カナダ政府、留学生の数に上限を定める可能性を示唆。人口増加と住宅問題が背景

  


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以前2023年12月にカナダ政府は学生ビザ申請に必要な残高証明の金額を大幅引き上げたことを覚えている方も多いかと思います。これは、カナダに到着してから資金が底をついてしまうという学生が後を絶たない背景からの決定といわれています。

2023年12月に行われた会見で、カナダのマーク・ミラー移民大臣は以下のようなことを述べていました。

  • カナダは留学生のビザの発給を大幅に制限(Ahead of September 2024, we are prepared to take necessary measures including significantly limiting visas と語っていました)
  • 学生を受け入れる学習機関は、適切な支援、特に住宅の提供が可能な学生数のみを受け入れることを期待
  • 学習機関が十分な学生サポートを提供することを確実にするために、2024年9月までに必要な措置を講じる
  • 州政府、地方政府、学習機関、その他の教育関係者と協力する

また、BBCのこちらのニュースによると、2023年には100万人近くの留学生がカナダにやってきて、過去最高の留学生の数となったようです。ただ、留学生を含め人口が増えたことで住宅不足につながり、カナダの家賃は過去2年間で22%上昇していることが記されています。

そのため、2024年1月にミラー移民大臣は「住宅問題と移民の関係から、カナダに入国する留学生の数を精査する可能性がある」と述べ、これは「制御不能になったシステム」に対処するために検討されていることだと語りました。

日曜日にCBCで放送されたRosemary Barton Liveにミラー移民大臣が出演した際の内容によると、住宅問題と移民の関係は複雑で、カナダへの入国者数の目標設定に関しては閣僚間で議論が交わされた模様。

そして、特にパンデミック後は住宅問題が大きくなってきていて、住宅不足の課題、金利の上昇や住宅価格の問題が指摘されています。

「移民が住宅の金利を上げたわけではないが、量は量であり、それを検討する必要がある」「留学生の上限については大学の規制を担当する各州と交渉する必要がある」とミラー移民大臣は述べています。

CBCニュースによると、世論調査ではカナダ人の住宅に関する移民に対する考え方の変化が示唆されており、より多くの人が集まることで住宅価格の危機が悪化し、医療制度への負担が増大しているとの意見が圧倒的多数となっていることからも、人口の増加を懸念している人が多いことが分かります。

もう一方で、2023年11月にはカナダ政府は2024~2026年の移民計画を発表し、今後も移民を増やす方向性です。

新規移民受け入れ予定数
2024年 485,000人(カナダの現在の人口の 1.2% に相当)
2025年 500,000人
2026年 500,000人

CBCの別のインタビューでミラー移民大臣は、「移民に対する政府のアプローチを広く擁護し、高齢化が進むカナダで持続可能で増加する労働力を確保するためには移民が必要だ」とも主張しています。

今後どのような具体的な対策が発表されるのか気になりますよね。何か分かり次第、LifeTorontoでもまたお伝えしたいと思います。

また、カナダのビザについて最新情報を知るには専門家に確認するのが一番です。質問したいことがある方は、姉妹サイトのLifeVancouverで度々紹介しているビザJPカナダまでお問い合わせしてみてください。

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