カナダ・オンタリオ州、医学部への留学生の入学を2026年秋から事実上禁止へ

  

オンタリオ州に暮らす皆さんの中には、ファミリードクターを探している方も多いのではないでしょうか? Ontario College of Family Physiciansによると、オンタリオ州民の250万人にファミリードクターがいない状況で、この数字は2020年の180万人から増加しているとのことです。

そこで、カナダ・オンタリオ州政府はローカルのファミリードクターを増やすために、州内でファミリードクターとして働くことを約束する1,360人の学生の授業料を負担する「Learn and Stay」という助成金プログラムの拡大を発表しました。

2026年から政府は3年間で推定8,800万ドルを投資し、オンタリオ州内でファミリードクターとして一定期間勤務する代わりに、授業料や書籍、備品、機器などのその他の教育費をすべてカバーします。

また、州政府は今後の法案を通じて、医学部の定員の少なくとも95%をオンタリオ州住民に、残りをカナダの他の地域からの学生のために確保することを目指しています。

言い換えると、100%カナダ人でそのうち95%がオンタリオ州民になるということで、2026年秋から留学生の医学部への入学を事実上禁止することになります。
(関係者は、席が埋まらないという極めてあり得ないシナリオでも医学部は留学生を受け入れることができるため、予定されている変更はカナダ国外からの学生の全面禁止ではないと強調しています)

ダグ・フォード州首相は記者会見で、「世界中から来た18%の留学生が私たち(カナダ人ならびにオンタリオ州民)の子どもたちの席を奪い、カナダに留まることなく母国に帰ってしまった。これはまったく正しくない。」と述べました。シルビア・ジョーンズ保健相もこのコメントに同調し、オンタリオ州の学生が「最優先」であると語りました。

州のデータによると、2023~24年度のオンタリオ州医学部には3,833人の学生のうち10人の留学生がいたとのことです。

また、ダグ・フォード州首相は「私はこれを1、2年遡って実施しようとしている。なぜなら、皆さんの中には医学部で借金を抱えている人もいるはずだからだ。」と述べ、これからの医学生はもちろんのこと、現役の医学生たちも(全てかどうかは不明)支援することを約束しました。

州政府はこのプログラムによって、136万人以上のオンタリオ州民がプライマリケアを受けられるようになることを予測していますが、医学部生が卒業して本格的に働き始めるまでに時間がかかるので、長い目で見る必要がありそうです。

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