これからホリデーシーズンということで、ギフトの購入やホリデーイベントへの参加などで支出が増える時期ではないでしょうか?
本日2024年11月21日にカナダ政府は、価格高騰の圧力を緩和するため、一部の商品・サービスに対する税 (GST/HST) を2か月間免除する法案を議会に提出すると発表しました。
Canadians are getting a tax break. Starting December 14, we’re pausing GST and HST for two months to make groceries, kids clothes, and other essentials tax-free.
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) November 21, 2024
減税になる期間は2024年12月14日(土)から 2025年2月15日(土)までが予定されています。この減税により、対象商品の GST/HST が免除になるため、カナダ国民にとって支出に大きな違いが生まれそうです。政府によると、推定16億ドルの連邦税の軽減がもたらされるとのことです。
提案されている減税の対象となる商品は、簡単にいうと以下の通りです。カナダ政府の記述によると、これらの免除により、カナダのすべての食品は実質的に非課税となるとのことです。
We're giving all Canadians a tax break starting December 14.⁰
Here's what will cost less:🍽️restaurant and take out meals
🍕prepared foods, snacks
🎮toys, video game consoles
🍷alcohol up to 7% ABV
👗children's clothes, shoes
👩🍼car seats, diapers
🎄Christmas trees— Chrystia Freeland (@cafreeland) November 21, 2024
- 調理済み食品(野菜トレイ、既製の食事、サラダ、サンドイッチなど)
- レストランの食事(店内、テイクアウト、デリバリー)
- スナック(チップス、キャンディー、グラノーラバーなど)
- ビール、ワイン、サイダー、アルコール度数 7 パーセント未満のアルコール飲料(プレミックス)
- 子ども用の衣類、履物、チャイルドシート、おむつ
- ボードゲーム、人形、ビデオゲーム機などの子ども用おもちゃ
- あらゆる年齢向けの本、新聞紙、パズル
- クリスマスツリー
参照:CBC
ただ、実際はかなり細かい指定があります。以下、政府のニュースリリースに記されている内容の意訳です。正直、どの商品が減税の対象なのか売り場で全て把握するのは難しそうです。
子ども服
スポーツやレクリエーション活動にのみ使用されるクラスの衣類、衣装、子ども用おむつ、子ども用履物を除く、次の衣類を指します:
- 赤ちゃん用にデザインされたもの(よだれかけ、バンティングブランケット、おくるみブランケットを含む)
- 女の子用サイズ16または男の子用サイズ20までの子ども服(衣類に適用される国家基準に準拠)。子ども服に国家基準が適用されない場合は、女の子用または男の子用のエクストラスモール、スモール、ミディアム、ラージサイズ
- 子どもまたは赤ちゃん用にデザインされたサイズとスタイルの靴下または伸縮性のある靴下、帽子、ネクタイ、スカーフ、ベルト、サスペンダー、またはミトンと手袋
子ども用履物
乳児または子ども用に設計され、インソールの長さが 24.25 センチメートル以下の履物 (ストッキング、靴下、または類似の履物、またはスポーツやレクリエーション活動専用に使用されるクラスの履物を除く) を意味します。
子ども用おむつ
乳児または子ども用に設計された製品で、おむつ、おむつ用インサートまたはライナー、トレーニングパンツ、またはこれらのアイテムのいずれかと組み合わせて使用するように設計されたゴムパンツを意味します。
子ども用カーシート
自動車拘束システムおよびブースターシート安全規則に基づくカナダ自動車安全基準 213、213.1、213.2、または 213.5 に準拠した拘束システムまたはブースターシートを意味します。
印刷新聞
定期的に発行される、一般の人々の関心を引くニュース、社説、特集記事、またはその他の情報を含む印刷新聞を意味します。電子またはデジタル出版物は含まれません。また、ほとんどのチラシ、折り込み、雑誌、定期刊行物、または買い物客も除外されます。
印刷された書籍
印刷された書籍またはそのような書籍の最新版、90% 以上が印刷された書籍の朗読であるオーディオ録音、またはあらゆる宗教の聖書の製本版または製本されていない印刷版が含まれます。ただし、次のものは含まれません。
- 定期購読ではなく個別に購入した雑誌または定期刊行物
- 広告に割り当てられた印刷スペースが印刷スペース全体の 5% を超える雑誌または定期刊行物
- パンフレットまたは小冊子
- 販売カタログ、価格表または広告資料
- 保証書または取扱説明書
- 主に書き込み用に設計された書籍
- 塗り絵または主に描画用に、または切り抜き、写真、コイン、切手、ステッカーなどのアイテムを貼り付けたり挿入したりするために設計された書籍
- 切り抜き本またはプレスアウト本
- イベントまたは公演に関するプログラム
- アジェンダ、カレンダー、シラバスまたはタイムテーブル
- ディレクトリ、チャートの集合、または市街地または道路地図の集合(市街地または道路地図以外の地図で全体または一部が構成されているガイドブックまたは地図帳を除く)
- 料金表
- 青写真、パターン、またはステンシルの集合
クリスマスツリーまたは類似の装飾用ツリー
天然または人工のもの
食品または飲料
人が消費する品目:
- アルコール飲料(スピリッツを除く。アルコール度数7%までのワイン、ビール、サイダー、スピリッツクーラーを含む)
- 炭酸飲料、非炭酸果汁またはフルーツ風味の飲料、または水に加えるとこれらの飲料のいずれかになる製品
- キャンディーに分類される菓子類またはキャンディーとして販売される商品(綿菓子、チューインガム、チョコレートなど)、チョコレートや蜂蜜、糖蜜、砂糖、シロップ、または人工甘味料でコーティングまたは処理された果物、種子、ナッツ、またはポップコーン
- チップ、クリスプ、パフ、カール、またはスティック(ポテトチップ、コーンチップ、チーズパフ、ポテトスティック、ベーコンクリスプ、チーズカールなど)、ポップコーン、ブリトルプレッツェル、および塩味のナッツまたは種子
- シリアル、ナッツ、種子、ドライフルーツ、またはその他の食用製品を含むグラノーラ製品およびスナックミックス
- アイスキャンディー、ジュースバー、アイスウォーター、アイスクリーム、アイスミルク、シャーベット、フローズンヨーグルト、またはフローズンプディング(乳製品以外の代替品を含む)
- フルーツバー、ロール、ドロップまたは類似のフルーツベースのスナック食品
- ケーキ、マフィン、パイ、ペストリー、タルト、クッキー、ドーナツ、ブラウニー、クロワッサン(甘味料入りまたはコーティング入り)(※ベーグル、イングリッシュマフィン、クロワッサン、ロールパンなど、多くのパン製品はすでにゼロ税率となっていることに注意)
- プリン(フレーバーゼラチン、ムース、フレーバーホイップデザート製品、またはプリンに類似するその他の製品を含む)
- 調理済みサラダ、サンドイッチ、チーズ、コールドカット、フルーツまたは野菜の盛り合わせ、およびその他の調理済み食品の盛り合わせ
- 消費用に加熱された食品または飲料
- 販売場所で販売される飲料
- ケータリングサービスと併せて販売される食品または飲料
- 現在、販売される食品または飲料の全部または実質的に全部がゼロ課税の対象外となっている施設(レストラン、喫茶店、テイクアウトの飲食店など)で販売される食品または飲料
- 現在、販売される食品または飲料の全部または実質的に全部がゼロ課税の対象外となっている施設(レストラン、喫茶店、テイクアウトの飲食店など)で販売される食品または飲料
供給業者の常設施設で提供されるボトル入りの水またはボトル入りでない水
対象となる子ども用おもちゃ
14 歳未満の子どもが学習または遊びで使用するために設計された製品で、次のものが対象
- ボードゲームまたはカードゲーム (戦略ボードゲーム、トランプ、マッチング/メモリーカードゲームなど)
- 別のアイテムを模倣したおもちゃ (ドールハウス、おもちゃの車またはトラック、おもちゃの農場セット、アクションフィギュアなど)
- 人形、ぬいぐるみ、またはソフトトイ (テディベアなど)
- 組み立ておもちゃ (レゴなどの積み木、STEM 組み立てキット、粘土など)
ジグソーパズル
全年齢向け
ゲーム
ビデオゲーム コンソール、コントローラー、または物理的なゲームメディア(ビデオゲーム カートリッジまたはディスクなど)
減税は2024年12月14日~2025年2月15日まで
We're delivering a tax break for all Canadians. pic.twitter.com/6wLj0O0Sj3
— Liberal Party (@liberal_party) November 21, 2024
ホリデーシーズンの経済を刺激するこの施策で、各家庭の支出も増えそうです。消費者にとっては嬉しいですが、スーパーなどではPOSシステムの変更作業が大変そうです。
ちなみにカナダ政府によると、子どもの服、靴、おもちゃ、おむつ、本、家庭のスナック、レストランでの食事など、対象商品・サービスに 2,000 ドルを費やした家族は、2か月間で GST を 100ドル節約できる推定です。
また、対象商品・サービスから HST も免除される州 (オンタリオ州、ニューファンドランド・ラブラドール州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州、プリンスエドワード島) では、さらに節約できることになります。オンタリオ州では、同じ 2,000ドルの対象商品・サービスを購入すると、2か月間で HST を 260ドル節約できると推定されています。
残念ながらブラックフライデーセールの時期とは被らなそうですが、12月にはボクシングデーセールもあるので、今回の減税を利用して上手に買い物をしたいですね。