ON州首相、巨大Lake Ontario看板を設置。Google Mapsは米国内でLake Americaに変更

  

カナダとアメリカの間で続いている「Lake Ontario(オンタリオ湖)」の名称をめぐる応酬に、新たな動きがありました。

オンタリオ州のダグ・フォード(Doug Ford)州首相は8月29日、オンタリオ湖の湖畔に巨大な「Lake Ontario」の看板を設置しました。

これは、ドナルド・トランプ米大統領がLake Ontarioを「Lake America(アメリカ湖)」に改称する大統領令に署名したことを受けたものです。

さらにGoogleも、アメリカ政府の公式データベース上で名称が正式に変更されたことを受け、Google Mapsでの表示を変更。アメリカ国内のユーザーには「Lake America」と表示されるようになりました。


ダグ・フォード州首相、「Lake Ontario – Now and Always」の巨大看板を設置

8月29日、ダグ・フォード州首相はオンタリオ州 Winona(ハミルトン東部の小さな町)で、新たな看板をお披露目しました。

看板には大きく、「Lake Ontario」と書かれていて、その下には、「Now and Always(今も、そしてこれからも)」と書かれています。フランス語でも同様のメッセージが記載されています。

フォード州首相は、トランプ米大統領よりもはるか以前からこの湖は Lake Ontario と呼ばれており、トランプ米大統領が去った後も Lake Ontario と呼ばれ続けるという趣旨のメッセージを発信。

また記者団に対しても、「トランプ米大統領は好きなように呼ぶことができるが、世界の人々はこれからも Lake Ontario と呼ぶだろう」との考えを示しています。

今回の巨大看板は、アメリカによる「Lake America」への改称に対するオンタリオ州からの明確なメッセージといえそうです。フォード州首相は、「我々は屈強で、強いカナダ人だ。」とも語り、アメリカに屈することのない姿勢を見せています。

Google Maps、アメリカでは「Lake America」と表示へ

Googleは、アメリカの地名に関する公式データベース「Geographic Names Information System(GNIS)」でLake OntarioからLake Americaへの名称変更が正式に行われたため、Google Mapsもこれを反映しました。

五大湖の一つであるオンタリオ湖は、オンタリオ州とニューヨーク州の間に位置していますが、Googleによると、表示はユーザーがいる国・地域によって次のように異なります。

  • アメリカ国内 → 「Lake America」
  • カナダ国内 → 「Lake Ontario」
  • カナダ・アメリカ以外 → 両方の名称を表示

つまり、トロントをはじめカナダで Google Maps を開いた場合は、今まで通り「Lake Ontario」と表示されます。一方、国境を越えてアメリカ側からGoogle Mapsを見ると、同じ湖が「Lake America」と表示されることになるようです。


(カナダから見ると、オンタリオ湖はそのまま)

「Ontario」の名前には400年以上の歴史

カナダのマーク・カーニー首相も、Lake Americaへの改称を明確に拒否しています。

カーニー首相によると、「Ontario」という名前はインディジネスのWendatの言葉「Ontari’io」に由来し、「湖は美しい、湖は大きい」という意味があります。

その歴史は400年以上に及び、1867年のカナダ連邦成立だけでなく、1776年のアメリカ独立宣言よりも古い名称です。

つまり、現在のOntario州が誕生したからLake Ontarioと名付けられたわけではなく、むしろOntario州の名前がLake Ontarioに由来しています。

カナダとアメリカ、オンタリオ湖は地図上で異なる名称に

8月21日に貿易協議が決裂して以来、両国間の緊張は高まっています。その貿易摩擦から飛び火する形で始まった、Lake Ontarioをめぐる今回の騒動。

アメリカ政府が「Lake America」を公式名称として採用し、Google Mapsもアメリカ国内ではその名称を表示する一方、カナダではこれまで通り「Lake Ontario」が使用されます。同じ湖を見ているにもかかわらず、国境を越えるとGoogle Maps上の名前まで変わるという、異例の状況となっています。

両国の貿易摩擦とあわせて、今後の展開にも注目が集まりそうです。

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