2018年の今年は、カナダと日本の修好90周年の記念すべき年。
それを祝してトロントでは、各地で様々なイベントが催されます。
その中の注目すべきイベントの一つが、和太鼓パフォーマンス『林英哲 with 英哲風雲の会 カナダツアー』(Eitetsu Hayashi Japanese Taiko Drum Concert)
国際交流基金トロント日本文化センター主催でカルガリー、バンクーバー、オタワそしてトロントのカナダ各都市で開催されます。トロントでは8月22日(水)に日系文化会館にて行われます。
目次
世界でもファンが多い和太鼓の魅力って?
体に響く音圧の迫力
photo from Japan Foundation Toronto
そもそも和太鼓とは、その形状から一般的に残響が非常に良く響き、余韻が残る音が特徴です。厚い牛皮を限界まで伸ばした頑丈な和太鼓を、太いバチで体いっぱいの打力で打ち込んで生み出されるその音は、最大5km先にも届くと言われています。
耳で聞くというより、体全体で感じる楽器ともいえる和太鼓は、他の打楽器には出せないその圧倒的な迫力が魅力のひとつです。
数千年の古い歴史
photo from Erik Araujo
和太鼓の歴史は古く、最古では縄文時代からあり情報伝達用に使われていたようです。室町時代に入り、祭りというエンターテイメントの場で使われるようになり、以降、雅楽・歌舞伎・神楽など日本の芸能の場になくてはならないものとなります。また、戦国時代には、太鼓は武将にとって、軍の統率を取るための「陣太鼓」としても使われていました。
音階がない奥深さ
photo from Japan Foundation Toronto
和太鼓はドレミといった音階がなく、バチを打ち込む力加減による強弱とリズムだけで演奏する楽器です。そのシンプルさから、太鼓の打ち手の個性や共に太鼓を叩く仲間との連動が、大きく音に反映されます。その音階がない音の奥深さが観客を引き込む和太鼓の魅力になっています。
他ジャンルとのコラボレーション
近年日本文芸の幅を超え、ロックバンドからオーケストラなどの他ジャンルの音楽と和太鼓とのコラボレーションも注目されています。
ここ最近では、CMで乃木坂46の白石麻衣さんが和太鼓奏者として出演。世界的な和太鼓集団「彩」とともに、人気バンド、東京スカパラダイスオーケストラと共演した事も話題になっています。
世界的和太鼓ソリスト・林英哲さんとは?
日本にはそうした和太鼓の魅力を発揮するプロの和太鼓集団がいくつかあり、日本全国はもとより世界中でコンサートツアーを行っています。
そんな中でも和太鼓集団ではなく、和太鼓ソリスト(独奏者)として世界的に活躍する和太鼓奏者の第一人者が林英哲さん。
photo from Julia Lebedeva / 林英哲オフィシャルサイト
林さんは、「佐渡・鬼太鼓座」「鼓童」の創設に参加し、11 年間のグループ活動の後、ニューヨーク・マンハッタンにある音楽の殿堂と呼ばれるカーネギー・ホールで、初の和太鼓ソロ演奏者としてデビューを果たしました。
これまでにはなかった大太鼓ソロ奏法や、多種多様な太鼓群を用いた独自奏法などを作りあげ、前例のない太鼓ソリストという分野を開拓し、新しい音楽としてのオリジナルな太鼓表現を築きあげています。
各国では交響楽団と共演を多数行うなど、世界中の観客を圧倒させる和太鼓界でも伝説的な存在です。
↑2012年カタール・アラブ首長国連邦 (UAE)・オマーン・バーレーンの中東4カ国5都市での林英哲さんの公演
林英哲
11 年間のグループ活動の後、1982 年ソロ活動を開始。1984年、初の和太鼓のソリストとしてカーネギー・ホールにデビュー。2000年にはドイツ・ワルトビューネでベルリン・フィルと共演、2万人を超える聴衆を圧倒させた。2016年は演奏活動45周年、17年はソロ奏者として35周年を迎えサントリーホールで記念公演を開催。創作太鼓のための委嘱作品なども多く作曲、指導。CD、DVD、ビデオ多数。97年芸術選奨文部大臣賞、01年日本伝統文化振興賞、2017年松尾芸能賞大賞を受賞。東京藝術大学客員教授、筑波大学大学院非常勤講師。
林英哲オフィシャルサイト
カナダ全国で行われる林英哲さんのツアー
photo from Japan Foundation Toronto
そして今年、カナダ・日本交友90周年を記念して、林さんがカナダ主要都市を巡るツアーを開催します。
今回は、林さんの元に集った次世代和太鼓奏者たちによるユニット「英哲風雲の会 」と共に、カルガリー、バンクーバー、オタワそしてトロント各都市において記念コンサートを行います。
風雲の会
日本各地で活躍する若手太鼓奏者の中から、林英哲の音楽に共鳴する実力者が揃う太鼓ユニット。林英哲コンサートのアンサンブルメンバーとして活動する他、独自の演奏活動も行う、いずれも次世代を担う俊英たち。
流動的に十数名で構成されていて、ソロで活動する林英哲がアンサンブルを行うとき、必要な人数が参集。今回のツアーにはメンバーの中から、はせみきた、田代誠、辻祐、ジョー・スモールが参加。2012年、国立劇場主催『日本の太鼓』公演で、林英哲監修の元、『光の群像』と題しメンバー創作曲中心でトリを務めるなど、「英哲風雲の会」単独で国内外で活動の場を広げ、その圧倒的な迫力とライブパフォーマンスは大反響を呼んでいる。
トロントでは、8月22日(水)に日系文化会館(Japanese Canadian Cultural Centre)で開催されます。ぜひ日本文化を伝えたいカナダ人のお友達連れで、圧倒的な迫力の和太鼓の魅力を体験してくださいね。
また、8月25日(土)にミシサガ市で開催されるジャパンフェスティバル(Japan Festival Canada)でも林さんの演奏が特別に行われるそうなので、そちらもぜひ足を運んでみてください。
林英哲 with 英哲風雲の会
カナダツアー詳細情報
ツアー日程
日時(時間は開演時間) | 都市 | 会場名 | 住所 |
---|---|---|---|
8月10日(金)7:30 PM | カルガリー | Studio Bell National Music Centre | 850 4 Street SE Calgary |
8月15日(水)7:30 PM | バンクーバー | Telus Theatre at Chan Centre | 6265 Crescent Road Vancouver |
8月19日(日)2:00 PM | オタワ | Canadian Museum of History | 100 Laurier Street Gatineau |
8月22日(水)7:30 PM | トロント | 日系文化会館(Japanese Canadian Cultural Centre) | 6 Garamond Court Toronto |
※この他、8月11日(土)にはカルガリー市のMax Bell Centre で開催される「Calgary Japanese Festival “Omatsuri”」、8月25日(土)にはミシサガ市のCelebration Square で開催される「Japan Festival Canada」へも特別出演します。
チケット情報
日程 | 都市 | チケット料金 | 購入先 |
---|---|---|---|
8月10日(金) | カルガリー | $20 | チケット購入ページ |
8月15日(水) | バンクーバー | 一般: $20/学生(要ID): $15.00 | チケット購入ページ:UBC大学 |
8月19日(日) | オタワ | $20 | チケット購入ページ |
8月22日(水) | トロント | 日系文化会館(JCCC)会員: $20/一般: $25 | チケット購入ページ:日系文化会館(JCCC)または電話416-441-2345 |
詳しくは国際交流基金(Japan Foundation)の下記イベント詳細ページ(英語)でご確認ください。
Eitetsu Hayashi: Japanese TAIKO Drum Concert Tour with Eitetsu FU-UN no KAI