カナダ・オンタリオ州政府は2026年10月23日、州が発行する身分証明書のデジタル化を段階的に進める計画を発表しました。
将来的には、運転免許証(Driver’s Licence)やヘルスカード(Health Card)をスマートフォンなどのモバイル端末で利用できるようになる見込みです。
一方、デジタル版の利用はあくまで任意とされ、従来の物理カードを引き続き取得・使用できる権利を法律で保障する方針も示されました。
まずはOntario Photo Cardのデジタル版を導入する計画
オンタリオ州政府によると、デジタル身分証明書の導入は段階的に進められる予定です。まず2026年後半から関係者や一般市民との協議を開始し、制度の設計やプライバシー保護、安全性などについて検討を進めます。
その後、最初のデジタル身分証明書として導入を予定しているのがOntario Photo Card(オンタリオ州写真付き身分証明書)です。

photo from ontario.ca
Ontario Photo Cardは、運転免許証を持っていないオンタリオ州在住者向けに発行される公的な写真付き身分証明書です。銀行口座の開設や各種サービスの利用、本人確認が必要な場面などで使用されています。
州政府は、このカードのデジタル化と利用テストを通じて安全性や実用性を確認し、その後、運転免許証やヘルスカードのデジタル版導入につなげたい考えです。
ただし、現時点では各デジタル身分証明書の具体的な導入日は発表されていません。
デジタル身分証明書のメリットは?
デジタル身分証明書が導入されると、利用者はスマートフォンなどのモバイル端末に公的な身分証明書を安全に保存し、オンラインや対面での本人確認に使用できるようになることが想定されています。
州政府は、主に以下のメリットを挙げています。
- 利便性の向上: スマートフォンなどで身分証明書を提示できるようになり、各種サービスをより手軽に利用できる
- セキュリティの強化: 身分証明書の紛失や盗難、なりすましによる被害のリスク軽減が期待される
- 行政サービスの効率化: 行政手続きの簡素化やサービス提供の迅速化につながる
- コスト削減: 政府や納税者の負担を軽減できる可能性があるとのこと
州政府は、デジタル化によって利便性を高めながら、個人情報の保護や利用者の信頼確保にも取り組むとしています。
従来の運転免許証やヘルスカードも引き続き利用可能
今回の発表で注目したいのが、デジタル身分証明書の利用は義務化されないという点です。
オンタリオ州政府は2027年後半に、住民が従来の物理的な身分証明書のみを取得・使用する権利を恒久的に保護するための法案を提出する予定です。
つまり、デジタル身分証明書の導入後も、スマートフォンでの身分証明を希望しない人は、引き続き従来のカードを利用できる仕組みを目指しています。(デジタル身分証明書はあくまで選択制)
スティーブン・クロフォード州公共・ビジネスサービス提供・調達相は、行政サービスの近代化を進める中で、身分証明をより安全で便利、かつ費用対効果の高いものにしていくと説明。また、デジタル身分証明書によって個人情報の保護を強化するとともに、すべてのオンタリオ州住民が物理的な身分証明書を使用する権利を維持すると強調しました。
いつから利用できる??
今回発表されたのは導入に向けた計画であり、2026年10月23日時点でデジタル運転免許証やデジタルヘルスカードが利用可能になったわけではありません。実際にどのようなアプリや仕組みで利用するのか、どの施設やサービスでデジタル版が認められるのかなど、詳細については今後の発表を待つ必要があります。
オンタリオ州政府は、アルバータ州、ケベック州、ブリティッシュコロンビア州など、他のカナダの州における取り組みも参考にしながら、制度の整備を進めていく方針です。
プラブミート・サルカリア運輸大臣は、「当州政府は、州内の家庭や企業の生活をより便利にするための計画の一環として、イノベーションに注力しています。州のさらなる発展を目指す中で、デジタル化の選択肢は、家庭が公共サービスや民間サービスを利用する際に、便利かつ安全で、不正利用を防げる手段を提供することになります。」と語っています。
今後、オンタリオ州での本人確認の方法がどのように変わっていくのか、引き続き注目です。LifeTorontoスタッフは個人的に、物理カードを紛失する恐れが無くなるのはいいなと思う反面、もしも物理カードを持っておらず、スマートフォンの電池が切れている際にカードが必要になった場合を想定すると、結局両方所持するのが一番いいのかな、と思いました。
皆さんは、身分証明書のデジタル化、賛成でしょうか?反対でしょうか?
Ontario Introducing Optional Digital Credentials While Guaranteeing Access to Physical I.D.


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