カナダ総選挙で与党勝利、ジャスティントルドー首相の続投が確定

  

先日10月21日(月)にカナダ連邦下院議会選挙の投開票が行われました。

結果として与党である自由党が定数338席中の157議席を獲得する見通しです。カナダの現首相でもあるジャスティン・トルドー氏の続投となることが確実となりました。

ただ、そんなジャスティントルドーが首相が率いる自由党(Liberal Party of Canada)ですが、今回の選挙で定数338席ある議席において過半数とされる170席には14議席及ばなかったため、少数与党政権となることに焦点が集まっています。

これはつまり、過半数を保有しない自由党が今後なにらか法案を提出したとき、自陣である自由党保有の議席数だけでは可決につながる過半数以上の賛成票が期待できないということ。

法案や政策が従来通りスムーズに可決に至らないだけではなく、野党からの信任案否決等で攻められた際は、首相の辞任や再選挙の可能性もあるので、政治的には安定しているとは言えないのが現状です。

これからは連立政権の樹立に向けて、今後他党との協議が必要とされることが予想されており、今回の総選挙は与党自由党にとって不安の残る結果となりました。


(「私たちのことを信頼して投票してくださった皆さん、ありがとう。」と語るジャスティントルドー首相)

 

最後に、カナダの政治についておさらい

ここからは、「今回の総選挙を見ていたけど、カナダの政治について実はあんまりよく分かっていない・・・」という方に、カナダの政治について簡単ではありますが、少しだけ解説します。

カナダは10の州と3の準州を持つ連邦立憲君主制国家です。
オーストラリアやニュージーランドと同様に英連邦王国のひとつであり、君主はエリザベス2世です。そして、君主の代理をカナダ総督が務めています。

首長は総選挙により選出され、今回の選挙で続投が決まったジャスティン・トルドー氏(自由党)が2015年から現在まで務めています。

また、カナダは日本と違い、各州に大幅な自治権が委託されています。そのため、それぞれの州に首相・内閣及び議会があります。都道府県ごとに「内閣」があるような感じでしょうか。

日本と同様に議会は二院制を採用していますが、元老院(上院)には選挙がありません。議員は首相の助言により、総督が君主の名で任命します。

選挙形態:議会選挙
議員定数:338名
選挙権:18歳以上のカナダ国民
被選挙権:18歳以上のカナダ国民
選挙制度:完全小選挙区制

また、主な政党は中道左派・リベラリズムのカナダ自由党中道右派・保守主義のカナダ保守党中道左派・社会民主主義政党の新民主党などがあります。

カナダの主な政党と党首名
・カナダ自由党(LIB):Justin Trudeau
・カナダ保守党(CPC):Andrew Scheer
・ブロック・ケベコワ(BQ):Yves-François Blanchet
・新民主党(NDP):Jagmeet Singh
・カナダ緑の党(GRN) Elizabeth May
・カナダ人民党(PPC) Maxime Bernier

そして、上記政党の選挙前の議席配分と今回の結果は以下のように予測されています。

・カナダ自由党(LIB):177 議席 → 157 議席(-20)
・カナダ保守党(CPC):95 議席 → 121 議席(+26)
・ブロック・ケベコワ(BQ) 10 議席 → 32 議席(+22)
・新民主党(NDP):39 議席 → 24 議席(-15)
・カナダ緑の党(GRN) 2 議席 → 3 議席(+1)
・カナダ人民党(PPC) 1 議席 → 0 議席(-1)


photo from newsinteractives.cbc.ca

ご覧の通り、カナダ保守党とブロック・ケベコワが前回より多く議席を獲得しているのが分かります。逆に自由党が20議席を失っているのが分かりますよね。

ということで、今回の結果が今後の政治にどう影響してくるのか注目です。
カナダの発展に期待しましょう。


photo from Liberal Party of Canada | Parti libéral du Canada

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