
カナダとアメリカはここ最近、貿易問題をめぐって集中的な交渉を続けていましたが決裂し、両国だけでなく世界から大きな関心を集めています。
今回は、2026年8月27日まで情報をもとに、カナダとアメリカの貿易摩擦の状況について紹介します。
8月21日: カナダとアメリカの貿易交渉が停止
My statement on Canada-U.S. trade negotiations: pic.twitter.com/65OuQH40ra
— Mark Carney (@MarkJCarney) August 22, 2026
カナダの Mark Carney(マーク・カーニー)首相は8月21日、アメリカ側から示された最終的な条件について「不公平で経済的にも合理性がなく、合意の信頼性を損なうものだった」として、アメリカとの貿易交渉を停止したことを発表しました。両国とも相手側が土壇場で不合理な要求をしたと非難している状況です。
カーニー首相は声明の中で、貿易交渉で掲げてきた目標を以下のように述べています。
- カナダ企業の大多数が、引き続き関税なしでアメリカ市場にアクセスできるようにすること
- 両国の貿易関係をより安定させること
- カナダの主要な戦略産業に対するアメリカの関税を大幅に引き下げ、これらの分野のカナダ企業が世界のどの国よりも有利にアメリカ市場へアクセスできるようにすること
- カナダ経済の生命線である中小企業を守ること。そのため、新たな関税が間近に迫っているという脅威を取り除くこと
- 私たちが望むカナダを築き続けられるよう、柔軟性、独立性、主権を維持すること
また、「America has changed, and that we will not return to our old relationship.」(アメリカは変わってしまった。そして、以前のような関係に戻ることはない)との当初からの認識も示しています。
8月22日: 米国がカナダに対し50%関税を発動
JUST NOW: President Trump just announced 50% tariff mandate on all Canadian automotive and steel imports. 🇨🇦 🇺🇸
"They are among the WORST Nations in the WORLD to deal with."
All Canadian cars, trucks, automotive parts, and steel will skyrocket to 50% to permanently eliminate… pic.twitter.com/VqvPZq1BeG
— Donald J Trump Posts TruthSocial (@TruthTrumpPost) August 24, 2026
翌8月22日には、アメリカが276億カナダドル相当のカナダ製品に対する50%の関税を発動しました。(本関税は8月19日に発動予定でしたが、3日間の一時停止を経て月22日に発動)
Donald Trump(ドナルド・トランプ)米大統領は週前半に、米国が主要な貿易相手国の一つのカナダが良い取引の締結に近づいていると表明していましたが、その後8月24日、自身のSNSで「カナダは世界でも最も付き合いにくい国の一つ」と批判し、以下のように語っています。
カナダは農家や農産物に非常に高い関税を課し、私たちの偉大なアメリカの愛国者たちが、カナダにこれらの素晴らしい製品を販売することを不可能にしています。
カナダはアメリカを必要としていますが、アメリカはカナダを必要としていません。カナダはアメリカとのビジネスの95%を行っていますが、その逆はまったく当てはまりません。
さらにトランプ米大統領は、2027年1月からカナダ産の自動車や自動車部品、鉄鋼への関税を50%に引き上げると表明しています。(詳細は不明)
8月25日: カナダも米国に対し同等の報復関税を発表&75億カナダドル規模の支援策も発表
アメリカのカナダに対する50%の関税を受けて、カーニー首相は、米国製品に対し、同額・同率の追加関税を課すことを8月25日に発表しました。米国からの輸入品276億ドル相当に対する新たな対抗措置は、2026年9月8日午前0時1分から発効する予定です。
カナダは、米国の通商法338条および232条に基づく関税の対象となっている品目に対し、15%、25%、50%の報復関税を課します。各品目の関税率は、対応する米国の関税率と同額となります。
カナダの報復関税は、鉄鋼・アルミニウム、乳製品、家電製品、農業機械、パルプ・紙製品、プラスチック、電子機器などの分野に集中しています。鉄鋼・アルミニウムなどの一部の分野では、既存の対抗関税が米国の関税率に合わせて25%から50%に引き上げられる予定です。
In the face of unjustified American tariffs, Canadians have shown resolve, purpose, and strength.
The government is matching that spirit — protecting Canadian workers, businesses, and families. pic.twitter.com/kSqYUNw8ad
— Mark Carney (@MarkJCarney) August 25, 2026
カナダ政府はさらに、アメリカの関税によって影響を受けるカナダ国内の労働者や企業を支援するため、新たに75億カナダドル規模の支援をすることも発表しています。
8月27日: カナダと米国の対立がさらに激化。トランプ米大統領がオンタリオ湖をアメリカ湖に改称する措置に署名を行う
BREAKING NEWS!
TO: Office of the Secretary, Department of the Interior
FROM: Director, U.S. Geological Survey
RE: Lake America renameSir,
As of 4:30 pm today the U.S. Geological Survey has officially designated the former Lake Ontario to be renamed as Lake America in all… pic.twitter.com/m4UixlNpEw
— The White House (@WhiteHouse) August 27, 2026
トランプ米国大統領は自身のSNS「Truth Social」で先日25日、「オンタリオ湖の名称をアメリカ湖に変更することを真剣に検討している」と語っていましした。
そして8月27日、米国とカナダの国境に位置するオンタリオ湖の名称をアメリカ湖に変更する大統領令に署名したことを発表しました。カナダとの全面的な貿易戦争において、国境の地名を変更して挑発の度合いを引き上げています。
また、「次に必要なのは海(オーシャン)だ。大西洋と太平洋の名前も変更が必要かもしれない」と語っています。
White HouseのSNSアカウントでは、以下のように記されています。
印刷物への変更は、今後数日間で順次反映されます。
この変更は、地理名称情報システム(GNIS)にも正式に登録されています。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
The name Lake Ontario comes from the Wendat word Ontari’io, which, appropriately, means “the lake is beautiful, the lake is big”.
The name is more than 400 years old, predating both the Confederation of Canada and the Declaration of Independence of the United States of America.…
— Mark Carney (@MarkJCarney) August 27, 2026
カナダは米国の一方的な措置に対して、名称変更を決して認めない方針です。カーニー首相は以下のように反論しています。
この名前には400年以上の歴史があり、カナダ連邦が成立するよりも、そしてアメリカ合衆国の独立宣言よりも前から使われています。
私たちは、アメリカが変わりつつあることを知っています。貿易関係、外交政策、国の記念碑、そして水域の名称も。
そしてカナダ人は、現実をありのままに呼ぶのであれば、それは「オンタリオ湖」だということも分かっています。
過去も、現在も、そしてこれからもずっと。
また、オンタリオ州のダグ・フォード州首相も「カナダ人にとって、そして世界中の人々にとっても、オンタリオ湖はオンタリオ湖です。今も、そしてこれからもずっと。」と投稿しています。
It’s Lake Ontario to Canadians and the rest of the world. Now and forever.
— Doug Ford (@fordnation) August 27, 2026
カナダとアメリカは世界でも特に経済的な結び付きが強い国同士だけに、今後、商品の価格やサプライチェーンなど、私たちの暮らしにもさまざまな影響が及ぶ可能性があります。
貿易摩擦に加え、オンタリオ湖の名称変更をめぐる対立にまで発展するなど、両国の関係はこれまでにない局面を迎えています。
今後、カナダとアメリカの関係がどのように変化していくのか、そして私たちの生活にどのような影響が出るのか、LifeVancouver/LifeTorontoでも引き続き情報をお伝えしていきます。
B!