トロントのダウンタウンとスカボローをつなぐ全長16キロの公園「The Meadoway」とは?

  

トロントのNPO法人「トロントと地域保全局」が4月24日(水)に、トロントのダウンタウンとスカボローをつなぐ全長16キロの巨大公園「The Meadoway(ザ・メドゥウェイ)」の計画を説明するパブリックミーティングを行いました。


photo from The Meadoway

昨年に発表された同計画の内容は、ダウンタウンの東側に位置するドン川渓谷から、スカボローのルージュ国立都市公園までを、細長い直線状の公園として整備するというものです。

人々は公園の端から端まで、合計16キロにわたる距離を、自然に囲まれた公園内から出ることなく楽しめるというわけです。

都市公園The Meadowayのねらいとは?

トロント市は、NPO法人の「トロントと地域保全局」と、「W・ガーフィールド・ウェストン財団」とともに、The Meadowayの計画を推進してきました。

The Meadowayが実現すれば、荒野と化していた水力発電の回廊が、潤沢な緑地を備えたカナダ最大の距離を持つ公園へと生まれ変わります。

The Meadowayは4つの渓谷、15か所の公園、34か所の地域などの点と点を線で結びます。

34か所の地域がつながることで、それぞれの学校やビジネスの拠点、病院などへのアクセスが簡単になります。

20キロにわたるトレイルの設置も進めており、公園全体は1000種類以上もの多様な生物の住処にもなるとのこと!

The Meadowayは自然の風景を蘇らせるための機会でもあり、トロントの街の進化に変化を起こす計画でもあるのです。

The Meadowayでどんなことができる?

The Meadowayは自動車を乗り入れる以外の使い方であれば、多様な利用法が考えられます。

人々が都市型農業を楽しむ!

例えば、公園内では都市型農業などを実施します。

人々は各自の作物を育てて収穫をするために、農業用の敷地を利用することが可能になります。

週末はThe Meadowayで自分の畑を耕して野菜を収穫する、というアクティビティが流行するかもしれませんね。


photo from The Meadoway

トロントの原風景を蘇らせる

The Meadowayの中でもすでに完成しているエリアが、スカボロー・センター・バタフライ・トレイルです。
同トレイルには3.5キロメートルにわたって野生の花々が咲き、蝶が飛び交うトロントの美しい原風景が見られます。

今後は16キロの広範囲を、同じような景色に戻すことが進められていく予定とのことです。


photo from The Meadoway

ほかにも、The Meadowayは以下のような利用が期待されています。

ウォーキング、ランニングなどのレクリエーション
植物を育てたり、自然生物の観察を通した子ども向けの教育
自転車を利用した街から街への移動手段として
・近郊地域同士の交流場所として

また、荒野を再生させるビジョンを世界に示す良い例にもなりそうです。

特に、子どもたちが自然と直接触れ合いながら、環境や植物や生物を学ぶことができる点に、大きく注目したいですね。

The Meadowayの完成はいつ?予算の規模は?


image from The Meadoway

今から7年後を目標に、The Meadowayを完成させるとしています。

2026年頃には完成するという計算になりますね!

現時点ですでに40ヘクタールの牧草地が復元され、およそ10キロの多目的トレイルの建設も完了しているそうです。

完成にかかる推定コストは8,500万ドル(日本円でおよそ70億円)です。

うち2,500万ドル(日本円でおよそ20億円)を、W・ガーフィールド・ウェストン財団が援助することを誓約しています。

The Meadowayがトロントの街を発展させる

世界的に都市の緑化が進められている時流の通り、環境を保護しながらどのように街を発展させていくのかが、これからの時代のトロントの課題とも言えます。

The Meadowayはトロント独自の街作り計画を世界に示す大きなきっかけになりそうですね。

参考:
CBC:The Meadoway: 16 km stretch of urban park will connect downtown to Scarborough

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