オンタリオ州は新型コロナウィルス感染がピークに達して落ち着いてきたと判断して、先日4月27日に経済活動の段階的な再開について発表しました。また、昨日4月30日にはその再開に向けての各職場におけるガイドラインを公表。
本日5月1日のタグ・フォード知事の会見で、いよいよ基準を満たす職場再開の許可を発表しました。
そこで、この経済再開についてオンタリオ州の考え方、ステージなどの要点をまとめました。
5月4日再開を許可された業種
本日のオンタリオ州の会見で発表された再開許可事業は以下の通りです。
•芝生ケア・造園業
•以下の建築にかかる業務の追加
– ショッピング、流通
– ブロードバンド、通信、デジタルインフラ系
– 商品・サービス配送向上にかかる業務
– 行政事業
– カレッジ・大学
– チャイルドケア
– 学校
– 商業、工業、住宅の敷地整備・採掘業
•自動またはセルフ洗車場
•予約に限り自動車販売業
•春夏に向けたゴルフコースの整備(ただし営業は不可)
•春夏に向けたボートなどのマリーナの整備(ただし営業は不可)
オンタリオ州の対・新型コロナウィルス3フェーズ
photo from Ontario Government via Facebook
オンタリオ州は新型コロナウィルスに対する措置を3つのフェーズに分けて考えています。
第1フェーズ:防御と支援
5月1日現在のこれまでは、この第1フェーズの期間。不要不急の外出を控え、エッセンシャルではない職場の閉鎖、公共スペースの閉鎖などと共に、17億ドルを投じた対策を行っています。
第2フェーズ:再開
発表された経済再開の3段階のステージは、このフェーズに向けたもので、衛生局の査定のもと状況をみて柔軟な対応で行われます。
第3フェーズ:回復
このフェーズでは、「新しい生活基準(New Normal)」、いわゆる新型コロナウィルスに対抗する生活習慣を継続しながら、雇用の創出や州内でのビジネス機会増加など、オンタリオ州の経済復活政策を行います。
フェーズ2において、経済再開措置
第2フェーズの経済再開は、3段階のステージにわけて行われます。各段階については、一定の基準の評価のもと、各ステージ2〜4週間かけて、オンタリオ州衛生局が査定し、次のステージに移るかどうかを判断します。こうした判断は、状況により厳しくなったり緩くなります。
ステージ1
このステージでは、業務の停止または制限を命じられた事業者は、公衆衛生上のガイダンスに合わせ、直ちに業務形態の変更ができるような特定の職場の再開が含まれます。また公園などの限定的な屋外スペースを開放、人々がいくつかの集会に参加できるようになります。予定された緊急ではない手術やその他の医療サービスも再開されます。
・限定的な人数に限り必要不可欠な集合を許可
・いくつかの野外公共スペースの再開
・感染しやすい人々に対する防御措置を継続
ステージ2
このステージでは、いくつかのサービス産業や特別なオフィス業務、小売事業などの事業所の再開、。いくつかの大規模な集会も許可され、より多くの屋外スペースを開放が含まれます。
・公共スペース再開
・いくつかのより大きな規模の集会を許可
・感染しやすい人々に対する防御措置を継続
ステージ3
このステージでは、すべての職場が開放可能になります。公共の場での集会の制限もさらに緩和されます。
・集合の緩和
・感染しやすい人々に対する防御措置を継続
詳細は、下記のオンタリオ州Webサイトを参照ください。
オンタリオ州「新型コロナウィルス後の経済再開(Reopening Ontario after COVID-19)」
オンタリオ州「州再開に向けたフレームワーク(A framework for reopening our province)」
経済再開に向けた業種別のガイドライン
経済再開に向けた職場ガイドラインは、60種以上の業種に渡り、既に作成されていたガイドラインをもとに追加する形で作られ、今後より多くの業種で同様の追加的ガイドラインが作成されていきます。
オンタリオ州「各職場において新型コロナウィルスを防ぐための方策(Resources to prevent COVID-19 in the workplace)」
このガイドラインのWebページには、オンタリオ州労働省・健康衛生協会により作成された建築業、食品加工業、レストラン・食品サービス業、農業、製造業、長期介護サービス業などにおけるガイドラインと職場にプリントして掲示するポスターが掲載されていますので、該当する職種をぜひチェックください。
雇用主・労働者それぞれによる基本的な衛生対策のほか、業種ごとでの物理的距離のとり方、感染発生時の対応方法、雇用主が講じるべき措置が示されていますので、今後の働き方、職場環境の作り方のガイドとしてぜひ活用してみてください。
各ステージを見ると、まだまだ安心できず先は長く感じられますが、一歩前に進んだことは間違いありません。共に支え合って皆で乗り切りましょう。