トロントのエグリントン・アベニュー沿いは、長い間工事が続いていますよね。
「何のために工事をしているの?」と疑問に思っている人も多いかと思います。
あれ、実はエグリントン・クロスタウンという、トロントの新しい路線の建設をしているんですよ。
新しい路線ができることで、職場や学校へのアクセスはもちろん、目的地までのアクセスがぐっと便利になるんです!
今回は、そんなエグリントン・クロスタウンについてを徹底解説していきましょう。
エグリントン・クロスタウンとは?
トロント市は、エグリントン・クロスタウン・ライト・レール・トランジット・プロジェクトという名のもとで「ライン5・エグリントン(トロント市地下鉄5号線)」を建設中です。
計画と運営を手がけているのは、オンタリオ州公社のメトロリンクスです。
プロジェクト名が長いので、トロントの人たちは「エグリントン・クロスタウン」もしくは「クロスタウン」と呼んでいます。
新たに建設中のマウント・デニース駅から、ケネディ駅までの合計25駅をつなぐ計画で、合計19キロメートルにわたる路線が完成する予定です。
image from Metrolinx
トロントの西から東をつなぐエグリントン・クロスタウンは、以下の既存の地下鉄との乗り換え地点が含まれます。
・3つの地下鉄駅(ケネディ、エグリントン、セダーベール)
・3つのGOトレイン駅(マウント・デニース、カレドニア、ケネディ)
加えて54のバスルートともつながります。
キール・ストリートからレアード・ドライブ間のラインは地下に作られ、レアード・ドライブからケネディ駅間は地上に作られます。
さらに、エグリントン・クロスタウンの大きな特徴は、ライト・レール・トランジットという、次世代型の交通システムを採用しているところです!
ライト・レール・トランジットってなに?
ライト・レール・トランジットは、英語表記の「Light Rail Transit」の頭文字を取って、LRTと呼ばれています。
従来の車両よりも、より軽量化を図った次世代型のものを指しています。
振動や騒音が少なく、建設のコストも通常の地下鉄よりもおさえられるのが特徴です。
何よりも、従来のストリートカー、バス、地下鉄と比較して、目的地までの移動速度が60%もアップするんです!
↑公開されたクロスタウン路線を走行予定のLRTの車両
エグリントン・クロスタウンが計画された理由
同計画のはじまりは、2007年にさかのぼります。
当時のトロント市長デイヴィッド・ミラー氏と、TTCの責任者アダム・ギアンブローン氏が考案した「トランジット・シティ」計画の一部として、エグリントン・クロスタウン計画が立ち上がりました。
トランジット・シティ計画では、当初7つのLRTラインの建設を発表していました。
発表以降、計画の改定やキャンセルを実施しながらも、最終的に実現へと進んでいる計画の中の1つが、エグリントン・クロスタウンなんです。
ほかにも、ハンバー・カレッジからフィンチ・ウェストまでの11キロをつなぐフィンチ・ウェスト・LRT計画も進められていますよ。
いつ完成するの?費用はどれくらいかかっている?
完成予定は2021年です。今から2年後なので、本当にもうすぐですね!
ちなみに、エグリントン・クロスタウンの建設にかかっている費用は、84億ドル(日本円で6,700億円)です。
建設のために1000人以上もの雇用が生まれており、経済効果の促進と継続も期待できます。
トロントに住む人たちが街を移動する際の流れも変わり、新たにできる駅の周辺もホットなスポットとして注目浴びることは間違いありません。
パブリックアートの設置にも注目!
エグリントン・クロスタウンは新たにできる各駅構内における、パブリックアートの設置にも力を入れています。
2015年にメトロリンクスが総合アートを募ると、187名のアーティストからの応募がありました。
2016年にカナダ人アーティストを中心に14名を採用し、主要の駅に設置するパブリックアートの制作が進められています。
エグリントン・クロスタウン完成まであと2年!
2007年の最初の計画から、着実に完成へ向けて進められているエグリントン・クロスタウン。
このまま順調に進めば、2021年にいよいよ開通することとなります。
2年後にエグリントン・アベニュー周辺はますます活気あふれる場所になるでしょう。
通勤や通学に便利なエリアになることは間違いないので、今から引っ越し先として検討してみてもいいかもしれませんね!
2019年5月25日・26日に開催されるドア・オープン・トロントでは、この新しいクロスタウンを走行するLRTの新車両の車庫が初公開されるので、ぜひそちらもチェックを。↓