エミー賞席巻のカナダ産コメディ・ドラマ『シッツ・クリーク』の見どころと5つの裏話

  

2020年9月20日(日)、第72回エミー賞が新型コロナウィルスの影響により初のオンライン開催となり、カナダ発のコメディ・ドラマ『シッツ・クリーク(Schitt’s creek)』がプライムタイム・エミー賞のコメディ部門の各賞を総なめしました!

そこで今回は、カナダやアメリカだけでなく、日本、そして世界中で話題沸騰の本ドラマのあらすじや見どころ、裏話などをご紹介します。

まだ見てない方は、ぜひ視聴ときの参考にしてみてください。

コメディ部門のすべての賞を獲得


第72回のエミー賞・コメディ部門で、ファイナルシリーズを終えたばかりのカナダ発のテレビドラマ『シッツ・クリーク(Schitt’s creek)』が、なんとコメディ部門すべての賞を受賞しました!!

『マーベラス・ミセス・メイゼル(The Marvelous Mrs. Maisel)』(Amazon)などの人気作を抑えて作品賞を獲得したほか、以下5つの賞すべてが『シッツ・クリーク』という驚きの事態に…。

■コメディ部門
作品賞:『シッツ・クリーク』

主演男優賞:ユージン・レヴィ『シッツ・クリーク』

主演女優賞:キャサリン・オハラ『シッツ・クリーク』

助演男優賞:ダニエル・レヴィ『シッツ・クリーク』

助演女優賞:アニー・マーフィ『シッツ・クリーク』

今回は史上初のオンライン開催となった授賞式ですが、米人気司会者のジミー・キンメル司会のビデオ中継にて、出演者の喜ぶ姿が世界中に届けられました。

最も代表的な”プライムタイム・エミー賞”を受賞

今回『シッツ・クリーク』が受賞したエミー賞(Emmy Award)とは、アメリカ合衆国で放送される素晴らしい功績を収めたテレビドラマなどに与えられる賞です。

音楽界のグラミー賞や映画界のアカデミー賞とも並ぶほど権威ある賞で、その授賞式は世界中から大変な注目を集めます。

なお、エミー賞自体も複数のジャンルで分けられており、日中に放送するテレビドラマなどが対象の「デイタイム・エミー賞」やスポーツ番組に特化した「スポーツ・エミー賞」などがあります。

そして、『シッツ・クリーク(Schitt’s creek)』が賞を総なめしたのが「プライムタイム・エミー賞」!

これは、アメリカ国内で非常に視聴率の高い”夜間”のテレビドラマやバラエティ番組を対象とするもので、エミー賞といえば一般的にこのプライムタイム・エミー賞を指すことが多いようです。

『シッツ・クリーク』のあらすじと登場人物


2015年から放送が開始され、2020年にファイナルとなるシーズン6で終わりを迎えた『シッツ・クリーク』。

ここからは、そのあらすじやキャストについてご紹介します。

〜あらすじ〜
敏腕経営者の父と、元女優の母、画廊のオーナーの息子と美人の娘。絵に描いたような裕福で幸福そうなローズ一家は、突如として破産。

そこで暮らすことになったのが、以前に”冗談で購入”した「シッツ・クリーク」という小さな田舎町。

どこか田舎の風景に溶け込みきれない、極貧の元セレブ一家によるハートフルなドタバタコメディ。

『シッツ・クリーク』は、転落したセレブ一家を描くシンプルなコメディながら、家族の再生と絆、愛情、また人種やLGBTQ+といった北米社会の多様性にも触れた懐の広い作品です。

登場人物紹介

『シッツ・クリーク』のメインキャラクターは、ローズ家の4人。

全6シリーズある作品ですがシンプルなストーリーなので、この家族構成とあらすじさえ分かれば、途中から見ても理解できる作りになっています。

■ジョニー・ローズ(Johnny Rose)/ユージン・レヴィ(Eugene Levy)

photo from Schitt’s Creek – CBC.ca

北米第2位のレンタルビデオチェーン店の元CEO。一家の破産でシッツ・クリークへ移り住むものの、すぐにでもこの小さな町を他の富豪に売払い町から脱出することを目標にしている。

■モイラ・ローズ(Moira Rose)/キャサリン・オハラ(Catherine O’Hara)

photo from Schitt’s Creek – CBC.ca

ジョニーの妻で昼メロドラマの元人気女優のモイラは、銀幕への復帰を期待しながら、小さな町でハイ・ファッションとウィッグに身を包み暮らしています。元女優の職業病なのか、都合が悪いと簡単に嘘をつくことも…。 

■デイヴィッド・ローズ(David Rose)/ダニエル・レヴィ(Daniel Levy)

photo from Schitt’s Creek – CBC.ca

パンセクシャルであることを公言し、自称「一家の厄介者」として過ごしてきた一家の長男。小さな町での暮らしにフラストレーションを抱えながらも、自身のビジネスや恋愛が順調になるにつれ、シッツ・クリークが自分にとって大切な場所であると感じ始める。

■アレクシス・ローズ(Alexis Rose)/アニー・マーフィー(Annie Murphy)

photo from Schitt’s Creek – CBC.ca

ジョニーとモイラに甘やかされ、誰もが憧れる社交界が自分の生きる場所として育ったアレクシス。その美貌により田舎町でもロマンスを楽しむ一方、これまでの自分の生き方とは違う、なにか情熱を注げるモノを探している。

ここに注目!『シッツ・クリーク』の見どころ

『シッツ・クリーク』の魅力は、一話完結形で、大人向けのシニカルな笑いを通して家族の愛をそこはかとなく感じられる点です。

本作は、人気テレビドラマ『フレンズ(FRIENDS)』などでも有名な「シチュエーション・コメディ(略称:シットコム)」と呼ばれるスタイルのコメディで、登場人物や場面設定が固定され、ほぼ一話完結で連続放映されます。

一話が20分程度なので気軽に見られる点と、カナダで撮影され、カナダ郊外での暮らしがリアルに描かれている点にも注目です。

そのため、アメリカ発のコメディによくあるセレブリティ達の華やかな世界観はありません。

あくまで田舎町に突如現れた元セレブ一家の違和感と、その違和感がめくれて見える人間らしさや家族の絆、地域コミュニティに流れるゆったりした時間が作品の根底にあります。

そういった点が今回の受賞に大きく影響したのかもしれません。

日本の視聴者からも「最終話で号泣した!」という声が多く、カナダ国内外のファンにも非常に愛される作品のようです。

『シッツ・クリーク』にまつわる5つの裏話


【ネタバレ注意】
ここから先は、一部本編の内容にふれる記載があります。

本編を先にご覧になりたい場合は、この章を飛ばして読むことをおすすめします。

①カーダシアン一家がきっかけ?

ローズ家の長男役で出演するダニエル・レヴィは、本作のエクゼクティブ・ディレクターでもあり、彼は物語の構想を練っていた当時、『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』などの人気リアリティーショーを観てインスパイアされたと、2015年に雑誌『Out』にて語っています。


彼によると「もし裕福な家庭が全てを失ったらどうなるのかが気になっていた。お金を失ってもカーダシアン家はカーダシアン家でいられるのだろうか? と」。

確かに、ローズ一家もかなりのお騒がせ家族。カーダシアン一家が発想の原点なのもうなずけますね。

②親子共演が実現

一家の大黒柱、ジョニーを演じるのは、カナダ・オンタリオ州ハミルトン出身の俳優ユージン・レヴィ。

気づいた方も多いでしょうが、彼は息子役のダニエル・レヴィの実の父親です。本当にそっくりですよね。

また、意外なのが本作でCafé Tropicalのサーバー、トワイラ・サンズ役で登場するサラ・レヴィ(Sarah Levy)も実の娘!

photo from Schitt’s Creek – CBC.ca

『シッツ・クリーク』は親子共演が叶った、記念すべき作品でもあります。

③多様性を包括した作風

本作において、長男のデイヴィッドはパンセクシュアルとして描かれています。

パンセクシュアルとは、恋愛対象を男女といった性別でくくらず、相手のセクシュアリティに関係なく恋愛ができる性的志向のことです。

こうした性的マイノリティーである登場人物を巧みに描き、本作はアメリカ国内においてLGBTQ+の人々のイメージに関するメディアモニタリングを行う非政府組織「GLAAD(グラード)」によるドラマ賞(コメディ・シリーズ)も今年受賞しました。

なおトロント出身の、デイヴィッド役のダニエル・レヴィ本人もゲイであることをカミングアウトしたうえで家族と共演しています。

④モイラのファッションとあの作品をIGでチェック

この一家全体が田舎町に溶け込まない大きな理由の一つは、彼らのファッションです。

特に元女優であり母親であるモイラは、ハイブランドの洋服とウィッグという独自のスタイルで小さな町を闊歩します。

落ちぶれた元富豪でも身なりは貧しくない。この違和感がずっと作中に続き不思議な笑いを生み出します。

本作のインスタグラムの公式アカウントには素敵な衣装に身を包んだモイラの写真が数多くアップされているので、ファンであればフォローは必須!

『ホーム・アローン』シリーズの母親役で有名なキャサリン・オハラですが、難しい衣装をサラリと着こなしてしまう姿には脱帽です。

さらに、モイラが作中で出演する予定の”あの映画作品”の予告も、なんとインスタグラムにアップされています!

こういったファンサービスが人気の秘訣かもしれませんね。

⑤シッツ・クリークは実在するのか!?

カナダ、オンタリオ州トロントを中心に撮影された『シッツ・クリーク』。

作中のモーテルやカフェなどは実在するのか、気になりますよね?

実は、CBCの記事によると、モーテルはホックレーバレー地域(Hockley Valley region)の、アックスブリッジ・ウェスト(west of Uxbridge)の高速道路沿いにあり、ちょっとした観光スポットになっているそうです。

ただし、内観の多くは別のスタジオで撮影されているとのことです。

なお、自らを「シッツ・ヘッズ」と呼ぶファンの間では、グッドウッド(GoodWood)という町こそが重要なポイントだと言われています。

なんと、この地域にはドラマで観た雑貨店「ローズ・アポテカリ(Rose Apothecary)」や食堂「カフェ・トロピカル(Cafe Tropical)」 といった建物が存在しています(看板などは異なり、営業もしていない)。

※以下のマップマップ内でぐるっと周りを見渡すと…、おや??

また、公式サイトでは、グッズ販売も行われているので、ファンならずとも一度はチェックしたいですね。

世界が注目するカナダコメディーを自宅から

『シッツ・クリーク』の人気により、トロント周辺には聖地とも言えるファン注目のスポットが生まれました。

しかし、シリーズのテレビ放送はすでに終わっているし、コロナウィルスの影響もあり実際に出かけるにもハードルが高く、どこから始めれば…。

そこでおすすめなのが、NetflixとPrime Videoです。

どちらも、2020年9月現在、シーズン5までを観賞でき、すでに2周めに突入しているツワモノも…。

一方、今回の受賞でカナダ在住の人もオンタイムではなく動画配信サービスで視聴を始めた人も多々。

今から見始めても、ファンとの会話が弾むこと間違いなし!

本作はカナダで生まれたため、例えばカナダ留学やワーキングホリデーを考えている方にとっては、カナダの文化や英語を学ぶにも最適な教材となるでしょう。

まだご覧になっていない方は、ご自宅から楽しんでみては?

【Netflix】
【Prime Video】

※上記はカナダ国内からアクセス可能なURLです。
※日本国内からもNetflixからは同シリーズの視聴可。

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