Hondaがカナダ・オンタリオ州にEV新工場建設。過去最大規模1.7兆円投資

  

4月25日(木)、日本の自動車メーカーHondaが北米での将来的な電気自動車(EV)需要の増加に向けて、オンタリオ州でカナダ初となるEVの包括的バリューチェーン構築の検討を開始したことを発表。EV工場と電池工場を新設する予定です。

ジャスティン・トルドー首相とダグ・フォード・オンタリオ州首相は、Hondaの約150億ドル(約1兆7千億円)の投資を歓迎しました。

約150億ドル(約1兆7千億円)はHondaとして過去最大規模の投資額。また、ジャスティン・トルドー首相によると、これはカナダ史上でも最大の自動車投資額で、カナダの天然資源の供給がこの投資の実現に貢献したとのことです。(合弁パートナー企業からの出資額や、カナダ連邦政府とオンタリオ州からの補助金などもあります)

この大規模プロジェクトでは、オンタリオ州に4軒の新しいホンダの製造工場が建設される予定です。

  • EV工場
  • 電池工場
  • 正極材の生産工場(POSCO Future M Co., Ltd.との合弁)
  • セパレーターの生産工場(旭化成株式会社との合弁)

※正極材はバッテリーの主要材料の一つ

まず、オンタリオ州Allistonにあるホンダの施設内に、世界クラスのEV工場と電池工場を建設予定です。2028年に完全に稼働すると、新しいEV工場は年間最大 240,000 台の車両を生産できる見込みで、電池工場は年間最大生産能力は36GWh規模が想定されています。

また、サプライチェーンを完成させるため、ホンダは車載バッテリー用正極材はPOSCO Future M Co., Ltd. と、セパレーターは旭化成株式会社との合弁パートナーシップを通じて、生産工場の立ち上げを検討する予定とのことです。(どちらも場所は言及されていません)

オンタリオ州政府によると、AllistonのEV工場と電池工場へのホンダの投資は、オンタリオ州に1,000を超える高収入の製造業の雇用を創出します。

Honda of Canada Manufacturing の従業員は現在4,200人とのことなので、現在の工場に隣接して建設予定のEV工場と電池工場が稼働すれば、5,000人を超える従業員となります。

さらに、建設が検討されているセパレーターと正極材の生産工場でも、直接&間接的にオンタリオ州でさらに数千の雇用創出に貢献することが見込まれています。

ジャスティン・トルドー首相は今回の発表に対し、「カナダの製造業にとって大きな変革をもたらすものです。Hondaの投資は、カナダの自動車労働者、そして我が国の製造業に対する信頼といえます。私たちは力を合わせて、高賃金の雇用を創出し、経済を成長させ、空気をきれいにし、維持していきます。」と語っています。

また、Hondaの 三部 敏宏社長は以下のように声明を発表しています。


「Honda of Canada Manufacturingは、世界的にも優れた四輪車生産工場の一つとして、40年近くにわたり、進化へのあくなき挑戦を続けてきました。今回の投資は、カナダの自動車産業において歴史的な取り組みです。これは、Honda of Canada Manufacturingの卓越した生産技術や、優れたスキルを持つ従業員への高い評価であるとともに、カナダにおけるEV生産のエコシステムが、長期的に見てHondaにとって非常に魅力的であることを示しています」

引用:Hondaニュースリリース

ホンダの投資により、オンタリオ州は電気自動車製造の世界リーダーとしての地位が強化されることになります。オンタリオ州政府のニュースリリースによると、2030年の世界のEV販売は 2023年の3倍以上になると予測されており、カナダは EV生産の主要国として有利な立場にあるとのことです。

ホンダの投資内容は約半年間精査され今年の秋には最終決定、追加の詳細が発表される予定です。

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