかし、訪ねて来たその若い女からは、6年前のひかりの面影をまったく感じることができず……。
(引用:映画.com)

素晴らしき世界(英題:Under the Open Sky)

2021年春に日本で全国公開される予定の西川美和監督の映画作品。
直木賞作家・佐木隆三が実在の人物をモデルに描いた小説「身分帳」を原案に、舞台を原作から約35年後の現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描いた映画です。
主演の役所広司のほかに、注目の若手俳優の仲野太賀、長澤まさみ、橋爪功などが出演。

殺人を犯し13年の刑期を終えた三上は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、保護司・庄司夫妻の助けを借りながら自立を目指していた。そんなある日、生き別れた母を探す三上に、テレビディレクターの男とプロデューサーの女が近づいてくる。彼らの真の目的は、社会に適応しようとあがく三上の姿を番組で面白おかしく紹介することだった。まっすぐ過ぎる性格であるが故にトラブルの絶えない三上だったが、彼の周囲にはその無垢な心に感化された人々が集まってくる。
(引用:映画.com)

注目の作品6選

日本映画以外の出品作品でも、すでに話題になっている作品もたくさん。

その中でも、昨今の社会状況から注目をあびていたり、人気俳優が登場するなど、アメリカやカナダのメディアが注目して取り上げられている作品の中からいくつかピックアップしてご紹介します。

Ammonite(アンモナイト)

今年のTIFFのオープニング・ガラ作品のひとつで、演技派女優として名高いケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが、同性愛カップルを演じた話題作です。
1840年代を舞台に実在した古生物学者の女性のラブストーリーで、多くの賞を獲得してきた実力派の女優二人の演技が注目されています。

Nomadland(ノマドランド)

ノマドランド・トロント国際映画祭

こちらも今年のTIFFのオープニング・ガラ作品のひとつで、ニューヨーク国際映画祭でも主力映画といてラインナップされている話題の映画。

近年注目されている中国出身のクロエ・ジャオ監督によるこの映画は、経済崩壊したネバダの田舎町を舞台に、社会規範から外れた生き方を模索する主人公を描いた物語。

アカデミー主演女優賞を2度獲得しているフランシス・マクドーマンドとデヴィッド・ストラザーンが主演しています。

Concrete Cowboy(コンクリート・カウボーイズ)

コンクリート・カウボーイ・トロント国際映画祭

『アベンジャーズ』や『ワイルド・スピード』などに出演する人気俳優イドリス・エルバと、Netflixの人気作『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のケイレブ・マクロクリンが主演することでも注目される作品。

ノース・フィラデルフィアの都心部に実在した黒人のカウボーイ・クラブをモデルに、貧困と暴力にさいなまれる環境下で、疎遠になっていた父親と15歳の少年コールが、乗馬に癒しを求める姿が描かれています。

One Night in Miami(ワンナイト・イン・マイアミ)

ワンナイトインマイアミ・トロント国際映画祭

黒人社会活動家マルコムX、フットボールプレイヤーのジム・ブラウン、シンガーのサム・クック、ボクサーのモハメド・アリの4人が、アリの試合勝利を祝ったマイアミのホテルでの夜を題材にした映画。

もともともとは舞台作品だったものを映画化したもの。1960年代に活躍した実在の黒人男性達の友情を通して、人種やアイデンティティについての視点を得ることができる注目作です。

Beans(ビーンズ)

ビーンズ・トロント国際映画祭

1990年に実際にあった、カナダのケベック州政府と、先住民モホーク族との対立事件を、モホーク族の12歳の少女の物語を通して描いた作品で、先住民族系のカナダ人女性監督によるもの。

カナダの歴史や先住民との関係を知ることができる作品として注目が集まっています。

76 Days(76デイズ)

76デイズ・トロント国際映画祭

中国を拠点にアメリカのメディアで活躍する中国系ジャーナリストと、ニューヨーク在住の中国系映画監督が共同で制作したドキュメンタリー。

新型コロナウィルス感染拡大により、都市封鎖された中国の武漢市の76日間を、一般の市民の姿を通して見つめる作品です。

中国政府の検閲なしに記録して映像化したものとしてとして注目されています。

チケット購入や場所について

チケットはオンラインや上映会場で購入できます。
日程によって、鑑賞方法と場所が変わるので、充分注意して購入してくださいね。

トロント国際映画祭(TIFF)公式Webサイト

https://www.tiff.net/

チケットの詳細

TIFF公式のチケット情報

上映場所別の情報

デジタル上映で観る場合の詳細ページ
TIFF会場で観る場合
ドライブイン・シアター・屋外上映で観る場合

  • 屋内上映場所
  • TIFF Bell Lightbox

  • ドライブイン・シアター上映場所
  • Visa Skyline Drive-In at CityView
    RBC Lakeside Drive-In at Ontario Place

  • 屋外上映場所
  • West Island Open Air Cinema at Ontario Place

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