トロント公共図書館(Toronto Public Library)は3/2(火)、トロント公共図書館の子ども用ライブラリーカードで借りたすべての子ども向けの本、資料の延滞料金を永久に廃止すると発表しました。
We’re going fine-free for kids in a move to remove barriers to library access, especially for those who need it the most. https://t.co/FANVPvHtVR pic.twitter.com/KN9jWAEyMk
— Toronto Public Library (@torontolibrary) March 2, 2021
今回はその延滞料金の廃止に至った背景や詳細についてお伝えします!
延滞料金を廃止することになった背景は?
The elimination of children's fines at @TorontoLibrary will remove the financial barrier that has kept many Torontonians from enjoying all that our libraries have to offer.
I hope that children and families will feel more compelled to connect with our libraries. pic.twitter.com/oPLB06dIqP
— John Tory (@JohnTory) March 2, 2021
トロントでは、低所得層の地域に住む子どもたちは延滞による貸し出し停止が他の地域に住む子どもたちと比べて5倍以上とのデータが出ています。
そこで今回の延滞料金廃止することにより、子どもたちがもっと図書館を利用しやすくなり、識字率の向上にもつながるだろうと見込まれています。
廃止にあたっての注意事項・大人の延滞料金はどうなる?
photo from Toronto Public Library
現在は新型コロナウイルスの影響により、トロント公共図書館の営業が完全に再開されるまですべての本・資料に延滞料金は発生しませんが、子どもの延滞料金は永久に廃止されます。
ただし、図書館の利用者は引き続き資料を返却する責任があり、返却されなかった場合、資料の紛失、破損、未返却の場合は再発行費用を支払う必要があります。
貸出期間と貸し出し延長期間は引き続き適用されるので注意!
また10代の若者、大人の延滞料金については段階的に廃止する予定であり、2022年度トロント市の予算案の提出で強化予算として140万ドルの資金を盛り込む予定とのこと。
今回の発表について各関係者からのコメント
今回の延滞料金廃止発表を受けて、ジョン・トーリー トロント市長や各トロント公共図書館関係者は次のようにコメントしています。
Today’s announcement is a good example of the steps we are taking to make our city more equitable and to ensure that our services are accessible to everyone. By eliminating children’s overdue fines, we are removing barriers that were once impeding access to a wide variety of services and support offered at our city’s libraries. I am pleased that we are able to include this service in our 2021 Budget with additional support from the Toronto Public Library Foundation.
今日の発表は、私たちの街をより公平にし、誰もがサービスを利用できるようにするために、私たちが取っている措置の好例です。子どもたちの延滞金をなくすことで、かつて本市の図書館で提供されているさまざまなサービスやサポートへのアクセスを妨げていた障壁を取り除くことができます。トロント公共図書館財団からの追加支援により、このサービスを2021年度予算に盛り込むことができたことを嬉しく思います。
– ジョン・トーリー トロント市長
Literacy is an essential factor of our diverse society and introducing children to reading is essential to higher literacy rates. Removing fines for children’s material in our public libraries is an important step in achieving this. Eliminating barriers, in particular fines, ensures children have access to a large assortment of resources in our libraries, which is welcoming and exciting news. I am incredibly happy and supportive of this initiative. I also want to acknowledge the Toronto Public Library Foundation for their financial support.
Councillor Paul Ainslie, Toronto Public Library Board Member
識字率は多様化する社会に必要不可欠な要素であり、子どもたちに読書を紹介することは、識字率を高めるために不可欠です。公共図書館における児童書の閲覧に対する罰金を撤廃することは、これを達成するための重要な一歩です。障壁、特に罰金をなくすことで、子どもたちが図書館の豊富な資料を利用できるようになります。私はこの取り組みを信じられないほど嬉しく、支持しています。また、財政的な支援をしてくださったトロント公共図書館財団に感謝したいと思います。
– ポール・エインズリー評議員、トロント公立図書館理事会メンバー
We know fines are a barrier to the use of all library services including free children’s activities, homework help, computer and wifi access. TPL’s mandate is to be free and equitable, so removing this barrier is in keeping with the library’s purpose. This is especially important in a city as diverse as ours with many newcomers and people of diverse socioeconomic backgrounds
罰金は、自由な子供の活動、宿題のヘルプ、コンピュータとwifiアクセスを含むすべての図書館サービスの使用を妨げるものです。トロント公共図書館の義務は無料で公平であることであり、この障壁を取り除くことは図書館の目的に沿ったものです。これは、多くのニューカマーや多様な社会経済的背景を持つ人々がいる私たちのような多様な都市では特に重要です。
– スー・グラハム=ナッター トロント公共図書館理事会議長
今回の発表により、すでに延滞料金をなくす動きが活発化している北米全土の数百の図書館システムに加わることになリます。
カナダだけでもオンタリオ州27館、GTA9館を含む189館の延滞料金を廃止している図書館があり、その数は年々増加しています。
延滞料金の廃止によって、これからさらに図書館が利用しやすくなりますね!
Toronto Public Library to Go Fine-Free for Kids
ウェブサイト
トロント公共図書館のライブラリーカードの作り方や使い方については、過去記事で詳しくご紹介していますので、こちらも参考にしてみてくださいね!