東日本大震災でカナダに漂着したバイクの物語。持ち主だった男性の想いに感動。

  

2011年に起きた東日本大震災から既に約5年半が経ちました。

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photo from Harley-Davidson Canada

そんな中、ハーレーで有名なハーレーダビッドソン社の博物館に展示されている一台のバイクが人々の感動を改めて呼んでいます。
(博物館はアメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーにあります)

今回はそのバイクと持ち主のお話しです。

 

1. 3月11日、津波でバイクがコンテナごと流される

2011年3月11日、最大震度7という日本の観測史上最大規模の地震が発生。それに伴った津波などにより、たくさんの方が亡くなり、たくさんの大切なものも失われました。

宮城県在住の横山育夫さんも東日本大震災により被害を受けた一人。

家と3人の家族を失っただけではなく、愛車だったハーレーダビッドソンの「ナイトトレイン」も津波でコンテナごと流されて行方不明となりました。

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photo from CBC.ca

そして震災から約1年後、横山さんの元に思わぬ知らせが入ります。

それは「横山さんの愛車がコンテナごと日本から遠く離れたカナダで見つかった」というものでした。当時の写真がこちら↓

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photo from CBC.ca

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photo from CBC.ca photo by Peter Mark

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photo from CBC.ca photo by Peter Mark

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photo from CBC.ca photo by Peter Mark

見つかったのは、2012年4月18日。日本から5000キロ以上離れたカナダ西部にある「グレアム島」でした。

発見者のピーター・マークさんによると、コンテナのドアは外れており、バイクのタイヤが飛び出していたそうです。バイクは錆だらけでしたが、幸いナンバープレートは文字が読み取れる状態でした。

その後、「宮城ナンバーのオートバイが見つかった」と現地メディアが報道し、日本でも「持ち主不明の宮城ナンバーのバイクがカナダで見つかった」とニュースとなりました。

各ニュースメディア、 ハーレーダビッドソン・カナダとハーレーダビッドソン・ジャパンが呼びかけを行い、最終的には見事、横山さんのバイクであることが突き止められたのでした。これが2012年5月のことでした。

 

2.横山さんがバイク受け取りを拒否。その理由。

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photo from Harley-Davidson Canada

無事に持ち主が分かったところで、ハーレーダビッドソン社の方(↓)が横山さんに連絡を取ります。

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photo from Harley-Davidson Canada

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photo from Harley-Davidson Canada

「あなたのナイトトレインを発見しました。修理して送りします。」(意訳)

しかし、この嬉しい申し出に対し、横山さんの答えは

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photo from Harley-Davidson Canada

「私の友人たちも同じような(家や家族などを大切なものを失った)状況にあるので、私だけそのような申し出を受け取ることはできません。」(意訳)

そして、横山さんはハーレーダビッドソンの担当者にこう伝えます。

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photo from Harley-Davidson Canada

「ミルウォーキーにあるハーレーダビッドソンの博物館で、津波の犠牲者のために、このバイクを捧げていただけませんか?」(意訳)

その後、横山さんの願いは叶い、博物館に横山さんのナイトトレインが展示されることになりました。2012年10月のことになります。
 

3.物語が動画化され改めて感動を呼ぶことに

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photo from Harley-Davidson Canada

それから約3年半が経ち、2016年の4月末Harley-Davidson Canada のFacebookページにこの物語についての動画がアップされました。すると

「Great Story!(すごい物語だな!)」
「This is quite a heart warming story.(心が温まるストーリーだね)」

などのコメントが多数寄せられ、2016年9月10日現在で動画のシェア数は約3.2万にのぼり、既に160万回再生されるという驚異の結果となりました。

ちなみにハーレーは現在でも博物館に保管されているにも関わらず、海塩による腐食が続いており、そのカタチを少しずつ変えているそうです。

 

失くしたもの、人とのつながり

2013年には津波によって流された漁船「双松丸」がブリティッシュコロンビア州の海岸で見つかったこともありました。

お近くのアラスカでは、漂着したサッカーボールを現地の夫婦が発見。岩手県で被災した持ち主である高校生に返すために夫婦が日本を訪れた、というニュースもありました。

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(姉妹サイト LifeVancouver に2015年に掲載された記事)

震災によってカナダに流れ着いたものは「Debris」「Canada」「Tsunami」などのキーワードで見つけることができるので、興味のある方は一度検索してみてください。

東日本大震災によって失ったもの、人とのつながり、温かさなどを考えてしまうこの物語。皆さんは、横山さんの想いをどう受け取りましたか?

 

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