トロントのダウンタウンを通る新しい路線が発表!オンタリオ・ラインとは?

  

オンタリオ州首相のダグ・フォード氏が、トロントを含むオンタリオ州の新たな公共交通機関の拡大計画を昨日4月10日に明らかにしました。

同計画においてトロント市内では、新たな路線を配置したり、既存の路線を延長することが計画されています。中でもトロント市内の西に位置するオンタリオ・プレイスと、ノースヨークのオンタリオ科学センターまでをつなぐ「オンタリオ・ライン」が話題です。

今日はオンタリオ州における歴史的な日です!
私たちが構想した交通機関を発表することを嬉しく思います。これは、21世紀のための計画です。

ダグ・フォード

トロント市内で新たに5つの路線を設置・延長

フォード氏が発表したオンタリオ州における新たな交通機関の開発費用は、カナダ史上最大の285億ドル(日本円でおよそ2兆4千億円)にのぼることも発表されています。
人口が密集するトロント市内では、ラッシュアワーの混雑が「大惨事」だと言われていますが、今回の開発によって交通機関の過密度の問題解決をうながすことになるでしょう。
そんな交通機関の大幅な拡大はトロントの通勤・通学ルートはもちろんのこと、不動産価格の推移などにも影響を与えることが予想されます。

今回フォード氏が発表したトロント市内の交通機関の拡大計画は、主に次の5つです。


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A ライン1のフィンチ駅からリッチモンドヒルまで延長
B ケネディ駅から新たに3駅を延長
C オンタリオ・プレイスからオンタリオ科学センターをつなぐオンタリオ・ライン
D マウント・デニース駅とトロントピアソン空港間をつなぐ
E ドン・ミルズ駅から東側の路線延長

中でもトロントのダウンタウン中心を走るオンタリオ・ラインが注目されており、投資額のうち109億ドルが使われる(日本円でおよそ9,000億円)とのことです。

オンタリオ・ラインとは?


photo from mark.watmough on Flickr

トロント市内の西に位置するオンタリオ・プレイスから、ノースヨークのオンタリオ科学センターまでの15キロ間をつなぐ計画がオンタリオ・ラインです。

そもそもトロント市は、以前から「リリーフ・ライン」の計画を立てていました

リリーフラインとは、ユニバーシティ・アベニューにあるオスグット駅とダンフォース・アベニューにあるペイプ駅間の7キロをつなぐ計画です。イエローライン(ライン1)のブロア・ヤング駅周辺の地下鉄の過密度を軽減するために考案されました。

そのリリーフ・ラインの規模や投資金額を大幅に更新したのが、今回オンタリオ州が発表したオンタリオ・ラインです。

オンタリオ州の発表によると、オンタリオ・ラインはTTC(トロント交通局)からは独立して運営を行うとしています。

トロント市内の新たな路線はいつ完成する?

109億ドル(日本円でおよそ9,000億円)の推定コストをかけて着工するオンタリオ・ラインの完成は2027年とのことで、当初計画していたリリーフ・ラインの完成予定である2029年よりも2年早まっています。

ほか、トロント市内の新路線の推定コストと完成予定年は以下の通りです。

ライン1のフィンチ駅からリッチモンドヒルまで延長

推定コスト56億ドル(日本円でおよそ4,700億円)
完成予定年2029~2030年

ケネディ駅から新たに3駅を延長

推定コスト55億ドル(日本円でおよそ4,600億円)
完成予定年2030年

マウント・デニース駅とトロントピアソン空港間

推定コスト47億ドル(日本円でおよそ4,000億円)
完成予定年2031年以前

ドン・ミルズ駅から東側の路線延長

推定コスト未定
完成予定年未定

20年後のトロントに注目

オンタリオ・ラインをはじめとする新たな路線を設置することによって、通勤・通学ラッシュ時の混雑緩和はもちろん、新路線周辺の開発が進むことが考えられます。

オンタリオ・ラインの発着駅になるオンタリオ・プレイスやオンタリオ科学センターは、TTCでアクセスするには少し不便な場所でしたが、今後は新たな目的地として大きく注目されるのではないでしょうか。

20年後のトロントがどんな街並みになるのか、今から楽しみですね。

引用:
CBC:What you need to know about Doug Ford’s contentious plan for transit in the GTA

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