2017年10月16日に始まったオンタリオ公共サービス職員組合 (OPSEU)によるオンタリオ州の24の州立カレッジのストライキ。
過去にも1984年、1989年、2006年と同じようなストライキがありましたが、平均日数は週末も含めて23日間でした。
しかし今回のストライキは開始から既に23日が経過し、未だに先が見えない状況です。そこで、現在までのカレッジストライキの状況と学生への影響についてまとめました。
目次
1. 2017年、カレッジストライキの概要
"Whose streets? Our streets!" Thousands of Ontario college faculty, allies and supporters #Rally4Faculty #StandWithFaculty #onpoli #onpse pic.twitter.com/TmqLIscZHY
— OPSEU (@OPSEU) November 2, 2017
今回のストライキについておさらいしてみましょう。
◎ オンタリオ州の公立カレッジ vs. 職員組合 (OPSEU)
◎ 常勤講師の比率の増加と雇用の安定、裁量権の拡大を求めたもの
◎ 10月16日(月)スタート
◎ 500,000人以上の学生に影響
* 詳しい情報は【日本ではありえない!】オンタリオ州の24の州立カレッジでストライキ実施!をご参照下さい。
2. カレッジストライキの現状
10月16日に始まったストライキはその後何の話し合いも行われず、3週目に入りました。
これではいけないということで、政府の後押しもあり、3週目の11月2日(木)にストライキ開始後、初の話し合いが行われました。
その結果、カレッジ側が提案したオファーを受け入れるか否かについて投票が行われることになったのですが、投票期間は11月14日(火)午前9時から11月16日(木)午前10時。
51%以上の賛成票を得られれば可決となり、ストライキは終了します。
投票結果が分かるのは来週末、それから24全ての州立カレッジのオン夕リオ州労使関係委員会 (Ontario Labour Relations Board)による承認が必要なので、可決されたとしても近日中に授業が再開されることはなさそうです。
カレッジ側は今後4年間で7.75%の段階的賃上げ案を提示していて、これが適用されれば4年後の常勤講師の給与は年間$66,555〜$115,378、非常勤講師は、時給$88.92〜$154.26になります。
3. カレッジストライキによる学生への影響
A BIG THANK YOU to our student supporters today! #StandWithFaculty #aBetterPlan #wepaytolearn #OPSEUlocal110 #LdnOnt pic.twitter.com/BriUrT7l2S
— OPSEU 110 FanFaculty (@opseulocal110) November 8, 2017
各カレッジはウェブサイトやソーシャルメディア、メール等で現状や今後について定期的に情報を発信していますが、現時点で今セメスターの延長は確実のようです。
今回のストライキの影響を受けて、各カレッジは次のような方針を提示しています。
◎ 12月15日(金)までだった今セメスターは1週間延長
◎ ストライキ開始前にクリスマス休暇期間の旅券や滞在先を予約した学生は Academic Program Officeに 相談すること
◎ 来セメスターは当初予定されていた2月26日(月)から3月2日(金)までのインターセッション・ウィーク(中休み)がキャンセル
◎ ストライキ終了の2日以内に授業再開
◎ 課題の提出は授業開始後3日間の猶予を与えること
◎ ストライキの影響でキャンセルされた試験を実施する場合、授業開始後3日間の猶予を与えること
* 各カレッジによって多少異なるので、在籍中のカレッジのウェブサイトを定期的に確認しましょう。
4. 留学生のビザの問題
留学生にとって厄介なのがビザの問題ですが、ストライキがビザに影響しないように、カナダ移民局は次のように発表しています。
◎ 学生ビザで就学中の留学生で、このストライキの影響でビザの延長が必要な場合は申請時に学籍担当事務官からのレターを添えること。
◎ ポストグラデュエートワークパーミット申請の際、ストライキの影響で通学できなかった分は影響しない(通常は継続的に通学することが必要)。
5. 学生の不満
Hey @BillMauroMPP and @MichaelGravelle are you paying attention!!!!!!!!!!!! Get to work!!!!!!! #COLLEGESTRIKE Help us get back to the class! pic.twitter.com/7SJLtXKsEB
— leechambers (@leechambers) 2017年10月27日
◎ ストライキに終了の目処が立たない状況なので、今セメスターのキャンセルを望む声も上がっています。
Once again, please cancel this semester. I have no motivation to go back, I'm pissed and have no idea how we gonna catch up. #collegestrike
— Polyakova Dasha (@erin_tyan) November 6, 2017
目処が立たないことで、一番迷惑をしているのは学生です。今後の将来の予定も休暇中の旅行計画も立てられず、ストレスが溜まるばかりです。
◎ 12月15日でプログラムを修了し1月から働く予定だった学生は、ストライキのせいで仕事を失う可能性があります。
◎ カレッジを無事に卒業して来年の9月からイギリスの大学に入学する予定だった学生もいます。
◎ 留学生は国内学生の約2.5倍の授業料を払っています。就学期間が延長になればその分の家賃や生活費の負担も増えます。
◎ ストライキの期間が5週間ならセメスターの延長はない、7週間続いたらセメスターをキャンセルするなど、カレッジ側が方向性を示してくれれば、学生も計画が立てられたのに、との声もあります。
6. 署名活動 “#wepaytolearn”
休講になった分の授業料の返金を求める#wepaytolearnの署名活動には、11月8日(水)の17時の段階で、128,979人分の署名が集まっています。
署名方法は、Change.org のウェブサイトへいき、ページ右上の Sign this petition にファーストネーム、ラストネーム、メールアドレスを入力し、サインインをクリックするだけです。
photo from Change.org
30秒ほどでできるので、是非皆さんも協力しませんか?
このストライキで一番迷惑をしているのは罪のない学生です。
一刻も早くストライキが終わりますように。