photo from MLS
近年、大物スター選手の入団などにより、北米4大スポーツと呼ばれるバスケットボール(NBA)・アイスホッケー(NHL)・アメリカンフットボール(NFL)・野球(MLB)に迫る勢いで市場規模、人気共急速に高まっているメジャーリーグ・サッカー(MLS)。
photo from MLS
そんなMLSにはトロントを本拠地とするトロントFCが参加しており、昨シーズンは悲願の東地区初優勝も果たしています。その存在はラプターズ、メイプルリーフス、ブルージェイズと並び、トロントが誇るプロスポーツチームと呼んでも過言ではありません。
photo from MLS
そこで今回は、昨シーズンのホームゲームは勿論、アウェイゲームにも遠征・スタジアム観戦していた私が、いよいよ今月4日に開幕したMLSの概要とトロントFCの紹介、スタジアムアクセスやチケットの購入方法、トロントに対戦相手としてやってくるかもしれない大注目のスーパースター選手たちなどについてもご紹介していきます!
この10年で急成長!メジャーリーグサッカーとは?
メジャーリーグサッカー(以下MLS)は1994年のワールドカップアメリカ大会開催によるサッカー熱の高まりを受け、1996年に誕生したプロサッカーリーグで、その歴史は日本のJリーグよりもまだ浅いリーグとなります。
photo from MLS
2017年シーズン現在、アメリカから19、カナダから3の計22クラブを東西の2地区に分けて構成されており、我らがトロントFCは東地区に所属しています。
2007年、それまで上限額が制限されていた選手の年俸に関する規定が変更となり、獲得が困難だった高年俸のスター選手たちが、次々とMLSへ移籍するようになります。
photo from SKY Sports
2007年にロサンゼルス・ギャラクシーが獲得したデヴィッド・ベッカムを筆頭に、以降もティエリ・アンリ、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパードやディディエ・ドログバ、カカ、アンドレア・ピルロと言った、ヨーロッパのビッグクラブで活躍する超大物選手の入団が続き、今や世界中から注目されるプロサッカーリーグとなりました。
photo from フジテレビ
トロントFC所属の遠藤翼選手をはじめ、日本代表経験のある加地亮、工藤壮人両選手などが移籍したことはもちろん、日本代表のエース・本田圭佑選手が2017年中にもMLSのクラブへ移籍するのでは?と報じられるなど、日本での注目も年々高まってきており、2016年からは日本国内でのテレビ中継も始まりました。
2015年のデータでは、1試合あたりの平均観客数(21,574人)でNBAやNHLを大きく上回り、「サッカー不毛の地、アメリカ」はもはや過去の言葉となりつつあるのです。
昨年は悲願の地区初優勝。トロントFCとは
そんな急成長を遂げるMLSにあって、昨年東地区初優勝を果たしたのが我らがトロントFCです。2006年創立と歴史はまだ浅いクラブですが、2016年度の平均観客動員数26,583人はリーグ4位。
実力・人気を兼ね備えた強豪クラブとして、ファンの間では「TFC」や「レッズ」の愛称で親しまれています。
photo from CBC
同じカナダに本拠地を置くクラブとしては、モントリオール・インパクト、バンクーバー・ホワイトキャップスの2クラブが存在しますが、同じ東地区に所属し、高速道路401号線を隔てる隣町のクラブ、モントリオール・インパクトとは特に激しいライバル関係にあり、この両クラブの対戦は別名「401ダービー」と呼ばれています。
photo from Toronto FC
巨大な横断幕でモントリオールの選手たちを圧倒する雰囲気を作り出す、トロントのサポーター
私も昨年、トロントとモントリオールそれぞれのスタジアムにて両者の対戦を現地観戦しましたが、それ以外のクラブとの対戦時とはスタジアムの雰囲気、サポーターの熱気が明らかに違っていました。
トロントFC要注目の3選手をご紹介!!!
さぁここからは、前年度地区覇者として今シーズンに挑む、我らがトロントFC大注目の3選手についてご紹介したいと思います。
No.9 遠藤 翼
photo from TORONTO SUN
同じ日本人として、やはり最大の注目は遠藤翼選手です。MLSの各クラブが新入団選手を指名獲得するドラフト会議において、日本人として史上初めて1位指名を受け、トロントFCに入団した遠藤選手。昨シーズンはルーキーながら21試合に出場、2得点を上げました。
トロントでの開幕戦となった2016年5月1日のポートランド戦では、先制ゴールを挙げる活躍。衝撃の本拠地デビューを果たしました。
大柄で屈強なフィジカルを武器とする選手の多いMLSにおいて、身長170cmと決して大柄ではありませんが、相手の裏のスペースへ飛び出す動きと持久力、サイドからのクロスボールの精度を武器に、トロントFCの攻撃陣の一員として存在感を示しています。
photo from gettyimages
また、18歳でアメリカの大学に進学するまでに、15歳と17歳以下の各年代の日本代表に選出されており、遠藤選手自身も先日ゲスト出演されたテレビ東京「FOOT BRAIN」や雑誌インタビューなどの中で「将来的な日本代表入り」を目標として語るなど、今シーズンはより一層の飛躍と活躍が期待される選手です。
No.10 セバスティアン・ジョビンコ
photo from CBC
トロントFCの絶対的エースの座に君臨し背番号10を背負う、元イタリア代表・セバスティアン・ジョビンコ選手。昨季の地区初優勝は、彼の活躍抜きでは考えられないと言っても過言ではありません。
若くして「イタリアの至宝」と呼ばれ、強豪・ユヴェントスやイタリア代表としても活躍した後、2015年度シーズンにトロントFCに入団したジョビンコ選手。
加入以来、驚異的なペースでゴールを量産し続けており、リーグ通算61試合で39得点。2015年シーズンはリーグ得点王にも輝きました。
身長164cmと、サッカー選手としては非常に小柄な選手ですが、そのプレースタイルを一言で表すと「魔法」
見ている人の予想を上回るゴールやドリブルは正に芸術の域に達しており、サッカーをあまり観たことのない、あまり知らないという人でも、一目で「この選手はスゴイ」ということがわかる、世界でも数少ない選手と呼べる存在では無いでしょうか。
その人気はトロントFCだけでなくリーグにおいても絶大で、2016年に発表されたユニフォーム売上数がリーグ全選手中8位、2015年のMLS年俸ランキングでは全選手中2位となる約8億8000万円。人気・実力ともケタ外れなジョビンコ選手から目が離せません。
No.4 マイケル・ブラッドリー
photo from Toronto FC
最後に、2015年のMLS年俸ランキングではジョビンコ選手に次ぐ3位(約8億600万円)、トロントFCのキャプテンを務めるアメリカ代表・マイケル・ブラッドリー選手をご紹介しましょう。
元アメリカ代表監督を父に持ち、イタリアの強豪ローマをはじめ、イングランドやドイツ、オランダでのプレー経験も豊富なブラッドリー選手。アメリカ代表として2度のワールドカップ出場を果たしており、現在はトロントFCの中盤の攻守両面を豊富な運動量で支えるキャプテンです。
守備ではいち早く危険を察知して相手の攻撃の芽を潰し、攻撃では相手の嫌がるエリアへパスを的確に供給。ゴールも奪うことが出来る頭脳派プレーヤーです。チームの攻撃の多くは彼を経由して始まることが多く、サポーターからの信頼も厚い頼れる「兄貴的存在」と言えます。
イケメンとしても知られ、女性ファンも多いブラッドリー選手ですが、SNSではお子さんと触れ合う様子もアップされており、素敵なパパとしての一面も非常に魅力的な選手です。
トロントFCの試合を観戦しよう!
トロントFCのホームスタジアム、BMOフィールド
ダウンタウン中心部からTTCで30分ほどのところに位置する球技専用スタジアム「BMOフィールド」が、トロントFCのホームスタジアムになります。
photo from EMPIRE of SOCCER
昨年改修工事が完了したBMOフィールドは収容人数30,000人。特別大きなスタジアムではありませんが、観客席とプレーする選手たちとの距離が非常に近いのが特徴です。また、殆どの観客席を屋根が覆っており、雨の日の観戦でも濡れる心配がないのもポイントです。
試合後、赤くライトアップされたBMOフィールドはまるでお城のような存在感。
私自身、これまで日本を始め韓国やイタリア、ドイツ、メキシコのスタジアムへ行ったことがあるのですが、「試合の見易さ」・「臨場感」と言う点においてはトップクラスではないかと思っています。
スタジアムへの主なアクセス方法は以下の通りとなります。
TTCストリートカー509「Haborfront Towards Exhibition」行きで「Exhibition」下車。(25分)
■Wilson,Dufferin駅から
TTCバス29「Dufferin Exhibition」行きで「Manitoba DR at Nova Scotia Ave」下車。(Dufferin駅から25分)
■ダウンタウン中心部から
車で20~35分程度(混雑状況により。スタジアム内駐車場有り)
チケットはどうやって購入できるの?
BMOフィールドで行われるトロントFCの試合のチケットは、トロントFC公式サイト、Ticketmasterのウェブサイトと窓口(エアカナダセンター内併設)などで、購入することが出来ます。
また以前、こちらの記事で紹介したチケット再販サイト「STUBHUB」などでもチケットを購入することが出来ます。
ただし、この「年間契約シート」を購入した人が、どうしても観戦出来ない試合のチケットをSTUBHUBなどの再販サイトで販売していることが一般化していますので、観戦したい試合の前売り券が売り切れとなっていても、併せてチェックされることを強くオススメします!
初めての試合観戦、オススメの席種は?
photo from BMO Field
30,000人収容のBMOフィールドには大きく分けて4つの座席エリアがあります。ここでは、エリアごとの特色をご紹介しましょう。
①メインスタンドエリア
スタジアム正面のエリアで、ほぼ全席を屋根が覆っています。スタジアム正面から、着席してじっくりと試合を観戦したい人にはこちらの席がオススメ。選手や監督が座るベンチのすぐ近くで観戦できる、背もたれ付きのプレミアムシートや、VIP席などもこちらのエリアになります。
②トロントサポーターエリア
特に熱狂的なトロントFCファンが集まるゴール裏南エリアで、屋根も設置されています。座席はありますが、基本的にこのエリアは立ち上がっての試合観戦となります。
試合中はファンが歌を歌ったり、旗を振ったりするエリアになりますので、迫力のある応援を間近で体感することができますが、それ故座っての観戦などは難しいエリアです。
③バックスタンドエリア
メインスタンドエリアの反対側に位置するエリアで、こちらもほぼ全席を屋根が覆っています。昨年上層階の増築工事が完了し、座席数は全エリアの中で最も多いエリアとなります。
上層エリアであっても試合観戦がし易いように傾斜が工夫されていることはもちろん、メインスタンドエリアよりもチケット価格が低く設定されていますので、初めて観戦される方や、お友達・家族での観戦にピッタリなエリアと言えそうです。
④ゴール裏北エリア
トロントサポーターエリアから見て反対側のゴール裏に位置するエリア。こちらのエリアは座席数が非常に少なく、屋根も設置されていないことに加え、全席が年間契約シートとなりますので、一般前売り発売はされていないエリアになります。
迷ったらこの試合!2017年大注目の試合3選!
トロントFCの2017年シーズンは、今月4日に開幕しています。今シーズンのBMOフィールドでのホームゲーム開幕戦は、3月31日(金)PM7:30~のカンザスシティ戦と発表されています。
ここでは、今シーズンBMOフィールドで開催が決まっているホームゲーム全17試合の中から、個人的に大注目の対戦カードをピックアップ、昨シーズン対戦した試合の動画と共にご紹介したいと思います!(今シーズンのトロントFC年間スケジュールはこちら)
①5月3日(水)PM7:30~ オーランドシティSC戦
イタリアの名門ACミランやスペインの”銀河系軍団”レアル・マドリードでもプレーした元ブラジル代表のエース、カカ選手を擁するオーランドシティSC戦は序盤戦の注目カードと言えそうです。カカとジョビンコ、世界が誇る天才プレーヤーの対決は必見です!
②7月30日(日)PM2:00~ ニューヨークシティFC戦
昨シーズンのリーグMVP、スペインの名門バルセロナなどで活躍したビジャ選手、元イタリア代表の天才アンドレア・ピルロ選手という2人のスーパースターを擁するニューヨークシティFC戦は、今年の夏最大の注目カード間違い無し。これだけのスーパースター達をトロントで見ることが出来ることに、感謝せずには居られない超豪華メンバーの競演から目が離せません!
③9月20日(水)PM7:30~ モントリオール・インパクト戦
昨シーズンの地区優勝を決めるリーグカップ準決勝でも壮絶な激闘を繰り広げた、トロントFCにとっては”因縁のライバル”モントリオール・インパクトとの「401ダービー」が、やはりこの秋最大の注目カード。トロントとモントリオール、それぞれの都市の意地とプライドを賭けたこの試合、興奮度120%間違い無しの一戦です!
世界が注目するMLS。トロントFCから目を離すな!
今回はトロントFCとMLSについてご紹介しました。今や全世界の注目が集まりつつあるMLS。世界のスーパースターの競演、トロントFCでの2年目を迎える遠藤翼選手・・・。今年も楽しみなシーズンがいよいよ開幕しました。
photo from MLS Italia
興奮することまず間違い無し。テレビで観るのとは全く違った空間が、そこには存在します。熱気のるつぼと化したスタジアムへ、是非今年は足を運んでみて下さい!