カナダは1ヶ月後に生誕150周年を迎えます。
さて問題です。カナダの首都はどこでしょうか?
正解はトロントではなく、オタワです!
では、オタワの前はどこにあったかご存知ですか?
今回はカナダを語るなら必ず知っておきたい街、「キングストンとサウザンド・アイランズの魅力」をご紹介します。
目次
1. キングストン
photo from Tourism Kingston
キングストンはトロントからは約260km、車で約2時間30分。
オタワからは約190kmで2時間弱でアクセスできます。
オンタリオ湖からセント・ローレンス川が流れ出す地点にあり、交通の要所として、また、対岸にあるアメリカに対峙する軍事拠点として重要な役割を担ってきました。
ライムストーン(石灰岩)を使った建物が多くあることから「ライムストーン・シティ」の愛称で親しまれています。
カナダ連邦が発足した1841年から3年間、首都が置かれた歴史的な都市でもあります。その後、首都はオタワに移されるわけですが、その決断に至った理由は何でしょうか?(答えは最後)
キングストンについて理解が深まれば、自然と答えも得られると思います。
是非考えてみてくださいね。
2. キングストンの見どころ
歴史的建造物が点在するキングストンには博物館が17カ所もあります。見所は沢山ありますが、その中から必ず訪れたい場所を6つピックアップしました。
(1) 市庁舎
1844年に完成した市庁舎はドーム型の時計台が印象的で、キングストンを象徴する建物のひとつです。
外観にはライムストーン(石灰岩)が使われていて、19世紀を代表する建造物として、カナダの国定史跡にも登録されています。
内部見学が可能で、5月中旬~9月中旬の平日(7~8月は毎日)にはガイドツアーも行われています。
キングストン市庁舎
場所:
216 Ontario St, Kingston, ON K7L 2Z3
詳細:
キングストン市Webサイト
「Historic City Hall」
(2) パブリックマーケット
photo from Information Radio
市庁舎の裏にある広場、スプリンガー・マーケット・スクエアでは、4月〜11月の火・木・土曜日にパブリックマーケットが開かれます。
1801年から続いている、カナダ最古の屋外マーケットのひとつです。
焼きたてパンやジャム、メープルシロップなどの新鮮食材や可愛いアクセサリーのお店が並んでいて、観光客や地元の人で賑わっています。
また、4月〜10月の日曜日にはアンティーク・マーケットも開催されています。
(3) ベルビュー・ハウス
カナダの初代&第3代首相、ジョン・A・マクドナルドが連合カナダの議員時代に暮らした家で、国定史跡に登録されています。
マクドナルド初代首相は「カナダ建国の父」の異名をもつ人物で、大陸横断鉄道を完成させるなど、国土の安定に尽力しました。
内部は一般に公開されていて、7~8月の週末にはガイドツアーも実施されます。
スタッフはメイドなどの当時の衣装を身につけていて、建国当時のカナダを思い起こしてくれます。
場所:35 Centre St, Kingston, ON K7L 4E5
詳細:Government of Canada Webサイト
「Bellevue House National Historic Site」
(4) フォート・ヘンリー
セント・ローンス湾に突き出すような半島部に作られた要塞で、ダウンタウンから車で10分ほどのところにあります。1837年に完成したこの砦は国定史跡に登録されています。
米国は1812年の戦争以来、ここへの侵略を狙っていましたが、この要塞ができたため、カナダは守り抜かれたといわれています。
衛兵交代式(5月中旬~9月中旬まで毎日)、衛兵のミリタリーショーや花火が楽しめるサンセット・セレモニー(7~8月の水曜の夜)、砦をお化け屋敷として公開するフォート・フライト(10月)などのイベントも開催しています。
グループであれば、兵舎での宿泊もできるそうです。
(5) ウォーターフロント・パスウェイ
ジョギングやサイクリングなどを楽しめる遊歩道が充実しているのもキングストンの魅力のひとつです。ウォーターフロント・パスウェイはオンタリオ湖畔に伸びる8kmの遊歩道です。
周辺には市庁舎やベルビュー・ハウス、五大湖海洋博物館などの観光名所や公園が点在しています。爽やかな湖畔の風を感じながらのウォーキングは格別です。
目的地を目指して歩いても、何も考えずに歩いても、楽しめると思います。
(6) クイーンズ大学
カナダの国家成立の26年前、1841年10月16日に設立された公立大学です。
カナダ植民地で初めて学位を授与した大学であり、大西洋岸以西の州で初めて女性の入学を認めた大学です。
故・高円宮憲仁殿下(1954~2002年)が留学していた大学で、図書館の一室には高円宮記念文庫のプラーク(寄贈記念盾)が飾られています。
日本の4年生大学に在籍中の学生さんを対象とした高円宮記念クイーンズ大学留学奨学金もあるので、気になった方は募集要項(日本語)を確認してみましょう。
(7) その他の観光地
キングストンには上記以外にも沢山の観光地があります。
・コンフェデ レーション公園
・セント・ジョージ大聖堂
・五大湖海洋博物館
・ポンプ・ハウス蒸気機関博物館
・マーニー・タワー博物館
・健康管理博物館
・フォート・フェデリック
時間があったら是非訪れてみてください。
3. トロリーツアーで観光地巡り
photo from Kingston Trolley Tours
キングストンを効率的に巡るなら乗り降り自由のトローリーバスがオススメです。
市庁舎をはじめ、史跡博物館やフォート・ヘンリー、クイーンズ大学などの9箇所に停留所があります。平日は45分毎に、週末は30分毎に運行しています。
GPS搭載の音声ガイドが使用されているので、ツアーの進行に合わせて、観光地の説明を聞くことができます。
キングストンやカナダの歴史についてしっかり学べます。
チケットはこちらから購入できます。1日乗車券は大人 $27.50+税金 子供 $13.75+税金となっています。
場所:1. Visitor Information Centre, City Hall 2. The Royal Military College of Canada 3. Fort Henry 4. Market Square 5. Pump House Steam Museum 6. Bellevue House 7. Canada’s Penitentiary Museum 8. Queen’s University 9. Princess st. Entertainment and Shopping District より乗車できます
詳細:トロリーツアー公式Webサイト
料金:1日乗車券 大人 $27.50+税金 子供 $13.75+税金
48時間乗車券 大人 $39.50+税金 子供 $19.75+税金
4. サウザンド・アイランズ
・セントローレンス下流に広がる1000の島々
photo from viator
オンタリオ湖の北東端からその下流のセント・ローレンス川にかけて広がる1864の島々からなる諸島がサウザンド・アイランズです。
それぞれの島の面積は100km²以上のものから家一軒分程度の小さな島など、様々で、これらの島々の間をアメリカとカナダの国境が通っています。
古くから北米の裕福層の別荘地として注目されてきたこの地には豪華な邸宅が立ち並んでいます。
この景観を贅沢に楽しむために、クルーズやカヤック、ヘリコプターのツアーが用意されています。
・島々を巡るクルーズ
最も人気のアクティビティがサウザンド・アイランズ・クルーズです。
宝石のように点在する島々をクルーズで巡ります。
クルーズはキングストンやガナノクエ、ロックボートの港から出航します。
ランチクルーズ、サンセットクルーズ、ディナークルーズなど様々な種類があるので、スケジュールや予算、好みに合わせて選びましょう。
ガイドの話しに耳を傾けながら、古い別荘やドイツの古城を模して建てられたボルト城など、豪華な建築物が見れるのもこのツアーの魅力です。
因みにサウザンド・アイランズ・ドレッシングはボルト城を所有していた、ボルトがここで味わったことがきっかけで有名になったそうです。
ディナークルーズではライブ演奏などのエンターテインメントも楽しめます。
場所:
キングストン発 248 Ontario St, Kingston, ON K7L 5P7
ガナノクエ発 280 Main St, Gananoque, ON K7G 2M2
ロックボート発 20 Front Street, Rockport, ON K0E 1V0
詳細:
Kingston 1000 Islands Cruises 公式Webサイト
Gananoque Boat Line 1000 Islands Cruises 公式Webサイト
Lockport Cruises 公式Webサイト
料金:時期や内容により異なる(大人:$30〜 子供:$15〜)
5. トロントからキングストンへのアクセス
・ユニオン駅からVIA鉄道で
所要時間:2時間~2時間30分
ウェブサイト:http://www.viarail.ca/en
※頻繁に運行
・トロント市内か空港からメガバスで
所要時間:2時間40分~3時間30分
ウェブサイト:https://ca.megabus.com//default.aspx
※頻繁に運行
・トロント・ピアソン国際空港から飛行機で
所要時間:1時間程度
ウェブサイト:https://www.aircanada.com/ca
※エア・カナダがピアソン国際空港とキングストン・ノーマン・ロジャース空港の間を頻繁に運航
見所が非常に多いキングストン。
日帰りでも行けますが、できれば1泊して街の魅力を存分に味わいましょう。
さて、首都がオタワに移された理由は↓
「キングストンが当時のカナダにとって仮想敵国であったアメリカに近すぎたから」です。
カナダでアメリカ史を履修した時に歴史の先生が言っていました。
アメリカは戦争で負けたことはないと言っているが、カナダには負けたのだと。
キングストンに行って、やっとその意味が理解できた気がします。
カナダ生誕150周年のこの年に是非キングストンを訪れてみてくださいね!
カナダの事がもっと見えてくると思いますよ。
上記は2017年5月20日時点の情報です。
最新情報については、各ウェブサイトでご確認をお願いします。