右側通行が原則など、カナダには日本と違う交通ルールや対応の仕方があります。また、州によっても微妙なところでルールが異なったりします。
そこで、オンタリオ州の主な交通ルールや対応の仕方などをまとめてみました。
ここに挙げている以外にも、オンタリオ州交通省(Ontario Ministry of Transportation)が発行するドライバーズ・ハンドブックでは、オンタリオ州での交通ルールの詳細が学べます。
今後オンタリオ州の免許を取得する方、もう少し詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
●ドライバーズ・ハンドブックについて(Ontario Ministry of Transportation)
●オンライン版ドライバーズ・ハンドブック(Goverment of Ontario)
目次
歩行者のルール
歩行者は横断歩道を渡り、信号がカウントダウンを初めたら渡り始めてはいけません。
横断歩道でない場所を渡る行為(J-Walk)や信号無視は、罰金$35が課せられます。
自転車の運転時のルール
オンタリオ州では、自転車は路肩を走行する車両と定義され、自動車と同様に交通標識に従わなければなりません。違反の場合は罰金$85~$260が課せられます。
また、オンタリオ州内でも地域によって条例が異なる場合があります。以下はトロント市の場合です。
・14歳以上の歩道自転車走行禁止
・18歳未満は乗車時ヘルメット着用の義務
・自転車には、以下を必ず装着する
- 前方にホワイトライト、後方にレッドライトまたは反射板
- ベルやホーン
- ブレーキ
自動車運転時のルール
赤信号でも右折可能
オンタリオ州では赤信号で停止中、歩行者や左からの進入車がいない場合、赤信号でも右折することが可能です。
ただし、あくまでも赤信号であることを忘れず、右折時は細心の注意が必要となります。(赤信号時の右折を禁止する交差点もあり)
参考
Government of Ontario:Changing directions
Ontario Ministry of Transportation:Driver’s Handbook | Changing directions
脇見運転禁止
オンタリオ州では、運転中の食事や読書、携帯電話などの電子機器を手にするなどの行為は禁止されており、初回で罰金最大$1,000、免許停止などの処分があります。
手に電子機器を持っている状態とは、通話(ダイアル操作含む)、テキストやEメール等のメッセージ入力、地図の操作・確認、音楽のプレイリストの変更、GPSに目的地等を入力などの行為が含まれます。
赤信号や停止標識での停車中も運転中に含まれます。
安全の為にも運転中は携帯機器はハンズフリーモードで使用するか、ダッシュボード等に機器を固定する等して使用しましょう。
参考
Government of Ontario:Distracted Driving
Ontario Ministry of Transportation:Distracted Driving – Frequently Asked Questions
自転車に注意
自転車を追い越すときは、1m以上の距離を保たなければなりません。また、確認を怠って自動車のドアを開けて自転車運転者が怪我をした場合も、罰金が課せられます。
トロント市内の市街地などでは、自転車との衝突事故が多いため、十分注意しましょう。
参考:Ontario Ministry of Transportation
Driver’s Handbook | Sharing the road with other road users
スクールバス周辺の運転
スクールバスが停車時に赤いランプを点滅させている時は、後続車は20m手前で停車しなければなりません。
中央分離帯が無い場合は、反対車線の車も同じく20m手前で停車する必要があります。中央分離帯がある場合でも、子ども達がバスを降りて道路を渡る間は、十分に距離をとって優先して渡らせる必要があります。
違反した場合は、最大$2,000が課せられます。
参考
Ontario Ministry of Transportation:School bus safety:Bus Handbook | Stopping-for-school buses law
チャイルドシートの装備
8歳未満、36kg未満、145cm未満の子どもは、チャイルドシートに座らせる事が義務付けられています。
日本から持ってきたものは安全基準の違いにより使えない可能性もあるので、カナダの安全基準を満たしていることを証明する右の写真のステッカーが貼ってあるカナダで販売されているチャイルドシートを利用した方がよいでしょう。
参考
Ontario Ministry of Transportation:Choose the right child car seat
駐車違反
駐車や停車する場合も禁止されている行為があります。下記は、トロント市の駐車違反の一例です。
【駐車違反のトロント市の一例】
- 歩道縁石から30cm以上離れた駐車
- 交差点より9m以内に駐車
- 歩道に乗り上げた停車
- 出入り口での駐車
- 消火栓より3m以内に駐車
- 路肩停車
- 交差点内停車
- 横断歩道から9m以内停車
- 橋上停車
参考:City of Toronto Bylaws – parking bylaws – regulations – fines
また路上に駐車する際は、時間などの制限もありますので、その場所のサインを確認しましょう。支払いが必要な場合もあります。市営の駐車場支払いシステム、グリーンPパーキングの利用についてまとめた記事↓も参考に!
冬季の運転について
-40℃に達することもあるオンタリオ州の冬は、雪や凍結で、路面の状態が悪くなります。
事故を防ぐために、前もって天気を確認する、ウィンタータイヤに変える、車に積もった雪や霜を払い視界をクリアにするなどの準備をし、スピードを出しすぎないようにしましょう。
参考:Ontario Ministry of Transportation | Winter driving tips for Ontario drivers
【いざという時のために車内に積んでおくと良いもの 】
・充電された携帯電話
・保存食 ・水 ・懐中電灯
・毛布 ・暖かい服
・ブースターケーブル
・シャベル
・トラクションマット/トラクションサンド
チケットを切られた際の対応
駐車違反の場合
①自主的に罰金を支払う
②裁判所に行き抗議する(“I didn’t know”では不十分)
罰金を払わずにいると、ナンバープレートの更新ができなくなります。
違反通知の場合
①自主的に罰金を支払う
②裁判所に行き違反を認め罰の軽減を求める
③裁判を申し出る
チケットを切られてから15日以内に何も行動を起こさない場合は有罪となります。
罰金を払わずにいると、免許停止処分になります。
事故が起きた際の対応
事故の際は、警察に連絡後、コリジョンレポーティングセンターに報告します。
1. 安全を確認し、道路脇に車を移動する。
2. 警察に電話をする。事故の状況により警察が来る必要がないと言われた場合、最寄のコリジョンレポーティングセンターの所在地を聞く。
3. 相手や目撃者がいる場合は情報交換をする。(氏名、住所、電 話番号、保険会社、車種等)
4. 出来る限り早く、事故車を身近のコリジョンレポーティングセンターに持って行く。(運転免許証、車の所有証明、保険証券等を持参する)
5. 車や所有物に2000ドル以上の損害がある事故に巻き込まれた全ての運転手は、コリジョンレポーティングセンターに事故を報告しなければなりません。特別な状況の場合は、警察が事故現場に来ます。
トロント警察下のコリジョンレポーティングセンターの場所はこちら。
参考:Toronto Police Service| What to do when you’re involved in a collision
自動車保険の加入
オンタリオ州では、自動車保険の加入が義務付けられています。オンタリオ州の自動車保険について、また加入方法については、↓の記事でまとめていますのでぜひ参考に!
(トロント・オンタリオ州で自動車保険に賢く入る方法。運転する人は必ず知っておきたい)
(保険のプロに聞いたトロント・オンタリオ州で自動車保険料を節約する方法14)
日本とはルールや慣習、交通の文化も異なるオンタリオ州。ぜひ機会があれば、冒頭で紹介したドライバーズ・ハンドブックに一度目を通してみてくださいね。