トロントなどカナダ・オンタリオ州に長期で滞在する場合、仕事やプライベートでの車の移動が生活になくてはならないものになる方もいらっしゃると思います。そういった場合に重要になってくるのが、自動車保険。
カナダの他の州と同様に、オンタリオ州でも自動車を利用するには保険の加入が義務づけられています。(保険と車両登録は別手続きです)
そこで今回は、日本語対応をしているカナダの保険代理店、ブリッジス・インターナショナル保険サービス(BIIS)さんの協力で、オンタリオ州の自動車保険についてとその賢い加入方法について紹介します。
目次
カナダ・オンタリオ州の自動車保険のしくみ
カナダ・オンタリオ州の保険には、州によって加入することが義務付けられる「強制保険」と、強制保険だけではカバーしきれない部分を補う「任意保険」とに分かれます。
強制保険
補償の種類 | 補償の内容 |
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(1)第三者賠償責任 (Third Party Liability) |
第三者を負傷させた、または器物を破損した場合の対人・対物損害の補償。オンタリオ州が義務付けている上限補償額は20万ドル。 |
(2)事故傷害費用 (Accident Benefit) |
交通事故により怪我をしたときの補償。過失の有無に関わらず、医療費、リハビリ費用、付添人費用、介護費用、仕事ができなくなった時の収入補填などがカバーされます。 |
(3)無保険車傷害保険 (Uninsured Automobile) |
交通事故の相手が、無保険だったり、相手が分からない(ひき逃げなど)場合の補償。 |
(4)無過失車両補償 (Direct Compensation-Property Damage) |
自分に過失が無い場合、事故相手の保険会社からの補償ではなく、自分の保険から修理費用など補償できるもの。手続きが簡素化できますが、オンタリオ州で起きた事故で、かつ相手がオンタリオ州自動車保険加入者であることが条件になります。2024年より任意加入になりましたが、補償を外すには条件があるため、詳しくはBIISさんまでお問い合わせください。 |
任意(オプショナル)保険
補償の種類 | 補償の内容 |
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上記(1)の上限額の増額 | 第三者賠償責任の上限補償額を増やすことができます。100万ドルまたは200万ドルの補償にするのが一般的です。 |
上記(2)のカバーされる範囲の拡大や増額 | 上限額を増やしたり、扶養家族の世話や家事、家のメンテナンスができなくなった場合にかかる費用、死亡した際の葬儀費用などもカバーするように補償範囲を広げることができます。 |
車両保険 (Loss or Damage to Your Automobile) |
●衝突または横転など自損事故の補償(Collision or Upset Coverage) 他の車や障害物との衝突や横転による損害の補償。 ●衝突や横転など自損以外の補償(Comprehensive Coverage) 盗難や火災、落雷、暴風、浸水、爆発、飛来物の落下、破壊行為などによる損害の補償。 |
特約補償
この他にも特約補償を追加することにより、様々な状況での補償内容を強化することができます。
●OPCF 44R (Family Protection Coverage)
加害者の賠償責任保険が不足している場合、被害者の保険会社が不足額を被害者が加入している賠償責任保険額まで補填する補償。
●OPCF 20 (Coverage for Transportation Replacement)
車両が事故により運転不能の場合、その修理期間も含めて代車費用を補償します。
●OPCF 27 (Damage for Liability to Non-Owned Automobiles)
アメリカ・カナダ国内でレンタカーをした場合、そのレンタカーの車両を補償します。様々な条件があるので、詳細は保険証書で確認する必要があります。
●OPCF 43 (Removing Depreciation Deduction)
車両は購入時より減価償却します。この特約を新車購入時に契約することにより、2年以内の全損事故の場合、減価償却されずに購入価格が補償されます。
参照:
IBC – How Auto Insurance Rates are Set
ブリッジス・インターナショナル保険サービスートロント・オンタリオ州自動車保険
自動車保険の加入のために準備しておきたい事
自動車保険に加入するには、オンタリオ州の運転免許番号と取得日、住所、車の情報(登録番号、年式、モデルなど)が必要です。引越し後、まずはオンタリオ州免許の取得手続き、次に自動車保険加入、最後に車両登録を行いましょう。
また、手続きをスムーズに入るために、日本にいる時、または他の州にいる時から書類の準備しておきましょう。
事前に必要書類を準備する
引っ越し元 | 必要書類 |
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日本から引っ越し | 日本の保険会社や自動車安全センターに発行依頼は本人不在だと難しい場合が多いので、出発前に入手するようにしましょう。
日本の保険会社発行の無事故証明書(英文) 自動車安全センター発行の英文書類
※「運転免許経歴証明書」がないと日本の運転免許所得日の証明ができないので、必ず取得しましょう |
カナダの他の州から引っ越し |
住んでいた州の運転免許管轄機関から運転履歴(Drivers Record) 保険会社から保険加入履歴証明(Letter of Experience) |
※証明書の交付手数料は1通670円(消費税非課税)
① アプリ(日本に現在居住している人向け)
日本国内であれば、オンラインアプリをダウンロードして各種証明書を取得することが可能です。カナダのアプリストアではダウンロードできません。
交付手数料のお支払いは、コンビニや金融機関のペイジー及びネットバンクで可能です。
▼ SDカードアプリのダウンロードはこちら
【App Store】【Google Play】
② 自動車安全センターやゆうちょ銀行・郵便局で申請
証明書申込用紙は、警察署や交番、駐在所、各自動車安全運転センター事務所で入手可能です。自動車安全センターを直接訪れる場合、その場で証明書の申込みが可能です。(自動車安全センターの所在地一覧はこちら)
また、証明書申込用紙を入手後、最寄りのゆうちょ銀行、郵便局からでも申込みができますが、ゆうちょ銀行・郵便局の払込みによる申込の場合は、別途で払込料金が必要です。
③ 委任状による代理人申請(既にカナダで居住している人向け)
すでにカナダにいるのであれば、代理人が委任を受けたことを明らかにする書面(委任状の書式はこちら)により、代理人が自動車安全センターの窓口にて申請することも可能です。アプリを使用する場合、代理申請はできません。
注意点
- いずれも日本の保険会社及び自動車安全センターより直接英文のものを入手する必要があります
- 各種証明書は通常1~2週間ほどで発行されます。時間に余裕をもって申請してください
- 入手した証明書は、スキャンや写真に撮ってBIISさんに送ることで情報の登録が可能です
▼ 最新情報は自動車安全運転センターのウェブサイトで確認できます
【各種証明書の案内ページ】
オンタリオ州の免許を取得する
photo from ontario.ca
現在の運転免許証 | 必要書類 |
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日本の運転免許証 |
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カナダの他の州の運転免許証 |
|
※Gライセンスを取得するためには、2年以上の運転経歴が必要。
オンタリオ州の免許取得手続きは、ドライブテスト・センター or トロントのダウンタウンのカレッジ駅にあるサービス・オンタリオで行います。最新の手数料は drivetest.ca で確認できます。
●ドライブテスト・センターの場所はこちらから検索できます。ほとんどの場所は月~金の日中に営業しています。
●カレッジ駅のサービス・オンタリオ (詳細)
営業時間:月~金 8:30am – 5pm 土日は休み
場所: College Park Lower Level
777 Bay Street, Toronto, Ontario M5G 2C8
特にトロント近郊は自動車保険料も高め。保険料を節約するには
カナダ・オンタリオ州、特にトロント近郊はカナダで一番自動車保険料が高いところです。
保険料は、車種や運転者の年齢と運転履歴、保険加入履歴、住所、走行距離、使用目的などの情報をもとにして、保険会社が独自の料率を用いて算出します。料率は過去のデータをもとに毎年見直されます。
保険料算出は複雑な計算に基づいて出されるので、単純に無事故・無違反だと下がるという事はありませんが、保険料を抑えるためのポイントはいくつかあります。
これから保険に入る人も、またすでに入っていて見直しを検討している人は、ぜひ確認してみてくださいね。
無事故、交通法規無違反の経歴を作る
安全運転歴が長いと自動車保険料は下がります。無事故・無違反を心がけましょう。
カナダで無事故歴が長い優良ドライバーは、スマホに保険会社のアプリをダウンロード、安全運転が認められると最高30%の割引を受けられる保険会社もあります。
日本から保険会社の保険加入履歴を準備する
日本から引っ越して来る場合、日本の運転履歴は保険料の算定にほとんど考慮されませんが、保険加入履歴証明書の英文書類を、日本の保険会社から入手し提出することによって、考慮してくれる場合もあります。
補償の自己負担額を上げる
補償の自己負担額を上げることによって保険料を下げることができます。ただし、事故の際、自己負担額が上がりますので、運転経験などもふまえてしっかり検討しましょう。
補償内容を見直す
補償内容がしっかり厚い方が、事故の際助かりますが、他の保険で2重に補償されている場合や、補償の意味があまり無い場合(古い自動車の車両保険など)補償内容を削減することも一案です。
割引があるかを確認する
保険会社によって様々な割引制度があります。例えば、住宅保険との組み合わせやクレジットスコアのチェックなどで割引が適用される場合があります。ウィンター・タイヤの装着することでの割引もあります。
保険料の安い車種を選ぶ
車両価格自体や、盗難、事故の確率が高い車種を選ぶと保険料が高くなります。車を購入する際に、車種による保険料の違いも考慮に入れて選びましょう。
車の使用用途を検討する
車の使用用途も、保険料の算定基準に含まれます。通勤に利用するか、土日などの休日だけ利用するか、長距離の利用が必要かなど、車を使う目的を検討してみましょう。
保険料の支払い期限を守る
保険料は確実に期日までに払いましょう。小切手の不渡りや、支払い遅延などの履歴が重なると、保険料値上げや、保険加入拒否につながります。
自動車保険に賢く入るには保険代理店を利用
カナダ・オンタリオ州の自動車保険は複雑なため、自分でいろんな保険会社に連絡し見積りを取り寄せるのは、大変な時間と手間がかかります。
また、自分に必要なのか、十分な補償なのかを、それぞれ判断するのも一苦労。
引っ越しで忙しい中は、ぜひ時間も節約するためにも、複数の保険会社から条件の合う会社を提案してくれる保険代理店をぜひ利用しましょう。
トロントにオフィスを構える保険代理店ブリッジスさんなら、保険免許を持った日本人担当者が対応してくれるので安心
そこで頼りになるのが、日本語で対応してくれるブリッジス・インターナショナル保険サービス(BIIS)さん。
トロントとバンクーバーに事務所をかまえていて、カナダの現地事情に精通した日本語を話すスタッフが、日本人のニーズをきちんと理解して対応してくれるので安心です。
また、スタッフの方は全員が保険免許を持って、現地の保険会社の中からその人に合った保険を提案してくれます。
ブリッジスさんへさっそく見積もり依頼してみる
上記の必要書類やオンタリオ州の免許切り替え、車両登録が完了したら、ブリッジスさんに見積もりを依頼しましょう。
また、ブリッジスさんへの自動車保険に関する相談は、下記の方が対象になります。
●2年以上の長期滞在者(※ワーキングホリデー・留学生などは対象外となるので、予めご了承ください)
●Gライセンス保持者
お問い合わせ
【電話】トロント:1-888-298-6526 / 日本国内電話:050-5806-6308
(営業時間:トロント現地時間:午前9時〜午後5時)
ブリッジス・インターナショナル保険サービス(Bridges International Insurance Services)
※現在、来店は完全予約制となっています。来店を希望する方は、電話または上のお問い合わせフォームにて予約してください。
トロント
住所:151 Bloor St. West, Suite 850, Toronto ON M5S 1S4
TEL: 647-349-7101 (日本からは 050-5806-6308)
バンクーバー
住所:1030 West Georgia St., Suite 901, Vancouver BC V6E 2Y3
TEL: 604-408-8695 (日本からは 050-5532-8138)