日本からご両親や友人が訪れるこれからの季節。
特に女子友同士で旅するのにオススメなのがカナダ文学の名作「赤毛のアン」の作者モンゴメリを訪ねる旅。
カナダ東部には、モンゴメリの人生を辿る事ができる、リースクデール村とプリンスエドワード島という場所があります。
今回、H.I.S.トロント支店さんにご協力で、この2つのスポットの魅力をご紹介します。
目次
心に響く数々の名言でいま再注目
カナダ文学の名作「赤毛のアン」
photo from Tourism PEI via Instagram
「赤毛のアン」はルーシー・モード・モンゴメリが1908年に発表した長編小説で、世界中で5000万部以上売れたカナダ文学の代表作と言われています。
赤毛のアンの作者L.M.モンゴメリ
(1874-1942)
photo from Library and Archives Canada
プリンス・エドワード島で生まれ育ったモンゴメリは、この地を舞台として、一人の赤毛の少女アンの物語を書きました。
作品は初版からすでに100年以上経っていますが、今なお読まれている名作中の名作です。
空想好きな少女アンが失敗しながらも成長していく物語の中には、アンを通してモンゴメリが残した数々の名言がちりばめられており、現代の人々の心に多くの感動を与えています。
中でも日本での人気は特に高く、第2次世界大戦前にカナダ人宣教師の依頼で村岡花子氏が初めて日本語に翻訳したことでこの作品が知られるようになりました。
またジブリの監督としても著名な高畑勲監督によって1979年にアニメーション映像としてTVシリーズでも更に有名になりました。
↑アニメーションTVシリーズの「赤毛のアン」第一話(日本アニメーション)
「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子の半生を描いた2014年放送の朝のNHK連続テレビ小説「花子とアン」でも、この作品の存在は脚光を浴び、さらに2017年には映画やTVドラマが立て続けに公開されたことでいま再び注目されています。
↑2017年5月に公開された映画「赤毛のアン」
牧師の妻・母・作家として生きた場所
リースクデール村
『これから発見することがたくさんあるって、すてきだと思わない?あたししみじみ生きているのがうれしいわ。世界って、とてもおもしろいところですもの』
アンの言葉/村岡花子訳「赤毛のアン」第2章
「赤毛のアン」の舞台プリンス・エドワード島に生まれ育ったモンゴメリは、結婚後の半生をオンタリオ州で過ごしました。その最初の15年を家族で暮らした土地が、トロントから車で約1時間半の場所にあるリースクデール村です。
リースクデール村には、映画でみるような北米らしい広大な農場や牧場の美しい田園風景が広がり、カナダらしいのどかさを感じることができます。
↑リースクデール村の入り口。周辺は広大な牧場が広がる美しい風景。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
ここには、牧師だった夫とモンゴメリ自身も働いていた教会と、息子たちと家族で共に暮らしたリースクデール牧師館があり、モンゴメリはこの場所で11もの作品を執筆しました。
↑夫ユーアン・マクドナルドとモンゴメリが働いた教会。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
↑教会内には、モンゴメリが書いた手紙やカードなど数々の展示も。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
モンゴメリが家族と暮らした牧師館は教会の斜め前にあり、現在、国と州の史跡としてモンゴメリ記念館として一般公開されています。
↑新婚で初めて自分の家として過ごした牧師館は「アンの夢の家」を思わせるモンゴメリの好みの家具や調度品が。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
この建物はモンゴメリ自身が趣味として撮影していた写真や日誌をもとに、外装も内装も整えられており、彼女が実際に生活していた当時の様子を感じる事ができます。
↑2階のベッドルーム。ベッドの足元のチェストは、モンゴメリのお孫さんが寄贈したもの。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
↑モンゴメリが11もの作品を書いたパーラー(応接間)。執筆中に入って来ないようにしていた小さな子供たちがドアの隙間から投げキッスを送ったという可愛いエピソードも。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
そしてこの牧師館の裏には、2015年に設置されたばかりのモンゴメリの銅像があります。
↑読みかけの本を膝において、夢想するように遠くを見るモンゴメリの像(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
家事や子育てだけでなく、教会で献身的に働きながらも、情熱を注ぎ多くの作品を残した土地リースクデール。
女性が職業を持つことが珍しかった当時、カナダで初めて成功した女性作家、モンゴメリの当時の生活は、ここを訪れる多くの人にたくさんのインスピレーションを与えています。
↑書斎には当時のタイプライターも。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
このリースクデールは、トロントから車でしか行けないため、H.I.S.トロント支店さんでは、モンゴメリー研究家の梶原由佳さんの案内とともにバスで訪れることができます。
しかも、梶原さんの案内で特別に、リリアン H. スミス図書館にも訪れ「赤毛のアン」初版本やモンゴメリのサイン本など貴重な所蔵品が見ることができますよ。
↑「赤毛のアン」初版本やモンゴメリのサイン本や、モンゴメリがファンに宛てた直筆の手紙などが所蔵されるリリアン H. スミス図書館(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
草原の緑、海の青、赤い土「世界で一番美しい島」
プリンスエドワード島
『プリンス・エドワード島は世界じゅうでいちばんきれいなところだって、いつも聞いていましたから、自分がそこに住んでいるところをよく想像していましたけれど、まさかほんとうにそうなるなんて夢にも思わなかったわ。想像していたことがほんとうになるって、うれしいことじゃない?』
アンの言葉/村岡花子訳「赤毛のアン」第2章
カナダ東部にいるならぜひ訪れたいのがトロントから飛行機で2時間のプリンスエドワード島。セントローレンス湾に浮かぶ小さな島で、作者モンゴメリが生まれ育ち、まさに「赤毛のアン」の舞台となった場所です。
アンが物語の中で「世界で一番美しい島」と称したプリンスエドワード島は、カナダの州のひとつで、世界中から年間140万人以上もの観光客が訪れます。
「赤毛のアン」の物語に登場するスポットがたくさんある他、モンゴメリが愛した島独特の風景や、島で採れる新鮮で豊かな食材などが味わえる、カナダでも人気のエリアです。
「赤毛のアン」に登場するスポット
グリーン・ゲイブルズ・ハウス(赤毛のアンの家)
photo from Tourism PEI
物語の原題「Anne of Green Gables」にもなっているのが、アンが住んでいた家グリーン・ゲイブルズ・ハウス。作者モンゴメリは、よく遊びに行っていた従兄弟の家だった「緑の切妻屋根のある家」をアンが住む家のモデルとしました。現在、このモンゴメリの従兄弟の家は、アンや養母マリラの部屋などが再現されており、物語の時代そのままの姿を楽しむことができます。
恋人の小径・お化けの森
photo from Tourism PEI
グリーンゲイブルスの裏手には、アンが親友のダイアナと学校へ行く時に通っていた道があります。想像力豊かなアンは白樺に囲まれたこの美しい道を「恋人の小径」と名付けました。またダイアナの家に続く森「お化けの森」もあり、散策して歩くには気持ちのいい場所です。
輝く湖水
アンが孤児院からマシュウの家に向かう際に見た陽の光をうけてキラキラ輝く湖。その風景はプリンスエドワード島のいたるところで見ることができます。アンの物語の時代のままに残る自然の美しさは、この島の大きな魅力のひとつです。
モンゴメリゆかりの場所
グリーンゲイブルズ博物館 (銀の森屋敷)
↑博物館の周辺ではアンが感動した「輝く湖水」も見ることができ、馬車で散策することもできます。(Photo by H.I.S.トロント支店スタッフ)
「銀の森屋敷(シルバーブッシュ)」と呼ばれるこの博物館は、もともとはモンゴメリの親類の家でした。現在はモンゴメリが生活していた当時の家具や個人の所有品などが展示されています。また、彼女が実際に結婚式をした広間では、一般の人も同じように結婚式をすることもできます。
モンゴメリの生家
photo from Tourism PEI
島にはモンゴメリが生まれた家も博物館として公開されています。1874年11月30日にモンゴメリはこの家で生まれ、母親を亡くし祖父母に引き取られるわずかな間をこの家で育てられました。
島独特の美しい風景
草原の緑と海と空の青、そしてこの島独特な赤土のコントラストが美しく、写真家たちの憧れの地となっているプリンスエドワード島。
心が洗われるようなこの島独特の風景も、プリンスエドワード島に多くの人が訪れる理由です。
特にこの島を特徴づける灯台や赤土の海岸線は、ぜひ見ておきたい絶景。海沿いをドライブしたり、馬で巡るツアーも人気なので、そうしたアクティビティに参加するのもおすすめです。
photo from H.I.S.カナダ特集「赤毛のアン」
島名物のシーフード・ロブスター
せっかくこの島に訪れたならぜひ楽しみたいのが、海に囲まれた島らしい豊かなシーフード。特にロブスターは、プリンスエドワード島の名物のひとつです。
photo from Tourism PEI via Facebook
現地では実際にロブスター漁体験もできるので、捕れたての新鮮ぷりぷりのロブスターを食べることもできます。
ロブスターだけでなく、牡蠣やムール貝などの料理とともに、この島のクラフトビールやワインのほか、島の農場でとれた豊かな食材が楽しめるもこの島の魅力です。
H.I.S.さんおすすめ!
島で立ち寄りたいショップやレストラン
Water Prince Corner Shop
プリンスエドワード島近海で取れたシーフードが手頃な料金で楽しめるレストラン。
中でもおすすめなのは「シーフード・チャウダー」。たっぷりのシーフードだけでなくプリンスエドワード島の名産PEIポテトも入っているクリーミーで濃厚なスープは大人気。
Griffon Dining Room
photo from Dundee Arms Inn via Facebook
プリンスエドワード島で人気のB&B「ダンディーア-ムズイン」にある英国スタイルのレストラン。アンの物語に出てきそうな当時のメニューを再現したカントリー・ディナー※が楽しめます。
※カントリー・ディナーはオプショナルツアーでのご提供のみとなります。
Cows Ice Cream
カナダ全土に10店舗以上ある、プリンスエドワード島生まれのアイスクリーム屋さんのCows Ice Cream。島内には7店舗ほどありますが、牛の絵がかわいいブランドのTシャツが売られていたり、チーズやバターがも買えるところもあるので、お土産探しにもおすすめです。
H.I.S.トロント支店へお問い合わせ
今回情報を教えていただいたH.I.S.さんでは、リースクデールへの旅だけでなく、ナイアガラなどの他のトロント近郊のスポットを巡るツアーや、プリンスエドワード島でのいろんなアクティビティを用意しています。
トロントに訪れてくれるご両親や友人と、心に残る旅の思い出が作れるツアーがたくさんありますので、ぜひ一度H.I.S.トロント支店にお問い合わせしてみてくださいね。
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初公開日;2018年3月13日